スタッドレスタイヤ比較 2017-2018 - 選び方

スタッドレスタイヤ比較 2017-2018 - 選び方

sport1

 スタッドレスとはどんなタイヤ? 冬用、ゴムの柔らかさ、アイス路面と雪路、そして非降雪地域をポイントに定義してみました。

 過酷な冬道でも滑りを抑え、安定した走行を実現します。柔らかいゴム等による性能特性はアイス路面、そして雪路でグリップ効果を発揮します。

 最近はドライ性能や低燃費、そしてライフ性能の向上が図られ、首都圏など非降雪地域でも装着が推奨されます。

 これを踏まえ 2017-2018年に向けたスタッドレスタイヤの選び方、今シーズンも様々な側面からお伝えします。取り分け新シーズンは技術進化が著しい、そして取り巻く環境も微妙に変化しています。まずはここから詳細を探りましょう。

 スタッドレスは近年性能向上が際立ちます。その背景を察知しニーズに応えようとする各メーカーが、勢い激しく最新技術を搭載した高性能製品を投入している為です。

 というような全般の話題に触れ、ポイントになる基本性能のあり方を絡めてお伝えしたい。その上で製品比較となる 性能比較表 へ繋ぎます。

(2017.10更新)
【TOPICS】

スタッドレスタイヤ性能比較

 2017-2018年に向けた最新スタッドレスに関するメーカー別製品詳細情報です。各メーカー別に新製品の特性、従来品の熟成などを織り交ぜオリジナル企画でお伝えします。

stud
  • スタッドレスタイヤ性能比較表
  • 注目の製品特性は スタッドレスタイヤ性能比較表 で確認を。各メーカー別に専用ページを構築、乗用車用とSUV/4×4専用を2017-2018年向けとして展開する。

スタッドレスタイヤ誕生の背景

stud4

 雪道にはスノータイヤが定番であった1960年代頃、夏タイヤに比較すればまだいいのでは、という程度で、現在とは全く比較にならないレベルでした。

 特にアイス路面で厳しいのは想像出来ます。使われるゴムは基本夏タイヤと同じ。そこに抵抗としてのブロックが設置されているのみですから。アイス路面の弱さは道路の舗装が進む中で更に厳しい状況になります。

スパイクタイヤ

 そこでより効きを高める為に、ブロックにスタッド(鋲)を取り付けて直接氷を引っ掻くスパイクタイヤが出現したのです。効果は抜群で普及は拡大、1980年代には冬用タイヤの70%近くを占めるまでになりました。

粉塵公害は社会問題へ

 しかし、ここに大きな社会問題が発生します。雪国の大都市(仙台市や札幌市など)を中心にした粉塵公害です。

 スパイクはアスファルトを削り粉塵が舞い上がり健康被害を生じさせる、ということ。当事の状況を見ると粉塵は凄まじく、道路脇に積み上げられた雪は真っ黒です。シーズン初めや終わり頃は空中に舞い100m先も見ない状況になりました。

スタッドレスタイヤの登場

 結局、スパイクタイヤは一部を除き1991年3月には販売中止となる訳ですが、そこに登場したのがスタッドレスタイヤです。スパイクを使用しないでアイス性能の効きを高める研究開発が進んだ結果です。

世界では未だ残るスパイク

 但し、世界に目を向けると北欧やロシアなどは依然としてスパイクの使用が確認出来ます。ただ近年の温暖化等による環境変化によってやはり粉じん問題が起こりつつあり、スタッドレスの装着が徐々に高まっています。

基本性能は9つ

stud3

 夏タイヤの基本性能は7つ、とブリヂストンが定義しています。

 ①直進安定性、②ドライ性能、③ウェット性能、④低燃費、⑤ライフ、⑥静粛性、⑦乗り心地 です。

 ならスタッドレスタイヤはどうよ? 結論からすると9つかな。夏タイヤの7つに、アイス性能と雪路性能 の2つが加わります。


トータル性能の実現へ

 市販であるスタッドレスは一点集中の特殊専用タイヤでは不本意です。アイス路での拘りは非常に重要ながら、雪路、シャーベット、ウェット、ドライなど、多彩な路面環境で性能を高次元に実現するのが理想です。

 要は欲張りタイヤが評価を極めると、いうこと。その為にはバランスを配したトータル性能向上に寄与する技術の搭載が絶対条件です。ナノレベルでの技術はその実現を果たします。

最優先されるのは冬性能

 トータル性能を重視しながらも、やはり突き詰めればそこは冬専用タイヤです。優先的に求めるられるのは冬性能の高度化でしょ。アイス路面で効きを高め、雪路では確実な走りを期待します。

 特にアイス性能は発進、停止、曲がるの基本動作に直結します。安全性に最も敏感な性能では。従ってこれが最新の主張ポイントとして際立つことになります。

やっぱりアイス性能!

ice

 スタッドレスで特に期待されるアイス性能、氷上性能やアイスバーン性能などと示されますが、意味は皆同じこと。氷の上での発進、停止、曲がる性能を示します。

 最新のアイス性能実現は、除水と密着、そして引っ掻きの3つを実現することです。氷とタイヤの間に発生する水膜、まずはこれを除水することが効きへの最大効果として実証されています。

 手法はブルヂストンやヨコハマなどの吸水、ダンロップやグッドイヤーなどの撥水です。いずれも特殊コンパウンドへナノレベルでの技術投与が謳われます。

 またアイス路面の表面はミクロレベルで凹凸があり、その隙間を埋める為に低温でもゴムの柔らかさを保つ素材を採用し、密着を高めることにも拘っています。

 プラスしてエッジ効果を効かせます。ブロックやサイプのエッジは勿論、除水に優れる素材そのものが引っ掻きの役割も果たすなど、もの凄い高度なレベルに達しています。より詳しくは、アイス性能向上は除水と密着、そして引っ掻きの3つで実現する で確認を。

雪路性能は雪柱せん断力

stud6

 雪路性能はアイス性能に比較し性能差が拮抗しており、メーカーや銘柄によるアドバンテージは少ないとも言われます。ある意味技術の熟成期に入ったのでは。

 雪路では雪によりタイヤの摩擦力は最小化します。そこでトレッド面に幅広の深溝を刻みブロックを設置します。タイヤの回転でその溝が雪を踏み固めて柱を作り、それを蹴り出すことでグリップを生み出します。この一連の動きが 雪柱せん断力 です。

 スノータイヤはこの動きを実践する製品です。しかし、使用するゴムは基本的に夏タイヤと同じ、温度低下によりゴムは硬化してしまいます。すると深溝の 雪を掴む・放す 働きは著しく低下し、しかも深溝には雪が詰まりトレッド面はツルツルになってしまうことも。要は雪路性能に重要な 雪柱せん断力 を高度に維持するには限界があったのです。

 そこでスタッドレスは低温でも硬くならない柔らかいゴムを採用しました。これによりしっかりと雪を掴み確実に放す、しかも持続可能で 雪柱せん断力 を飛躍的に向上させています。より詳しくは、雪路性能はパターン技術と柔らかいゴムで生み出す で確認を。

安定した走りにはドライ性能

stud5

 スタッドレスへ交換直後、フワフワとした乗り心地、そしてハンドリングの不安定さを強く感じるものです。徐々に慣れるけれどあまり気持ちのいい体感ではありません。夏タイヤに比較して柔らかいゴムを採用し、ブロックの背高構造が大きく影響しています。改善への方策は剛性向上です。

 最新はサイプの刻みに高度な技術が投入されています。ブロック内部から支える特殊構造であり、倒れ込みを抑制し剛性向上効果を高めます。またサイドからショルダーに達する形状を適正化したわみを抑制します。更にトレッドゴムの下層には強化されたベースゴムを採用、剛性を保ち安定化を図ります。

 など剛性向上技術は多岐に渡り、当然10億分の1となるナノレベルでの素材開技術も大きな影響を与えます。結果としてタイヤ全体で剛性を実現、最新世代のドライ性能はとんでもなく進化しています。より詳しくは、安定した走りを実現するドライ性能の向上 で確認を。

低燃費にも拘る

stud7

 スタッドレスは抵抗によって効きを高めるのが基本的な考え方。一方、低燃費はいかに抵抗を低減するか、です。両立には真逆の発想が求められます。

 実現はサイドのたわみを適正化、抑えることです。たわみが大きければ発熱量が増大し転がり抵抗が増します。しかし、抑え過ぎると乗り心地や安定性に影響します。更に発熱を抑制する新素材のゴムを採用します。サイド剛性を保ちつつ、エネルギーロスを低減させることで低燃費へ繋げます。

 その結果、スタッドレスながらラベリング制度の転がり抵抗係数に照らすと「A」にもなる製品が出現しています。ヨコハマの最新「iceGUARD 6」はスタンダード低燃費タイヤ「ECOS ES31」と同等だという。低燃費タイヤシリーズ BluEarth で培った省燃費技術を応用した結果です。

 夏タイヤを革新的な製品にした低燃費タイヤの技術は、スタッドレスにおいても高度なレベルへ導きます。より詳しくは、低燃費へ導く最新スタッドレスの凄い技術 で確認を。

ライフ(寿命)向上

stud9

 ロングライフも重要な性能と位置付けます。気温7℃の装着に拘れば、雪がまだ無いことは承知しています。そこで早めに装着しても大丈夫、と強調する根拠は特殊なゴムにあります。

 ナノレベルやマクロレベルでの素材特性を活かし、ゴムの強い繋がりによって剛性を高めます。またブロック内部から支える特殊構造で倒れ込みを抑え、偏摩耗や片減りが抑制され均等摩耗が実現し、結果としてライフ向上に繋がります。

 更にはゴムの硬化を遅らせ柔らかさを維持する、新たな軟化剤(オイル)が採用されるなどライフ向上技術は確実に進んでいます。

 これで勿体無いからと早めの装着に躊躇していた人も安心です。最新は多くの製品で第6世代に突入します。その2つ前の第4世代と比較すれば、ライフ性能は1.5倍にもなるというから進化レベルは相当なものです。より詳しくは、最新第6世代はロングライフ性能が1.5倍に向上している で確認を。

ウェットの重要性

stud8

 夏タイヤに比較して多彩な溝が多数配置されるスタッドレス、氷雪路だけではなくてウェットでの排水性能向上も狙っています。冬の路面、雪が融ければシャーベットになり、そしてウェットへ変化します。降雪後は必ずウェット路面が待ち受けます。

 多彩な溝は雪路でしっかり排雪し、柔らかいゴムの効果によって路面への密着を図ります。そしてシャーベット、更にウェットへ変化しても効率的な排水を実現します。主力になるのは主に縦方向に太く深く刻まれた溝です。ここで水を抱え込み回転により弾き出します。横溝は遠心力を利用し横方向に排水します。

 スタッドレスタイヤ特有なのがプラットホームです。新品時には隠れていますが摩耗するにつれ露出します。露出した時が摩耗50%に達したことになり、冬用タイヤとして使用することが出来なくなります。当然排水性も著しく低下します。より詳しくは、ウェット性能は地味だけれど使用環境の変化に対応 で確認を。

直進安定性は形状とパターンで

stud12

 直進性に懸念を抱くシーンは交換直後、夏タイヤに比較してステアリングの収まりが不安定です。

 そして最も不安が高まるのは轍に沿った走行では。左右へのぶれ、ステアリングが取られるなどドキドキの時もあります。ドライでは直に慣れるけれど、ハードな走行環境になれば致し方ないことかな。

 要因は背高のブロック構成と柔らかいゴムの特性です。しかし、最新となる第6世代に突入した製品はここへの拘りも高度に実現しています。

 対応として、左右非対称の異なる性能両立に長けた特性を直進安定性へも導きます。IN側とOUT側の形状やパターンデザインを最適化し安定性を高めます。より詳しくは、直進安定性の向上で快適で安全な走りを実現する で確認を。

快適性(静粛性と乗り心地)

stud11

 近年は静粛性にも拘ります。騒音エネルギーの低減は、主張で外せない重要な項目のひとつです。

 例えばブリヂストン、溝・サイプをさまざまな角度で配置し空気の流れを分散させます。更には特殊コンパウンドに、ミクロの気泡と水路がもつ吸音機能を組み合わせて低減を図っています。

乗り心地

 スタッドレスへの交換直後に感じる違和感はグニャッとした心許無さでは。コーナーではより感触が高まり不安にも繋がります。要因は直進安定性同様に背高のブロック構成と柔らかいゴムの特性です。

 そこでブロックの倒れこみを抑制すれば相当の改善が期待出来ます。近年共通する向上技術には倒れ込み抑止による剛性強化が挙げられます。しかし、高度だしメーカーや製品によって実現レベルは異なります。

 またナノレベルでの進化も見逃せない。ゴム内部で素材間がネットワークを構築し支え合いゴム剛性自体を高めています。より詳しくは、冬性能最優先ながら快適性(静粛性と乗り心地)も求める で確認を。

SUV/4×4の製品特性

SUV/4×4

 SUV/4×4スタッドレスは、重量があり重心が高い車種特性から氷雪路における制動性能、そしてコーナリング性能などの点から、より専用性に徹した製品が望まれます。

 その要求に対して近年は、より進化した乗用車用スタッドレスの技術を導入し最適化するすることで、SUV/4×4スタッドレスにも高性能が謳われるようになっています。

 トレッドパターン全体でブロックの倒れ込みを抑制、ヨレを制御し高重量・高重心から起こるふらつきに高い対応性を示します。更にショルダーからサイドへもたわみと剛性をバランスし安定性へ導きます。また氷とタイヤの間に発生する水膜の除水、氷を引っ掻く、雪を噛む効果の向上など全体的な底上げが見られます。

 今まで装着サイズの問題から、不満を持ちながらもSUV/4×4スタッドレスを装着していたユーザーにとっては非常に歓迎、いやいい意味で迷いが出るレベルまで到達しています。より詳しくは、SUV/4×4スタッドレスタイヤの特徴を詳細に確認する で。

スタッドレスタイヤに関する様々な知識

 日本専用設計って何? 交換時期はいつがいい? 雪道では自分の運転レベルを過信しない! など様々な情報を スタッドレスタイヤの知識 として独自の観点から示します。製品情報を確認したらこちらも是非参考にして欲しい。

stud
  • スタッドレスタイヤの知識
  • スタッドレスタイヤ、そして冬環境に対する理解も深めること重要では。いろんな危険が潜む厳しい走行条件で安心、安全を心掛けたい!

関連情報

【東北地方】冬用タイヤ装着状況調査 2017
【北海道】冬用タイヤ装着状況調査 2017
▲TOPへ
▲TOPへ戻る