タイヤの限界を判断する

タイヤの限界を判断する

ハイドロプレーニング現象

 タイヤには、様々なデザインによる溝が刻まれています。この溝はトレッドデザインを演出し、タイヤの見た目の印象を大きく左右します。しかし、それ以上に溝には大きな役割が課せられているのです。

 タイヤの溝は、タイヤと路面の間の排水作用を担っています。より効率的に排水することで、雨の日でも安心して走行できます。

 しかし、タイヤが磨耗すると溝が浅くなり、排水の効率は悪くなります。排水が効率的に行なわれないと、行き場を失った水はタイヤと路面の間に溢れ、タイヤのウェットでのグリップ力や操作性を低下させることになります。

 タイヤの溝が少なくなった状態では、走行での危険性が高まるということ。特に雨の日の高速走行では、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。ハイドロプレーニング現象は、タイヤと路面との間に水膜ができ浮いた状態になり、ハンドル操作やブレーキが効かなくなる現象です。

 この為、タイヤには溝の深さが1.6mmになると「スリップサイン」が露出するようになっています。これが出ると危険信号、新品タイヤへの交換が必要です。

 「スリップサイン」は、残溝がある状態ならトレッドパターンの溝の中に隠れています。でも1ヶ所でも露出すると、そのタイヤは法令(道路運送車両法)でも禁止され使用してはいけません。

 そしてやはり危険ですので、できれば露出する前に新品タイヤへの交換が望まれます。

「スリップサイン」の確認

 「スリップサイン」自体は溝の中に隠れていますが、タイヤのサイド部には「スリップサイン」の位置を示す矢印△が数箇所表示されています。その延長線上のトレッド面にある「スリップサイン」が、一箇所でも露出するとそのタイヤは使用できません。

 タイヤには様々な溝が刻まれています。その一番太い溝の間に一段高くなっている部分が「スリップサイン」です。通常新品タイヤの溝は7~9mm、それが1.6mmになったらタイヤの危険信号です。

スリップサインの位置を示す矢印

スリップサインの位置を示す矢印。タイヤサイド部に数箇所あり。

スリップサインと矢印

位置を示す矢印とスリップサインの位置関係。

スリップサイン

スリップサイン。

 タイヤの寿命は、3~4年が限界の目安として示されます。しかし、使用状況や劣化によってはそれ以下やそれ以上にもなります。なので、残溝の状況からは、「スリップサイン」を目安ににすることで、交換のタイミングをはかることができそうです。

タイヤの「クラック」

タイヤのクラック

 タイヤの「クラック」とは、ゴムの表面に発生するひび割れです。その原因はいくつか考えられます。

 タイヤには元々老化防止剤が含まれており、それが少しずつ表面に出てきて「クラック」を防止しています。

 しかし、洗剤やタイヤWAXなど一部の美化・保護剤の中には、その老化防止剤を落としてしまうものがあります。この使用によりタイヤの「クラック」発生を促進させることになります。

 よって、洗剤やタイヤWAXなどの使用は避けるほうがいいようです。でも、どうしてもタイヤの艶出しなどへ拘る場合は、油性タイプは避け水性タイプの使用を。

 また、タイヤの空気圧不足や過荷重などによっても「クラック」を誘発します。この状況下での走行はたわみが大きくなり、その繰り返しで「クラック」発生を招くことになります。

 その為、適正空気圧の維持や過荷重は極力避けることが、「クラック」発生を最小限に留めることとなりそうです。

 そして経年によるものも。残溝が十分でも経年によりゴムは自然に老化します。すると「クラック」は徐々にタイヤ表面に発生してきます。

 「クラック」の発生はタイヤの寿命の目安にもなります。その促進が激しい場合は安全性に問題が発生しますので、新品タイヤへの交換が望まれます。

 但し、多少の「クラック」ではその心配は少なく継続使用も可能です。目安についてはJATMA(日本自動車タイヤ協会)から示されていますので参考にしてください。

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