エコタイヤ性能比較表

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 エコタイヤは エコロジー + エコノミー で括りたい。低燃費に優れ燃料費を抑える、それは結果として走行時のCO2排出量を削減し環境に優しい、に繋がります。エコ=低燃費、だけではない。転がり抵抗低減がエコタイヤ、ではなくトータル的なエコがタイヤに関するエコの本質では。ここ明確にしておきたい。

 いずれにしてもこの発想はミシュランの グリーンタイヤ が発端では、とも言われています。ミシュランは1946年にラジアルタイヤを導入、転がり抵抗を30%低減させました。これにより低燃費、更にライフの向上など性能が飛躍的に向上しています。

 1951年には ルマン24時間レースにおいてミシュランのラジアルタイヤを装着した「ランチアB20」が優勝、その絶対的優位性が証明された歴史的なレースになりました。

 1992年、シリカをコンパウンドに配合することで、転がり抵抗低減への効果を実証。更に20%低減に成功しています。転がり抵抗を低減しようとするとグリップや摩耗性能が犠牲になるというのがそれまでの考え方でした。それを打ち破るのが グリーンXテクノロジー(グリーンタイヤ)です。この技術でミシュランは エコタイヤ を実現した、と言っていいでしょう。

 大きな衝撃を受けた各メーカーは、その後新たな技術を開発しそれを超えた 超エコタイヤ とも呼ばれる発想を展開することになります。そして現在の主流は 低燃費タイヤ へ進化しています。これには明確な規定が示されています。

(2018.6更新)
【TOPICS】

エコタイヤ性能比較

 性能比較表は各メーカー別に専用ページを構築しました。タイヤ性能はグレーディングのみで評される訳ではないけれど、性能指針の役割を与えられているしこれはこれで理解しておかないと。転がり抵抗係数 と ウェットグリップ性能 について製品毎(低燃費タイヤのみ)に記載しています。

 その結果、飽くまでもイメージの枠を超えないけれどウェットグリップ性能「a」を実現するのヨコハマが多いような。ヨコハマが行った100km/hからの制動テストでは、グレーディング「a」と「c」ではクルマ約1.5台分もの差になるという。このあたりも参考にしてみて欲しい。

転がり抵抗とは

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 エコタイヤは転がり抵抗低減が特徴とされているけれど、転がり抵抗とは何? 簡単に言えば、クルマの走行時に受けるタイヤの抵抗で次の3つがあります。走行時の変形によるエネルギーロス、トレッドゴムの路面との接地摩擦によるエネルギーロス、回転に伴う空気抵抗によるエネルギーロス。うち走行時の変形が全体の90%を占めるという。

 なら変形に対して少し詳しく。タイヤはゴムで形成されており回転すると接地面が変形します。一方で元の形に戻るという動きがあり双方を繰り返します。この時に転がり抵抗(エネルギーロス)が生じ、一部は熱となってタイヤの温度をあげてしまいます。

 これを相殺すれば低減が実現します。更にグリップも同時に保てれば、低燃費に優れ走りの安定性が得られます。しかし、双方は相反性能であって両立は難しい課題です。

 そこでミシュランが素材として採用したのが、シリカという二酸化ケイ素。カーボン(炭素)に比べ発熱量が少なく、コンパウンドに配合することでエネルギーロスを抑え転がり抵抗低減に優れます。更にはウェットやアイス路面で摩擦力が高く、湿度による硬度変化が少ないなどの特性も持っています。

 これらの技術をミシュランはグリーンXテクノロジーと呼び、1993年に発売した「MXGS」は同テクノロジーを搭載し日本で最初に発売したグリーンタイヤ、そうエコタイヤです。

エコタイヤの進化

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 2006年ダンロップが投入した「エナセーブ ES801」は、石油外資源を採用した超エコタイヤ。原料である化石資源を天然資源に置き換える石油外天然資源比率を、従来の44%から70%に高めた製品でした。

 これに対してヨコハマは、2007年に「DNA dB super E-spec」を投入。重量構成比の80%に非石油系資源を使用。限りある石油資源の使用を減らすと伴に、廃棄時の焼却によるCO2の発生を抑えることにも主張を展開します。

 負けられないダンロップは、2008年に石油外天然資源比率を97%にまで引き上げた「エナセーブ 97」を切り札として発売しました。つくるとき、使うとき、廃棄するとき の3段階でCO2の削減を訴えます。

 このあたりがエコから超エコタイヤへ上り詰めたピークでは。しかしターゲットは当時プリウスなどのHVを想定し設定サイズは 195/65R15 のみというような最小展開、まずは環境に敏感なユーザーを狙ってのこと。反応を見てその後拡大を、だったかと。

石油外の新素材

 石油外天然資源、そしてこれまでの天然ゴムのあり方が大きな転換を迎えていたのもこの頃かと。東南アジア等を中心とした パラゴムノキ に代わる新たな素材として グアユール に注目。また ロシアタンポポ 由来のタイヤ研究も進んでいます。

 新たな素材から天然ゴムを採り出すことは安定供給へ繋がります。タイヤ素材の安定化はタイヤメーカーにとって長年の課題です。実現は環境面、そして末端での価格へ期待が膨らみます。これだってエコに関連する。

 エコに拘る発想はこれまでの経緯展開から理解するのがいい。一部の側面だけではなく様々な可能性を投げかけています。

超エコ ~ 低燃費タイヤへ

 素材改革等による超エコタイヤの出現で、他メーカーも大いに反応することになります。これにより市場に溢れるエコタイヤは、エコ性能の主張がメーカーによってバラバラ、効果の後ろ盾も弱いなどユーザーには戸惑いが見られるようになりました。極端な話なら、エコです! とアナウンスすればエコタイヤとして括られてしまう。

 自社製品の優秀性を打ち出すのは当然ながら、結果として市場での混乱を拡大させる懸念が生じていたのです。一方市場では冷静なユーザー判断もありました。各メーカーが主張性を高めれば高めるほど、その根拠に対する比較要件を求めるようになっていたのです。

 ここから新たな局面を迎えることになります。2010年に低燃費タイヤが出現、転がり抵抗 と ウェットグリップ の規定をグレーディングで表示し、客観的な性能を示すことになったのです。

 この一連の経過は、タイヤ → エコタイヤ → 超エコタイヤ → 低燃費タイヤ。進化の流れから見た場合、エコタイヤの発展系が低燃費タイヤ。結論付けると、大きな意味で低燃費や環境面での優位性を謳うのがエコタイヤ、公平性により一定条件をクリアしたのが低燃費タイヤです。

低燃費タイヤに関するガイドライン

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 エコタイヤには公平な情報提供が求められていました。そこでデータ計測の統一的な見解や情報提供等について、国交省及び経産省が主導。低燃費タイヤ等普及促進協議会 を設置、2009年7月に方向性をとりまとめた内容が発表されました。最終的には業界自主基準として、決定されたのが低燃費タイヤです。

 詳細に関しては、一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)より、ガイドライン(ラベリング制度とは) が発表されています。

低燃費タイヤとは

 範囲はユーザーが交換用として販売店等で購入する、乗用車用夏用タイヤに適用されます。(新車装着、スタッドレス、M+S表示などは対象外)

 性能別にグレーディングシステム(等級制度)を設け、転がり抵抗係数 を5等級(「AAA」「AA」「A」「B」「C」)に、ウェットグリップ性能 を4等級(「a」「b」「c」「d」)にレベル分けします。

 その中で、転がり抵抗係数が「A」以上(「AAA」「AA」「A」)、ウェットグリップ性能が「a」「b」「c」「d」の範囲内、更に安全性の面から十分な性能を確保された製品が 低燃費タイヤ に適合します。

 またユーザーに対して適切な情報提供をするラベリング(表示方法)の制度を構築します。グレーディングシステムをカタログやホームページ等で表示、要件を満たした場合、低燃費タイヤ統一マークを併せて表示します。

 国内における実施メーカーは次の通り。㈱ブリヂストン、住友ゴム工業㈱、横浜ゴム㈱、東洋ゴム工業㈱、日本ミシュランタイヤ㈱、日本グッドイヤー㈱、㈱ハンコックタイヤジャパン、クムホジャパン㈱、ナンカンタイヤ㈱、㈱オートバックスセブン、ピレリジャパン㈱、ネクセンタイヤ コーポレーション、㈱マキシスインターナショナルジャパン。(2018年3月現在)

そして現状はどうよ?

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 2010年1月から導入され、2018年は9シーズン目を迎え世代進化が進みます。導入から2015年あたりまでが第1世代になるかと。エコタイヤからの進化がほとんど。その中でラベリング制度のグレーディング向上、つまり2つの性能を示すグレーディング向上に拘り、最高グレーディング「AAA/a」の実現を目指します。

 グレーディング向上は、ある意味各メーカーの技術披露の様相が強かった。それによりサイズ設定が1サイズ、もしくは2サイズ止まりで汎用性を示すには限界も。

 そして2016年には第2世代の熟成期に到達しました。グレーディング追求はそこそこに、カテゴリーにおける主性能の追求にシフトしています。本来求められる性能の基本回帰です。また耐摩耗性の強調も第2世代の特徴です。

 第3世代は2017年から、第2世代を継承するも過去2世代を括り本来の主張に立ち戻ります。カテゴリーの括りとは区分けされ、タイヤの新たな進化レベルとして存在を示すことになります。

 世代進化は好意的に捉えられ販売ボリュームにも表れています。2016年は販売店等で売られるタイヤの77.5%が低燃費タイヤだったという。因みに導入開始からの推移は以下の通りです。(JATMA資料より)

2010年 21.7%
2011年 40.7%
2012年 44.6%
2013年 59.8%
2014年 63.6%
2015年 68.3%
2016年 77.5%

 低燃費タイヤは市販用乗用車の夏タイヤが対象、当初はコンフォートやスタンダード、そしてミニバンなどのカテゴリーが主体になってラインアップの形成を急いだのが普及著しい要因でしょう。

 ただ性能の対極距離が長いスポーツやスポーツコンフォート、更にはM+Sを備えるSUV(4×4含)は、実現へのハードルが高い状態続きました。しかし、それさえも超え規定を満たす製品が出現、普及は一層進み、エコから低燃費タイヤへの移行は順調に進んだ、と言えそうです。

課題も

 エコに比較し公平性を感じる低燃費タイヤながら、基準は先行議論が進んでいた欧州を参考にしたものです。当事、欧州でも同様の状況から数年後の導入を目指し、低燃費タイヤの規定に関する枠組み決定が進められていました。そして2012年11月から法規制が施行され、転がり抵抗とウェットグリップ、それにノイズが加わっています。

 国内ではこの動きを参考とし独自展開を図り、先行導入を実現しました。しかし法的拘束力は持たず、飽くまでもJATMAが主導するタイヤ業界の自主基準に留まります。

 国内制度は欧州に先行するもノイズの扱いに課題を残し、公平性に対しても更なる厳密さが必要では、という声が聞かれるケース見られます。