スタッドレスタイヤ比較(選び方)

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 スタッドレスとはどんなタイヤ? 冬用、ゴムの柔らかさ、アイス路面と雪路、そして非降雪地域をポイントに定義してみました。

 過酷な冬道でも滑りを抑え、安定した走行を実現します。柔らかいゴム等による性能特性はアイス路面、そして雪路でグリップ効果を発揮します。

 最近はドライ性能や低燃費、そしてライフ性能の向上が図られ、首都圏など非降雪地域でも装着が推奨されます。

 これを踏まえスタッドレスタイヤの選び方、様々な側面からお伝えします。取り分け新シーズンは技術進化が著しい、そして取り巻く環境も微妙に変化しています。まずはここから詳細を探りましょう。

 近年は性能向上が際立ちます。その背景を察知しニーズに応えようとする各メーカーが、勢い激しく最新技術を搭載した高性能製品を投入している為です。

 というような全般の話題に触れ、ポイントになる基本性能のあり方を絡めてお伝えしたい。その上で製品比較となる 性能比較表 へ繋ぎます。

(2018.9更新)
【TOPICS】

スタッドレスタイヤ性能比較

 最新スタッドレスタイヤに関するメーカー別製品詳細情報です。各メーカー別に新製品の特性、従来品の熟成などを織り交ぜオリジナル企画でお伝えします。また、夏・冬用の性能を兼ね備えた全天候型であるオールシーズン、非降雪地域へ向けた提案は可能性を高く感じます。絞り込まれた製品展開であるけれど主張性は年々増しています。詳しくは以下のリンクから専用ページへ飛んで欲しい。

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スタッドレスタイヤ誕生の背景

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 雪道にはスノータイヤが定番であった1960年代頃、夏タイヤに比較すればまだいいのでは、という程度で、現在とは全く比較にならないレベルでした。

 特にアイス路面で厳しいのは想像出来ます。使われるゴムは基本夏タイヤと同じ。そこに抵抗としてのブロックが設置されているのみですから。アイス路面の弱さは道路の舗装が進む中で更に厳しい状況になります。

 そこでより効きを高める為に、ブロックにスタッド(鋲)を取り付けて直接氷を引っ掻くスパイクタイヤが出現したのです。効果は抜群で普及は拡大、1980年代には冬用タイヤの70%近くを占めるまでになりました。

粉塵公害は社会問題へ

 しかし、ここに大きな社会問題が発生します。雪国の大都市(仙台市や札幌市など)を中心にした粉塵公害です。

 スパイクはアスファルトを削り粉塵が舞い上がり健康被害を生じさせる、ということ。当事の状況を見ると粉塵は凄まじく、道路脇に積み上げられた雪は真っ黒です。シーズン初めや終わり頃は空中に舞い100m先も見ない状況になりました。

スタッドレスタイヤの登場

 結局、スパイクタイヤは一部を除き1991年3月には販売中止となる訳ですが、そこに登場したのがスタッドレスです。スパイクを使用しないでアイス性能の効きを高める研究開発が進んだ結果です。

 但し、世界に目を向けると北欧やロシアなどは依然としてスパイクの使用が確認出来ます。ただ近年の温暖化等による環境変化によってやはり粉じん問題が起こりつつあり、スタッドレスの装着が徐々に高まっています。

基本性能は9つ

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 夏タイヤの基本性能は7つ、とブリヂストンが定義しています。

 ①直進安定性、②ドライ性能、③ウェット性能、④低燃費、⑤ライフ、⑥静粛性、⑦乗り心地 です。

 ならスタッドレスタイヤはどうよ? 結論からすると9つかな。夏タイヤの7つに、アイス性能と雪路性能 の2つが加わります。

 市販であるスタッドレスは一点集中の特殊専用タイヤでは不本意です。アイス路での拘りは非常に重要ながら、雪路、シャーベット、ウェット、ドライなど、多彩な路面環境で性能を高次元に実現するのが理想です。

 要は欲張りタイヤが評価を極めると、いうこと。その為にはバランスを配したトータル性能向上に寄与する技術の搭載が絶対条件です。ナノレベルでの技術はその実現を果たします。

 トータル性能を重視しながらも、やはり突き詰めればそこは冬専用タイヤです。優先的に求めるられるのは冬性能の高度化でしょ。アイス路面で効きを高め、雪路では確実な走りを期待します。

 特にアイス性能は発進、停止、曲がるの基本動作に直結します。安全性に最も敏感な性能では。従ってこれが最新の主張ポイントとして際立つことになります。

【詳細】スタッドレスタイヤの基本性能を詳細に示す!

ミニバン用も兼ねる(軽カー用は?)

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 現行ラインアップで、ミニバン専用はトーヨーの「Winter TRANPATH TX」のみです。ご存知のようにミニバンは背が高く重量があるのでふらつきやすい。更に効きを高めるには路面との接地を安定させること。その為にサイドの剛性強化が図られた専用性が求められます。

 夏タイヤはこの考え方に傾倒し、ミニバンはいまやカテゴリーとしての人気が定着しています。そこでスタッドレスも・・ となる訳ですが進まない。いったい何故? となりますわな。

 その理由を簡単に伝えると、既存製品はミニバンの装着も想定された剛性強化を実現しているから、では。軽カーからプレミアムまで対象とする現在、サイドの役割というか形状に大きな進化を果たしています。

 この実現は走りの安定性ばかりではありません。氷雪路での効きを高めること、そして低燃費や乗り心地、快適性まで影響します。一見ブロックが配置されるトレッド面に一任されるイメージですが、サイドからショルーダー、そしてトレッドへと繋がる総合力によって果せるものなのです。

 サイズ設定もミニバンフォローを十分なものとしています。100サイズをも超える展開はその為です。ミニバンを含め軽カーからミドル、そしてプレミアムまでカバーする根拠はここでも見られます。

 それでも専用の意味はあると思います。抜群の補強バランス、最適化によるミニバンへのフィットは最大です。専用だからこそのプラス効果によって得られる恩恵は決して小さくないかと。

軽カー用はどうよ?

 興味深い情報をブリヂストンが発しています。軽カーは径が普通乗用車に比較し小さい為に、同じ距離を走るにも回転数が1.2倍にもなりライフ性能へ影響する、としています。計算値では10,000Km走行時に、サイズ 195/65R15 が500万回転なのに対し 155/65R13 は600万回転だという。

 これ夏タイヤに対してのものながら、スタッドレスなら効きにも影響してくるでしょうね。なら軽カー専用の方がいい。いろんな面で優位性を見出すことが可能です。しかし、メーカー投入に動きが無いのは何故?

 既述したように車種フォローでは軽カーをも対象にしています。そのサイズ設定は十分かと。近年のメインは 155/65R14、165/55R15 です。対して12インチから設定、13インチも幅を待たせています。古い車種にも十分対応可能です。

 そしてパターンにも及びます。専用化とはいかないけれど、軽カーを含んだスタンダードサイズと大口径で若干の違いを見出せる製品が存在します。例えば、センター部のリブ列数が異なることでブロック剛性の適正化を図るなど。

 従って商用等は別とし、乗用車用とSUV/4×4用の2つへ大別、これ以上細分化を図る展開に意味は薄い、というのが多数メーカーの姿勢になるのでは。

SUV/4×4専用の特性

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 オフロード用となるM/Tタイヤなら、溝が太く深いしゴツゴツしたブロック構成で排泥性に優れることから、雪道でも行けるのでは。

 実際メーカーでは浅雪での性能に配慮したタイヤ、としています。但し、冬性能に特化した製品ではない為に、アイス路や雪路を走行する際は必要に応じてチェーン等の装着を求めています。また高速道路の冬タイヤ規制時には通行出来ない可能性にも触れています。じゃあ、どうしたら・・

やはり専用スタッドレスタイヤの装着を!

 アイスバーンでの懸念は間違いなくあるでしょ。ここが非常に大きいと思う。危険が大きい冬環境だからこそ車種特性を最大限考慮し、先行する乗用車用の高性能技術を流用したSUV/4×4スタッドレスタイヤを装着したい。

 SUV/4×4の車種特性は重量があり重心が高いこと。これが氷雪路でのブレーキングやコーナーリングでは不安定さを招きます。従って乗用車に比較し高い剛性を得ることが重要です。しかし、柔らかいゴムを採用するスタッドレスタイヤにとって、剛性を高めることは背反の両立です。非常に難しい技術が求められます。

 近年はより進化した乗用車用スタッドレスの技術を導入し最適化するすることで、SUV/4×4スタッドレスにも高性能が謳われるようになっています。

 注目するのはトレッド面に配置されるブロック形状。制動時などタイヤに強い力が掛かる時でも、トレッドパターン全体で接地面の各ブロックの倒れ込みを抑制、ヨレを制御し高重量・高重心から起こるふらつきに高い対応性を示します。

 技術展開はメーカーによって様々だけれど、共通するのはブロック本体を外と内から支えること。外からは最適形状にしたブロック同士が互いに支え合い、内からはサイプの内壁を特殊構造で接触力を増加、各サイプが支え合い倒れ込みを抑制します。更にショルダーからサイドへもたわみと剛性をバランスし安定性へ導きます。

 また柔らかいゴムを形成する素材の進化も見逃せない。ナノレベルで結びつきの強化を図ります。など剛性向上は、正に先行する乗用車用技術で実証するもの。そこから更に最適化を図りフィット感を高めます。

ブランド転換が進む

 従来は、夏タイヤとしてのSUV/4×4専用ブランドにスタッドレスも括られていました。しかし、技術流用が進むにつれブランドも乗用車用へ取り込みます。というか、全体的なスタッドレスブランドの確立を図っている、と捉えるべきかな。その結果、ラインアップのひとつとしてSUV/4×4専用が展開されるようになった訳です。

 例えば、ヨコハマは GEOLANDAR から iceGUARD へ。ダンロップは GRANDTREK から WINTER MAXX へ。トーヨーは Winter TRANPATH から OBSERVE へ向かうも、新たには Winter TRANPATH を再度併用するケースも見られます。

CUVを謳う

 CUV(Crossover Utility Vehicle)は乗用車のプラットフォームを流用したSUVと言っていい。近年のSUV人気、実は多くがCUVだという。乗用車からの乗り替えも多いと聞くし、従来のSUVよりもソフトなイメージを持つから敷居が低い。

 ここにターゲットを向けるのは当然のこと。SUVより更に注目を得る為に、新たな括りCUV対応とするのも有りでは。

スタッドレスとスノータイヤの違い

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 日本国内で冬に履く専用タイヤと言えばスタッドレスが一般的。しかし、スノー、ウインター、冬、スパイク、スタッド、そしてオールシーズンなどの各タイヤも存在します。これら様々なのはいったい何故? 違いは? また走りに対する影響がどれほどなのか興味あるところでは。果たしてどんなものなのか、個々に触れてみたいと思います。

スタッドレス

 定義するとこう。過酷な冬道でも滑りを抑え、安定した走行を実現します。柔らかいゴム等による性能特性はアイス路面、そして雪路でグリップ効果を発揮します。最近はドライ性能や低燃費、そしてライフ性能の向上が図られ、首都圏など非降雪地域でも装着が推奨されています。

スノー

 夏タイヤに比べトレッド面(接地面)の凹凸を激しくし(ブロックを高く角ばるようにする)、雪道での抵抗が大きくなることで滑り難さを意識しました。しかし、ゴムは基本的に夏用と同じ、その為に冬の低温路面では硬化し限界が低い。アイス路面はとても滑りやすい。夏用よりはマシかな、程度です。従ってチェーンも備えておく必要があったかと。

スパイク(スタッド)

 スパイク=スタッド(鋲)を指します。よって双方は同じと理解。スノータイヤがアイス路面に弱いことから、対策としてトレッド面にスパイクを装填したもの。これがアイス路に食い込みグリップ効果を発揮します。なおスタッドレスは、スタッド(鋲)がレス(無い)を意味します。

オールシーズン

 夏・冬用の性能を兼ね備えた全天候型であるオールウェザー、いやオールシーズンというのが一般的。特殊コンパウンドとトレッドパターンは季節を問わず多彩な路面コンディションに対応します。冬の浅雪程度なら走行可能なのが最大主張点。年間を通して季節や路面を選ばない、履き替えなしで走行可能であり異なるカテゴリーに括られます。

M+S(マッド&スノー)

 国内ではSUV/4×4等にM+S表示が見られ、形式的にはオフロードは勿論、雪道でも走れる性能を持った製品と言われます。特にオフロード用となるM/Tタイヤなら、溝が太く深いしゴツゴツしたブロック構成で排泥性に優れることから、雪道でも行けるのでは。

 実際メーカーでは、浅雪での性能に配慮した、としています。但し、冬性能に特化した製品ではない為に、アイス路や雪路を走行する際は必要に応じてチェーン等の装着を求めています。一応エマージェンシーレベルで何とか走行可能と捉えるべき、厳しい雪道走行には向いていない。M.S、M&S、M/Sなどとも表示されます。

ウインター(冬)

 ウインター(冬)タイヤは、冬場の氷雪路でも安全に走行が出来るよう造られた冬専用の総称に捉えます。なのでスタッドレス、スノー、スパイク等は、これらのひとつと言えます。但しオールシーズンは別、新たな括りを謳います。

まとめ

タイヤの構成図

購入は最新モデル or 旧モデル?

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 それぞれに進化レベルと拘りは注目すべき点として主張しています。同時に従来品へも過去最高レベルの興味に到達しています。この1~2年は極めて目立つ動きで、今シーズンは更に強調されています。

 展開は最新となる製品をメインに据えながらも、従来品に新たな役割を持たせます。双方に性能差があるのは明らかながら、そこを差別化として展開の有効性に繋げます。ここを踏まえた上で、スタッドレスの購入に関して新製品となる最新モデルがいいのか、それとも従来品(旧モデル)でも十分なのか触れてみたい。

考え方はこうなる!

 スタッドレスタイヤ市場は、新製品の進化レベルが更に向上している印象です。しかし、従来品もまだまだ現役でありそれを含めた豊富な商品展開に、正直頭を悩ませる人も多いのでは。

 新製品の傾向は、氷上性能と低燃費、そして寿命(ライフ)に対しての性能向上が特に進歩著しいかな。この実現は相反する性能を両立させなければならず、その工夫も最新モデルの特徴と言えそうです。

 高度な技術が投入された新製品に対して、従来品へのある意味妥協で得るのは価格かな。これは最後に触れるとして、それ以外での考え方はどうだろう。

 例えば、降雪地域で日常的な利用であっても、街中で平坦な道が多くそれほど路面状況の厳しさがない場合などは旧モデル、そう従来品でも十分耐えられる、と考えます。また雪道に対する慣れそして自信があるのなら必ずしも最新でなければ、ということでもないはずです。

こんな人ほど新製品!

 しかし、スキーなどウインタースポーツへ行くことが多い人。また降雪地域で厳しい環境下にある人なら新製品を勧めます。アップダウンに対する信頼性やアイス路面での効きに安心感が得られるはず。更にここ重要かな。初心者や雪道に不慣れな人ほど最新モデルの装着が理想です。操縦技術に頼ることは難しく、最新の高性能タイヤに少しでも安心安全を委ねたい。

 そして価格、従来品は安価、新製品は高価です。ただ最新はゴムの柔らかさを維持する効果が高く、同じ使用環境下なら従来品より寿命が長くなります。1年当たりのコストでは従来品よりも安くなることが期待出来ます。

 いずれにしても、新製品がいいのか、それとも従来品なのかは、その使用環境を考慮した上で判断することが重要です。

日本専用設計はなぜ?

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 近年、外国メーカーはメジャーそしてアジアンタイヤに至るまで、スタッドレスタイヤの日本専用設計を強調します。基本設計を本国の研究所で行い、走行テストを日本で実施する、というものから、設計段階から日本をベースにするメーカーまで様々な形態が見られます。しかもその舞台は北海道が中心。

 日本専用設計のもっとも大きな理由は雪による走行環境の違いに対応する為です。日本と外国、特に欧州とは違いが大きいと言われます。日本国内でさえも地域によって雪質や降雪後の走行環境は全く異なります。尚更外国とはその違いが更に大きいでしょう。

日本の雪は多様性

 日本は南北に長い地形によって世界屈指の降雪国とも言われます。寒暖の差が激しく積雪があると解け難く、気温が低下すると押し固められた雪はアイス路面になりやすい。更にミラーバーンやブラックアイスバーンなど、非常に滑りやすい厳しい路面を作り出しています。

 一方で降っても直ぐ解ける地域もあれば、数年に一度だけという地域もあります。同じ国ながら冬環境は多様性を示します。

外国は?

 対して欧州、といっても国によりこちらも違いはあるけれど、雪質は軽く豪雪となるのは一部の地域だと言われます。更にここ注目します。除雪対応が非常に進んでいる。降雪になると除雪車が出動、そして融雪剤を大量に散布します。

 ただ北欧やロシアでは状況が異なります。常に路面に雪が積もる状況が発生しています。ここではスパイクタイヤの使用が認められており、アイス路面を想定したスパイクタイヤ需要はいまだに続きます。

それぞれに専用設計

 日本国内と欧州、北欧やロシアを加えた3つだけでも環境の違いを感じます。従って日本だけに専用設計の投入を行うのではなく、欧州には欧州専用設計を、北欧・ロシアには専用設計となるスパイクタイヤが投入されていると理解したい。

 しかし、それでも日本専用設計の特殊性、要求の厳しさは特別でしょう。対応するスタッドレスタイヤは、圧雪やシャーベットは勿論ですが、最も滑るアイス路面を強く想定しなくてはなりません。更に近年はドライでの高速走行、低燃費も重視され夏タイヤ並みの性能が求められることも少なくないのです。日本のタイヤ性能に対する要求は非常に高く、これを満たす姿勢が重要です。

 このような市場特性によって外国向けのスタッドレスを投入しても、ユーザーの高い満足が得られるとは想像し難く、結果として日本の雪質を考慮し開発した専用設計が必要となるのです。

 日本で開発し専用設計を謳うことは、国内メーカーと同じ土俵で開発が行われていることになり、競争力に対する優位性を同レベル、もしくはそれ以上へ引き上げます。その多くは北海道を舞台に開発が行われています。

 北海道は、積雪状況や走行環境など開発に必要なデータ収集に適しています。また広大な土地柄からテストに十分な敷地も確保しやすい。そして国内メーカーの製品も多くが北海道の雪質をデータベースに開発が行われています。従って外国メーカーの開発拠点が北海道であることに納得です。

 日本の雪質や使用環境の理解が進み、外国メーカーの日本専用設計が拡大する傾向では、国内メーカーと外国メーカーのボーダレス化が以前より進んでいます。依然として国内メーカーの優位性は揺るがないものの、その差は縮んでいると思います。

非降雪地域でも推奨の訳

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 ブリヂストンによれば、非降雪地域(東京・名古屋・大阪)でのスタッドレスタイヤ保有率は何と30%ほどだという。

 これまで非降雪地域の装着は、スキーなどへ出掛ける際のワンポイント用であったものが、最近では居住地域での降雪やその後の路面凍結に備える必要性から、という人が増えています。またメーカーによる装着推奨も影響しているのでは。


東京に雪が降った日数最高は14日だそう!

 ヨコハマの公式サイトにいいデータが掲載されていたので拝借します。東京に雪が降った日数に関するもの。2004年 ~ 2016年、東京に雪、しゅう雪(にわか雪)、みぞれ、霧雪、細氷のうち、一つ以上の大気現象を観測した日(気象庁調べ)、と注意書きあり。これを踏まえた上で、最高は2005年と2010年の14日、直近2016年は6日だったという。

2004年 7日
2005年 14日●
2006年 12日
2007年 3日
2008年 9日
2009年 8日
2010年 14日●
2011年 13日
2012年 10日
2013年 5日
2014年 11日
2015年 11日
2016年 6日

 必ずしも積雪を示すものではありませんが、それでも結構多い印象を受けました。このうち走行へ支障が出た日もあったでしょう。記憶に残るのが2014年の2月です。都心でも2週連続の大雪でした。

氷点下の日も意外と多い!

 こちらは気象庁のデータを直接調べました。東京で氷点下になった日(シーズンとして10月 ~ 翌4月まで)は、2005年に11回、2014年には13回もあります。2010年から徐々にその回数が増えており、地球温暖化? の影響だからですかね・・ いずれにしても氷点下なら雨は雪に変わり、翌朝はアイス路面になる可能性が非常に高まります。

2004年 2日
2005年 11日●
2006年 0日
2007年 1日
2008年 0日
2009年 2日
2010年 5日
2011年 6日
2012年 4日
2013年 6日
2014年 13日●
2015年 6日
2016年 8日

装着への可能性

 しかし、それでも降雪地域に比較して非降雪地域では実際に氷雪路を走る機会は少ない。スタッドレスタイヤ保有者のうち約半数は1シーズンに4日以下とも。これでは判断に悩みます。でも突然の雪には対応したいし・・

 スタッドレスタイヤは気温低下でも硬くなりにくいゴムを採用しています。このゴムにより路面への密着は高まり、たとえ凍結していないドライ路面であってもグリップ性能への期待が持てるのです。

 対して夏タイヤは気温低下でゴムの硬化が進み、路面への密着性が低下します。ドライ路面であってもグリップ性能の低下が懸念されます。

オールシーズンタイヤの可能性

 それでも値段高いし、どうしよう? なら、全天候型で通年使用出来るオールシーズンの可能性を検討されたらいい。夏冬タイヤの中間性能を持つオールシーズンなら突然の降雪にも対応可能です。更にはM+Sに加え、欧州で冬用タイヤとして認証された スノーフレークマーク が刻印されるなど、高速道路の冬用タイヤ規制でも通行可能だというから性能レベルには興味が高まります。

交換は気温7℃に拘る

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 夏タイヤは気温が低下するにつれゴムは硬化、その性能を維持することが難しくなります。

 一方スタッドレスタイヤのゴムは柔らかく、低温時でも硬化を防ぐ(柔らかさを維持する)のが特徴です。より多くの天然ゴムを使用+シリカ等の効果、と言われます。また先進技術や素材の積極的採用も効果に繋がっています。これにより低温の冬場でも密着に優れグリップ力に長ける訳です。

 従って雪が降らないからといっても、寒さ厳しくなればこれへの交換が理想です。ではどのタイミングで交換を実行すればいい? 外気温に注目して欲しい。ドイツのメーカーであるコンチネンタルは、気温7℃を下回る季節には交換を推奨しています。その理由はこうです。

 空気中の分子硬化が始まるのは気温7℃の域だという。夏タイヤではゴムの硬化が進みグリップの低下が見られます。対してスタッドレスなら、路面が氷雪状態ではなくドライだとしても柔らかいゴムの特性からグリップに優れる、ということです。

 コンチネンタルの調査によると、外気温0℃の場合ならスタッドレスに対して夏タイヤの制動距離は3mも伸びるという結果が示されています。-10℃では7m、-20℃では12mにもなります。

積雪時にスタッドレスタイヤ等装着無しは条例違反

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 降雪時にはスタッドレスタイヤ又はチェーン装着が当然のことでは、と捉えています。

 しかし、首都圏などで積雪があった場合、夏タイヤのままで走行し立ち往生しているクルマの多いこと。そもそも降雪時に夏タイヤで走行すること自体恐くて出来ません。ある意味チャレンジャーでは。

 2014年の東京、2月8日と2月15日だったかな、30cm近い積雪となりました。2週続けて記録的な大雪です。この影響でクルマは各地で立ち往生、事故も発生し東名高速では上下線とも事故車両が車線をふさぎ渋滞、ほとんど動けない状態になりました。

 東京に雪が積もるのは年に1回あるかないかです。しかも道路に積雪、となると何年に1回です。なので冬タイヤ等の準備を整える人は少ない。だからと言って夏タイヤでの走行はあまりにも危険です。

条例違反になる可能性

 これって実は条例違反になる可能性があるんです。日本では沖縄を除き、北海道から鹿児島まで46都道府県で降雪時の冬タイヤ等の装着に関して条例で定めています。

 例えば東京都、東京都道路交通規則 第8条第6号

 「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、自動車又は原動機付自転車を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること」

 となっています。罰則等は不明ながら事故等が非常に懸念されます。それほど危険度が高い走行環境となるのです。

 JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)では「都道府県道路交通法施行細則 又は 道路交通規則における積雪、凍結時の防滑措置」として、46都道府県の条例を抜粋掲載しています。是非一度確認して欲しい。

スタッドレスタイヤに関する様々な知識

 交換時期はいつがいい? 雪道では自分の運転レベルを過信しない! 空気圧は? など様々な情報を スタッドレスタイヤの知識 として独自の観点から示します。製品情報を確認したらこちらも是非参考にして欲しい。

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  • スタッドレスタイヤの知識
  • スタッドレスタイヤ、そして冬環境に対する理解も深めること重要では。いろんな危険が潜む厳しい走行条件で安心、安全を心掛けたい!

関連情報

【東北地方】冬用タイヤ装着状況調査 2017
【北海道】冬用タイヤ装着状況調査 2017
製品比較は スタッドレスタイヤ性能比較表 で確認!