夏タイヤへの交換はいつ?

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 3月の下旬頃、いやいやGW明けでしょ! 冬が終わり春の気配が感じられると夏タイヤへの交換を判断しないといけません。しかし、多くは例年通りのタイミングとしているのでは。

 毎年のことでも悩むところがありますね。近年は異常気象によって桜の開花後に雪が降るなど困ったものです。折角交換したのに参った・・ となってしまいます。従って慎重に判断したいけれど自然相手では限界があります。

 更に注意して欲しいのは、ずっと夏場までスタッドレスのままで走行を続けることです。もう摩耗限界だから来シーズンは新品にすることを前提に履きつぶそう、と交換しないで使い続ける人、危険性がありますのでやはり夏タイヤへの交換が求められます。

(2018.10更新)
【TOPICS】

交換は気温7℃を目安にする!

 交換のタイミングは気温「7℃」を目安にしたい。これを境に、上回れば夏タイヤの方が性能発揮に長けます。逆に下回ればスタッドレスの得意性が有利です。冬シーズンも終わり徐々に気温が上がり、日中は既に7℃を上回るようなら夏タイヤへの交換のタイミングと言えそう。その時季が3月下旬頃やGW明けならいいのでは。

 ただ近年の異常気象は厄介です。交換後に雪が降るケースも想定されます。また山間部ではまだ積雪が残るところもあるでしょう。このあたり交換を後悔しないよう十分判断して望む必要がありそうです。と言っても、自然相手の予測は難しいですけどね。

スタッドレスは夏場の使用危険です

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 冬道での効きを高める為に特徴を持つスタッドレスタイヤながら、夏へ向けても使い続けようかと・・ 摩耗も進んでいるしこのまま履きつぶそう! こうして春 ~ 夏も使い続ける人は、毎年15%前後にも上るという。しかし、実は大変な危険性をはらんでいるのです。

 過酷な冬道でも滑りを抑え、安定した走行を実現するスタッドレスタイヤ。柔らかいゴム等による性能特性はアイス路面、そして雪路でグリップ効果を発揮します。近年はドライ性能や低燃費、そしてライフ性能の向上が図られ、首都圏など非降雪地域でも装着が推奨されます。

 一連の働きを維持する為に、ゴムは低温でも柔軟さを失わない特殊なものが使用されています。またトレッド面は効率的な効きを高める最新デザインが採用されています。実はこの特徴が夏場の路面では弱点となり、危険性に繋がる可能性があるんです。

柔らかいゴム

 スタッドレスの柔らかいゴムは、冬場の極寒でも硬くなり難い為のもの。その温度は-80℃、これでも硬度はほとんど変わらないという。温度変化に対して一定の柔らかさを維持する、高度な技術が採用されている為です。

 しかし、逆に路面温度が上がると一転し性能維持が難しくなります。気温7℃を境にゴムの軟化が進みます。特に夏場の高速走行では激しい熱を持ちやすく変形します。この状態で走行すると、乗り心地が悪くなるばかりではなく運転性能も著しく低下、そして変形の繰り返しによって最悪では破裂(バースト)の可能性が高まります。空気圧不足による変形と同様の危険性が懸念されます。

溝の深さ

 雪路では雪によりタイヤの摩擦力は最小化。そこでトレッド面に幅広の深溝を刻みブロックを設置。タイヤの回転でその溝が雪を踏み固めて柱を作り、それを蹴り出すことで雪路グリップを生み出します。

 ここで特徴となる幅広の深溝、通常路面では接地面積が少なくなり摩擦が大幅に減少します。夏タイヤと比較してブレーキの効きが悪くなり制動距離は大きい。コーナリングもその限界が大幅に低下します。

安全面からも危険

 本来雪道を安全に走行することを想定されるも、昨今は雪のないドライ路でも快適に走行出来るよう技術レベルが飛躍的に向上しています。それでも交換の目安とされる7℃を超えた場合、路面温度の上昇によってそれまでの優位性が失われてしまいます。ここからは夏タイヤの持つ性能にはかないません。しかも安全性が影響します。

 よって、履きつぶそうと夏タイヤへ交換しないで気温が上がる春 ~ 夏へも使い続けることは、快適性の悪化にプラスして安全面からも大変危険であると言えます。

タイヤ交換を安全にシッカリと行う方法

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 タイヤ交換はどの工具を使い、どう行うのか理解が必要です。また緊急で車載工具が必要になった場合には何処にあるのか? これって重要なので知っておく必要があります。

 ランフラットタイヤ装着車、また最近ではパンク修理キット(シーラント等)の搭載も増えており、必ずしもスペアへの交換が必要ではないかな。それでも夏タイヤからスタッドレスへの交換など、もしDIYで行うには正しい方法を理解することが重要でしょう。

 タイヤ交換は正しい工程を踏むことで安全に行えます。反面、間違った知識では危険度が高まります。緊急事態以外でもし自信がなければ、専門業者へ依頼した方が良い場合もあります。決して無理の無いように、安全面には細心の注意を払いましょう。

車載工具を確認する

標準車載工具

 交換作業で重要なのが工具類です。より快適な作業を行う為の工具類も売っていますが、基本的には車載の工具類で可能です。

 走行中などの緊急事態ではこれらを利用することになります。その時どこに積んであるの?? ではまずいので平時に一度確認しましょう。

 通常はトランクの中、スペアタイヤが積んである近辺に収まっているはず。最近はより簡素化されていますが、ジャッキ類、レンチ、ドライバー等が一般的です。

油圧式のジャッキ、十字レンチ、収縮式のレンチ、タイヤストッパー、空気入れ

 自宅等で行う場合は、油圧式のジャッキ、十字レンチ、収縮式のレンチ(ソケットレンチ)、タイヤストッパー、空気入れ、そしてトルクレンチなどあればかなり快適だし、安全に作業が行えます。

 作業環境は基本的にコンクリートやアスファルト上で平らなこと。車周りは作業ができる十分なスペースを確保しましょう。作業スタイルは動きやすい服装。サンダルなどは避けて運動靴などがいいでしょう。手袋は専用のものありますが軍手でも十分。ちょっとした怪我や汚れ防止にもなります。

ジャッキアップ

タイヤストッパーの位置

 車のエンジンは切り、サイドブレーキをしっかりとかけます。作業効率を上げる為に、交換するタイヤは各所に運んでおくこといいのでは。そしてストッパーを対角線へ固定。左前を交換する場合は右後という位置関係です。

ジャックアップポイント

 いよいよ作業開始。ジャッキアップは、車のジャッキアップポイントを探します。これは補強されている部分で、通常車体下、前タイヤの後ろ、後タイヤの前に計4ヶ所あります。下から覗いてみると切り欠けのようになっているのが目印。分からない時は説明書で必ず確認しましょう。違った位置でジャッキアップすると、フロアを変形させてしまうことがありますので注意。

 その位置を確認したらタイヤが地面から浮き上がらない程度にジャッキアップします。上げきらないのはナットを緩める際に空転を避ける為です。なお、ジャッキは油圧式だとかなりラク、作業に掛かる労力が半減します。2t式位なら価格的にもかなりお得です。

ホイールナットを緩める

ナットを緩める

 レンチを利用してナットを緩めます。この場合、軽く緩める程度でナットを完全に外さないようにします。硬く締まっているのが解ける程度かな。

 その際の姿勢は、片膝を立てた状態でレンチを水平に保つこと。力が入れやすくナットのなめを防ぐ為です。稀にレンチの上に足を乗せて力任せにしている人を見ますが、ナットをなめたりして好ましいことではありません。

 車載工具のレンチは、力がしっかりと掛け難く作業性がよくないんです。その為、市販のソケットレンチがお勧めです。特に、長さ調節が出来れば作業性が向上します。数サイズのソケットがセットされているので、幅広い車種に対応出来ます。安さを求めるなら十字レンチがいい。

ホイールナットを外す

十字レンチでナットを外す

 ナットが緩んだら更にジャッキアップ。タイヤの下に手のひらが入る位の高さを意識します。低すぎると外し難く、高すぎると車のバランスが崩れ危険です。フロアのゆがみなども危惧されます。

 適度な高さをキープしたらナットを外します。既に緩んでいるので力を大きく掛けることはありません。十字レンチを使うとクルクルと作業性がアップします。慣れるとひと回しでナットが完全に外れるようになります。

ナットは対角に緩める、締める時も同じ

 ナットは一気にひとつずつ外すのではなく、対角で同じような緩みの状態をキープして外すのが理想です。ナットは完全に外したら転がっていかないよう適当なモノに一時入れておくこと。見失ったり散乱することを防ぎます。

交 換

タイヤ交換

 タイヤを外します。最新では随分軽量化されていますが、それでも大きいサイズは重量がありますので体制をしっかり取りましょう。

 交換するタイヤをはめ込み(方向性のある場合など向きに注意)、ナットを仮止めします。全てが収まったらレンチで更に締めこんでいきます。対角に、そして自然に回してそれ以上行かないところまでを意識します。まだジャッキアップの状態にあるので完全な締め込みは行いません。

ナットの増し締め

支点を押さえ、端をグーと押す感じ

 この状態でジャッキを下げますが注意が必要です。油圧式の場合はゆっくり慎重にバルブを回すこと。するとスロー状態で下がります。一気にバルブを回すことは避けましょう。ジャッキが下がったら増し締めをします。この時もやはり対角に締めこむこと。

 力任せに これでもか!これでもか! は必要ないかと。ナットが外れるのではという心配から、レンチの上に足を乗せて体重を掛けギュッギュッすることは止めましょう。なめたり、ハブボルトの強度を落とす恐れがあります。

トルクレンチ

 締め込みは適正トルクで行うのが理想です。なのでトルクレンチがあれば最良な状態で完了させられます。自信の無い人や作業経験の少ない人ほど、トルクレンチが有効だと思います。

 使い方は決して難しくありません。ただ締め込み適正値は必ずクルマの取説で確認を。また正しい使い方をする為にトルクレンチの取説も一応確認します。

 ナットの締め忘れは脱輪につながり大変危険です。すべてOKと思っても今一度締め忘れが無いかすべてを点検しましょう。

最終点検

 問題なければ最後の工程、そう空気圧の確認です。保管時に半分、もしくは1/3まで空気を抜いていますので規定値まで充填する必要があります。もし抜いていなくとも自然に抜けていますので確認は必要です。

緊急用に備えスペアもしっかり点検!

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 クルマには緊急用に備えてスペアタイヤが搭載されています。しかし近年、一部高級車や輸入車にはランフラット、またパンク修理キットを搭載しスペアレスで軽量化やスペース効率の確保を狙う車種も増えつつあります。

 ランフラットは、乗り心地の面や何と言っても高価なことでまだ多くの車種への採用は見送られています。パンク修理キットは使用期限があってイザという時に期限切れで使えないことや、一旦使うとタイヤの再利用が出来難くなるなどのマイナス要因も含んでいます。従ってまだテンパータイヤを積んでいる車種が多いのでは。

テンパータイヤの構造

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 テンパータイヤはテンポラリータイヤとも言われます。テンポラリーは一時的なという意味。従って緊急用なのでなるべく早く正規品と交換する必要があります。

 通常のタイヤはゴム(サイドウォール)と空気圧によってクルマを支える構造ですが、テンパータイヤはゴム(サイドウォール)への期待は低く空気圧メインで支えます。また極端に幅が狭い特殊な形状をしています。

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 例えば標準サイズが215/45R17に対して、積載されているテンパーはT135/80D16です。空気圧は標準が前輪240kPa、後輪230kPaに対して、テンパーは420kPaとなり約2倍です。

定期点検

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 いつ使用するか分からない緊急用ながらその時に使えないのでは大変です。なので定期的な空気圧点検は必要です。メインのように月に1度とは言いませんが、必要な時にいつでも利用出来ることを想定しておかなければなりません。因みに私は1年間ほったらかし、そしたら空気圧が規定420kPaから70kpa減り350kpaまで低下しました。

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 既説したようにテンパータイヤはメインと比較して約2倍近くもの空気圧設定になっています。メーカー指針として運転席のドア後ろ側下か、センターピラーの下に貼ってあるラベルで確認出来ます。

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 この点検ではメーカー指針420kPaに対して少し多めの430kPaで充填。これで当分はOKかな。使うことが全く無ければそれが一番いいでしょう。でも非常時に備えれば定期的な点検は必ずしておきたいものです。