エコタイヤ性能比較(メーカー別一覧)

eco_teinenpi

 ここではエコタイヤ性能比較(メーカー別一覧)としながらも、掲載するのは低燃費タイヤに限定したもの。各製品の転がり抵抗係数とウェットグリップ性能のグレーディングに注目しています。

 触れている通り低燃費タイヤの要件を満たすのは、転がり抵抗係数が「A」以上(「AAA」「AA」「A」)、ウェットグリップ性能が「a」「b」「c」「d」の範囲内です。これをグレーディングとし性能基準の参考にします。

 最高は「AAA/a」です。しかしながら普及に関していまひとつ。メーカーの技術主張に傾倒した役割からでしょう。いずれにしても特性、目的によりグレーディング設定がなされており、是非注目して欲しい。

(2018.7更新)

メーカー別性能比較

ブリヂストン

bs_winter01

 ブリヂストンの低燃費タイヤは業界に大きな影響を与えて来ました。そのあり方、従来通りラベリング制度のグレーディング追求を図る。一方でそれは標準レベルに留めながらも本来のカテゴリー(ブランド)追求を重視する。

 前者はラベリング制度による、転がり抵抗係数「AAA」、ウェットグリップ性能「a」という現在の最高グレーディングを実現する製品に技術披露の役割を持たせています。これ他メーカーも追随する動きです。

 対して後者、代表されるのはREGNOのあり方でしょう。プレミアムブランドながらグレーディング追求はそこそこに、優先するのは極上の静粛性。ミニバン用「GRVⅡ」も同様の主張を展開します。更に軽カーへも極上を向けています。

 また、それまで低燃費専用ブランドを誇っていたECOPIAを取り巻く環境が微妙に変化しています。「Playz PX」シリーズの新たな構築はECOPIAへの拘りを一掃。取り敢えずECOPIAを冠するそれまでの動きに決別し、本来のブランド性能の追求を実行します。

 ところが2017年に「ECOPIA NH」シリーズが投入されました。これ以前へ回帰? 更にSUVカテゴリーにも低燃費タイヤが実現、「ALENZA 001」は業界初ではないけれど注目なのは間違いない。実現への足枷が大きかった、スポーツ系、そしてSUVにも着実に広がっています。

 この現状が意味するのは普及だけに拘る施策は強化しない。多彩なカテゴリーに対しそれぞれが追求する性能優先で主張を展開する、では。

グレーディング(等級制度)

ヨコハマ

eco_yh

 ヨコハマは国内メーカーの中でいち早くエコに着目、1998年の発売以来常に進化を遂げその中心がDNAでした。そして低燃費タイヤのグローバルコンセプトBluEarthブランドへスイッチ、その後の集中投入を果たします。

 BluEarthは、コンフォート、ミニバン、スタンダードの各カテゴリーで展開されます。「AAA/a」となる最高グレーディングを達成した「BluEarth-1 EF20」は、フラッグシップに位置付けられます。また過去の人気商品「DNA Earth-1」の後継には「BluEarth-A」が出現、圧倒的なフォロー範囲を誇ります。

 ヨコハマにとって第2世代を印象付けるのは、スタンダードカテゴリー内で「AAA/c」を搭載する「BluEarth AE-01F」と、「A/c」を搭載する「ECOS ES31」を同時展開していること。また「BluEarth RV-01」の後継として、正常進化した「BluEarth RV-02」は「A/b」によるプレミアムミニバンを謳います。更にスポーツ低燃費タイヤを謳う「ADVAN FLEVA V701」にも注目しないと。

 そしてプレミアムコンフォートには待望の進化を果たした「ADVAN dB V552」がラインアップされました。全体として絶対数こそ控えめながら地味に広がっており、更なる認知が進みます。

グレーディング(等級制度)

ダンロップ

du_wineter01

 ダンロップの戦略、その方針は2013年には100%石油外天然資源タイヤを、2015年には50%転がり抵抗低減タイヤを発売する、でした。

 その通り2013年11月には、石油や石炭などの化石資源を全く使用しない100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ 100」が、2014年9月には50%転がり抵抗低減タイヤ「エナセーブ NEXT」が発売、更に進化系「エナセーブ NEXTⅡ」に到達しています。耐摩耗性能を従来品から51%向上させ ADVANCED 4D NANO DESIGN により開発されました。

 ダンロップのエコブランドは、VEURO、LE MANS、エナセーブです。そして低燃費タイヤへの移行は、エナセーブが一層の強化を果たします。コンフォート、ミニバン、スタンダードの各カテゴリーで充実展開を実現しました。

 遅れていた最高グレーディング「AAA/a」は、「エナセーブ NEXT」で達成し「エナセーブ NEXTⅡ」へ。ブリヂストン、ヨコハマ、トーヨーと同列になりました。

 ただ普及への役割を担うのは、2017年登場の「LE MANS V」です。乗り心地と静粛性を大幅に高め、耐偏摩耗性能も向上させたのが主張点です。そして2018年、更なるボリュームを託すのがスタンダード「エナセーブ EC204」です。ダンロップの注目はここかな。

グレーディング(等級制度)

トーヨー

eco_ty

 トーヨーは、ミニバン専用に見られる個性的製品の得意なメーカーです。エコタイヤ当初こそやや後発的イメージが持たれていたものの、最新は積極性を強めています。

 「NANOENERGY」シリーズの投入は、日本国内はもとより欧州など世界市場も強く意識されています。「NANOENERGY 1」、「NANOENERGY 2」、「NANOENERGY 3」と投入し、「NANOENERGY 0」ではとうとう最高グレーディング「AAA/a」を達成しました。

 また2014年に全面進化したミニバン専用「TRANPATH」シリーズは、スタンダードの「TRANPATH mpZ」、ラグジュアリーミニバンに対応する「TRANPATH LuⅡ」、そして軽カーのハイト系専用「TRANPATH LuK」などいずれも注目しています。

 低燃費タイヤへの進化が遅れていたプレミアムコンフォート「PROXES C1S」は「PROXES C1S SPEC-a 」として登場。更に2012年春から欧州で先行販売されていた「PROXES CF2」も導入され、商品ラインアップ拡充を図ります。また「PROXES CF2 SUV」はSUV用として同社初の全サイズ低燃費タイヤを謳います。

 2016年には「NANOENERGY 3 PLUS」が登場しました。ラベリング制度の転がり抵抗係数「A」を維持しながらも、ウェットグリップ性能を従来の「c」から「b」にグレードアップしたことが強調されています。また「TRANPATH」シリーズとしてミドルクラスの上級ミニバンをターゲットにした「TRANPATH ML」も投入されました。そして2018年、ラインアップは熟成による強化を図ります。

グレーディング(等級制度)

ファルケン

fk_winter

 ファルケンはダンロップ同様住友ゴムの展開です。グッドイヤーとの提携解除等によりファルケン強化の動きが更に進みます。ただ国内専用とは異なるグローバル製品が多く、国内展開にはまだ課題も残ります。

 その状況下で注目を集めるのがコンフォートZIEXです。「ZIEX ZE912」の後継となる「ZIEX ZE914」で低燃費タイヤを実現し、ラベリング制度は「A/c」とやや微妙ながら、従来品の踏襲を基本性能として進化しました。

 そしてここから僅か1年半で更なる進化を遂げたのが「ZIEX ZE914F」です。低燃費性能を維持しながらウェットブレーキ性能を9%向上。その結果、ラベリング制度のウェットブレーキ性能は「c」から「a」へが15サイズ、「b」へが44サイズ、全59サイズを展開します。

 またスタンダード「SINCERA SN832i」は転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「b」もしくは「c」のグレーディングです。スタンダードカテゴリーの傾向からすると至って標準的。ただ同じ住友ゴムのダンロップ「エナセーブ EC204」は転がり抵抗係数「AA」、ウェットグリップ性能「c」であり微妙に差別化を図っています。

グレーディング(等級制度)

  • 転がり抵抗係数
  • A
  • A
  • ウェットグリップ性能
  • b
  • b(c)

グッドイヤー

eco_gy

 グッドイヤーが誇るハイブリッドテクノロジーは、第1世代Hybrid、第2世代HybridⅡ、第3世代e-Hybrid、そして第4世代G4に進化しています。最新のG4とは、転がり抵抗低減とウェットグリップのバランス性能を高度に実現する先進技術の総称です。

 これを搭載したのが、2015年シーズンから始まった「EfficientGrip(E-Grip:いいグリップ)」シリーズ。

 プレミアムにポジショニングされる「EfficientGrip Performance」は、欧州グッドイヤーで開発され念願の国内導入を実現しました。グッドイヤーのプレミアムカテゴリーは「EAGLE LS PREMIUM」が存在するものの、低燃費タイヤの規定を満たしていないのが痛い。期待は必然的に高まるはず。

 またスタンダードの「EfficientGrip ECO EG01」は、従来品「GT-Eco Stage」に比較して、転がり抵抗低減とウェットブレーキを大幅に向上させています。これによりスタンダードのラインアップにも高性能化の主張が響きます。

 「E-Grip」シリーズは2018年に更なる強化を図ります。コンフォート「EfficientGrip Comfort」が新たな期待を背負って登場しました。同様にSUVへも「EfficientGrip Performance SUV」が投入されましたが、残念こちらは低燃費タイヤではありません。いずれにしても2018年は新たな「E-Grip」シリーズに注目です。

グレーディング(等級制度)

  • 転がり抵抗係数
  • A(一部)
  • AA(A)
  • AA
  • A
  • AA(A)
  • AA(A)
  • ウェットグリップ性能
  • a
  • a
  • b(c)
  • b
  • b(c)
  • c

ミシュラン

mc_eco

 ミシュランの グリーンタイヤ 構想が発端と言われるエコタイヤ、1992年に初めて実用化されてから20数年が経過しました。現在は転がり抵抗低減に対する進化レベルは飛躍的に向上し、相反する性能との共存も高位に実現しています。

 ミシュランの「ENERGY」シリーズはグリーンタイヤコンセプトとして、環境保護に厳しいヨーロッパの基準をクリアーしたエコ製品です。

 国内で展開するのは「ENERGY SAVER+」、従来品「ENERGY SAVER」がグローバル展開により広く認知されたことから進化レベルに注目です。「ENERGY SAVER」も軽カーサイズを備え依然特徴を維持しています。

 また「PRIMACY 3」は欧州で先行販売され、次世代コンフォートとして国内へも導入されました。コンフォートとしての極上性(プレミアムコンフォート)も備え、当初から高い評価を得ています。2014年にはSUV専用として初の低燃費タイヤを実現した「LATITUDE Sport3」、ハイパフォーマンスSUVに向けられているのが注目です。

 日本国内での低燃費タイヤへの取り組みは、JATMAへの参画企業であることが求められ、ミシュランは当初からの存在感を示します。しかしながら、ラインアップ展開にはやや不満も。スタンダードレベルでの充実展開が望まれます。

グレーディング(等級制度)

  • 転がり抵抗係数
  • A
  • AA(A)
  • A
  • A
  • ウェットグリップ性能
  • c
  • b
  • c
  • b

ピレリ

eco_p

 国内におけるピレリのエコに関する戦略、これまで目立った動きではありませんでした。しかし、2008年に「Cinturato」シリーズが導入され、欧州のみならず日本国内においてもやっとその取り組みが見えて来たのです。

 「Cinturato」シリーズは、エネルギー消費を抑えたコンパウンドの採用、構造やプロファイル(断面)形状を見直すことで転がり抵抗を低減するなど、ピレリ独特の拘りが感じられます。

 2014年4月から導入が開始された「Cinturato P7 BLUE」は、ようやく国内低燃費タイヤ規定を満たした製品です。転がり抵抗係数「AA」(一部「A」)、ウェットグリップ性能「a」を実現します。そして2017年には新たな「Cinturato P6」が投入されました。独自路線いっぱいのピレリながら、国内事情に沿う姿を徐々に強化しています。

 ただ絶対数の不足はやはり国内メーカーに比較すると寂しさが感じられます。低燃費タイヤ第3世代でカテゴリー特性追求に傾倒しつつあるものの、そこいま少し頑張りを期待したいところです。

グレーディング(等級制度)

  • 転がり抵抗係数
  • AA(A)
  • A
  • ウェットグリップ性能
  • a
  • b