エコタイヤ性能比較表

エコタイヤ性能比較表

eco_main2

 タイヤにおけるエコとは エコロジー + エコノミー で括りたい。低燃費に優れ燃料費を抑える、それは結果として走行時のCO2排出量を削減し環境に優しい、に繋がります。低燃費のみは本筋にならないでしょう。ここ明確にしておきたい。

 この発想はミシュランの グリーンタイヤ が発端では、とも言われています。1992年に初めて実用化され転がり抵抗が低減されているのが特徴でした。シリカと呼ばれる特殊な素材をコンパウンドに配合し、転がり抵抗低減への効果を実証したのです。大きな転換点になりました。

 それまでは転がり抵抗の低減を図ろうとすると、グリップや摩耗性能が犠牲になる、と考えられていました。この技術でミシュランは エコタイヤ を実現したのです。大きな衝撃を受けた各メーカーは、その後新たな技術を開発しそれを超えた 超エコ とも呼ばれる発想を展開することになります。

 そして現在の主流は 低燃費タイヤ へ進化しています。これには明確な規定が示されています。

(2018.4更新)
【TOPICS】

エコタイヤ性能比較

 性能比較表は各メーカー別に専用ページを構築しました。タイヤ性能はグレーディングのみで評される訳ではないけれど、性能指針の役割を与えられているしこれはこれで理解しておかないと。転がり抵抗係数 と ウェットグリップ性能 について製品毎(低燃費タイヤのみ)に記載しています。

 その結果、飽くまでもイメージの枠を超えないけれどウェットグリップ性能「a」を実現するのヨコハマが多いような。そしてヨコハマが行った100km/hからの制動テストでは、グレーディング「a」と「c」ではクルマ約1.5台分もの差になるという。このあたりも参考にしてみて欲しい。

エコタイヤの進化

eco1

 ミシュランのグリーンタイヤに刺激された国内メーカー、まず際立った動きになったのがダンロップ、そしてヨコハマだったのでは。それぞれ エナセーブ、と DNA(後にBluEarth) のブランドで環境性能追求を強固に主張し始めます。

 2006年ダンロップが投入した「エナセーブ ES801」は、石油外資源を採用した超エコタイヤ。原料である化石資源を天然資源に置き換える石油外天然資源比率を、従来の44%から70%に高めた製品でした。

 これに対してヨコハマは、2007年に「DNA dB super E-spec」を投入。重量構成比の80%に非石油系資源を使用。限りある石油資源の使用を減らすと伴に、廃棄時の焼却によるCO2の発生を抑えることにも主張を展開します。

 負けられないダンロップは、2008年に石油外天然資源比率を97%にまで引き上げた「エナセーブ 97」を切り札として発売しました。つくるとき、使うとき、廃棄するとき の3段階でCO2の削減が謳われました。

 このあたりがエコから超エコタイヤへ上り詰めたピークでは。しかしターゲットは当時プリウスなどのHVを想定し設定サイズは最小展開、まずは環境に敏感なユーザーを狙ってのこと。反応を見てその後拡大を狙いましょ、というところだったかと。

超エコ ~ 低燃費タイヤへ

 超エコタイヤの出現で、他メーカーも大いに反応することになります。これにより市場に溢れる超エコタイヤは、エコ性能の主張がメーカーによってバラバラ、効果の後ろ盾も弱いなどユーザーには戸惑いが見られるようになりました。

 自社製品の優秀性を打ち出すのは当然ながら、結果として市場での混乱を拡大させる懸念が生じていたのです。これにより新たな局面を迎えることになりました。

 2010年に低燃費タイヤが出現、転がり抵抗 と ウェットグリップ の規定をグレーディングで表示し、客観的な性能を示すことになりました。

 この一連に至る経過は、タイヤ → エコタイヤ → 超エコタイヤ → 低燃費タイヤ となります。進化の流れから捉えると、エコの発展系が低燃費タイヤです。しかし含みもあって、微視的追求が低燃費タイヤ、それを取り囲む巨視的展開がエコタイヤ、というニュアンスも見られます。

低燃費タイヤに関するガイドライン

eco_main

 エコタイヤには公平な情報提供が求められていました。そこでデータ計測の統一的な見解や情報提供等について、国交省及び経産省が主導し、最終的には業界自主基準として示されることになりました。これが 低燃費タイヤ です。

 詳細に関しては、一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)より、ガイドライン(ラベリング制度とは) が発表されています。

低燃費タイヤとは

 範囲はユーザーが交換用として販売店等で購入する、乗用車用夏用タイヤに適用されます。(新車装着、スタッドレス、M+S表示などは対象外)

 性能別にグレーディングシステム(等級制度)を設け、転がり抵抗係数 を5等級(「AAA」「AA」「A」「B」「C」)に、ウェットグリップ性能 を4等級(「a」「b」「c」「d」)にレベル分けします。

 その中で、転がり抵抗係数が「A」以上(「AAA」「AA」「A」)、ウェットグリップ性能が「a」「b」「c」「d」の範囲内、更に安全性の面から十分な性能を確保された製品が 低燃費タイヤ に適合します。

 またユーザーに対して適切な情報提供をするラベリング(表示方法)の制度を構築します。グレーディングシステムをカタログやホームページ等で表示、要件を満たした場合、低燃費タイヤ統一マークを併せて表示します。

 国内における実施メーカーは次の通り。㈱ブリヂストン、住友ゴム工業㈱、横浜ゴム㈱、東洋ゴム工業㈱、日本ミシュランタイヤ㈱、日本グッドイヤー㈱、㈱ハンコックタイヤジャパン、クムホジャパン㈱、ナンカンタイヤ㈱、㈱オートバックスセブン、ピレリジャパン㈱、ネクセンタイヤ コーポレーション、㈱マキシスインターナショナルジャパン。(2018年3月現在)

そして現状はどうよ?

 2010年1月から導入され、2018年は9シーズン目を迎え既に第3世代に入っています。毎シーズン変革が進み充実が進んでいます。2016年には販売店等で売られるタイヤの77.5%が低燃費タイヤだという。(JATMA資料より)

 コンフォートやスタンダード、そしてミニバンなどのカテゴリーが主体になってラインアップの形成を急いだのが普及著しい要因でしょう。ただ性能の対極距離が長いスポーツやスポーツコンフォート、更にはM+Sを備えるSUVは、実現へのハードルが高い状態続きました。しかし、それさえも超え規定を満たす製品が出現、普及は一層進み、エコから低燃費タイヤへの移行は順調に進んだ、と言えるのでは。

 エコに比較し公平性を感じる低燃費タイヤながら、規定では業界による自主基準止まりです。また基準は先行議論が進んでいた欧州を参考にしたもの。因みに欧州では2012年11月から法規制が施行され、転がり抵抗とウェットグリップ、そしてノイズが加わっています。

 国内制度は欧州に先行するもノイズの扱いに課題を残し、公平性に対しても更なる厳密さが必要では、という声が聞かれるケース見られます。