タイヤを長く持たせる為の維持管理

iji

 新たなタイヤへ交換した後、性能を維持し少しでも寿命を延ばしたい。その為にはいくつか気遣いが必要です。

 主なものとして挙げられるのは、まず購入直後。慣らし走行の必要性です。表面の余分な油膜を取り、ホイールと馴染ませるなど相応の意味があります。新品時から全快、その結果いやな癖が付いてしまうのは避けたい。

 また日常的な空気圧管理は安全性にも繋がること。空気圧の不足で走行を続けると片減りや偏摩耗が進みいろんな面でマイナス要因を増大させます。月に1度は必ず点検しましょう。

 更にはローテーションを実践したい。摩耗の進み方が4本とも均一になる為です。そして冬場にスタッドレタイヤへ交換するのを想定すると、その間の保管方法も影響して来ます。

 ただ全てをしっかり行っていても、日常激しい運転の繰り返しでは限界が早く訪れます。タイヤを労わりながら、そしていずれもシッカリ実践することで効果が得られそうです。

(2018.10更新)
【TOPICS】

慣らしの必要性

narashi

 タイヤを新たに購入した際、慣らし走行の必要性が謳われます。新車の慣らしは広く伝えられているけれどタイヤの慣らしってどうよ? これには表面の余分な油膜を取り、ホイールと馴染ませるなど相応の意味があるんです。

 新品を装着後、いきなり全開では本来の性能もそうだけれど安全性だって懸念されます。ここではその理解を深め慣らし走行の必要性を確認します。

慣らし走行の意味

 新品をホイールに組み込み初めて内部に空気を充填すると、タイヤの骨格であるベルトなどの構造部材が僅かながら膨張します。タイヤが成長する、という表現を用いますが厳密には 寸度成長 もしくは 寸法成長 と言われます。

 この成長期には約1ヶ月間で 10 ~ 20kPa 空気圧が減少、これにより発熱もしやすい為に過酷な走行は避けるべき、とメーカーも強く伝えています。

 また製造工程でトレッド面に油などが付着しており、そのままでは本来の性能が発揮出来ないし何より安全性が懸念されます。一定速度で一定距離を走行し、この油分を取る(トレッド面の表面の薄皮を剥く)必要があります。

 更にホイールを馴染ませる意味合いもあるんです。装着直後はホイールへの均一な密着が不足しています。慣らしをすることで均一性が高まり偏摩耗等の予防に繋がります。結果、寿命にも影響する、ということです。

 ドライバーが新たな製品へ慣れるのも目的のひとつになります。それまでとは異なる性能特性をより安全な環境で体感しておくことは非常に大切です。

具体的にはどうすれば?

 実はメーカーにより微妙に慣らしの指針が異なります。走行速度は大よそ60km位は皆同じ、負担を出来る限り少なくすることを意識したい。しかし、走行距離が100km位を示しているところから、200km位まで必要というところまで。100kmの違いは大きい、ここは中間の150km位としておきますか。

 ということで、特別難しいことを求めている訳ではありません。過度な負担を避け、なるべく優しく一定距離を走りましょう。これが終えたなら空気圧等を再確認、不足があれば充填し慣らし終了です。

空気圧チェック

タイヤ空気圧チェック

 一般的には空気圧変化による体感の違い、相応の数値の変化がないと分からないのでは。極端な話、パンクしていても気付かない人も居る程ですから。私の場合、20kPa ~ 30kPaの変化で何とか感じるレベル。それも自身で調整して事前意識を持ってのこと。一般にはこのレベルでも難しいかと。

 しかし、明らかに違いは出ています。コーナーリングやブレーキングなどでアレッ? を意識するようになります。これって安全性にも繋がること、従って空気圧はとっても重要なんです。

 自転車に例えると実感出来るかな。空気圧が低いとスピードが出難くハンドルも重いなど走りが思うように行きません。それと同じことがクルマにも当てはまります。空気圧が低いと回転により変形が増大し、更に回転させるにはよりも大きな力を必要とします。そのままでは片減りや偏摩耗が進み走行性能は低下、燃費悪化、危険性も増します。

 空気は規定値に入れたとしても必ず抜けます。ごくごくわずかな隙間から、またタイヤのゴムを透過するなどして少しずつ漏れているのです。このままでは新品の享受が受けられなくなります。従って月に1度は必ずチェックし、既定値への拘りを意識して欲しい。

規定値を意識する

規定空気圧

 クルマにはメーカーが規定する空気圧があります。同時にタイヤサイズも示され、この組み合わせによって最大性能が発揮される、ということです。それは何処で確認すればいい?

 方法は2つ、ひとつはクルマの取説、もうひとつは運転席のドア後ろ側下か、センターピラーの下に貼ってあるラベルです。後者が一般的かな。そこにはサイズ、前輪・後輪の空気圧が表示されています。因みに写真は、前輪240kPa(2.4kgf/cm2)、後輪230kPa(2.3kgf/cm2)です。現在の数値表示はkPa(キロパスカル)、以前はkgf/cm2(キログラム重パー平方センチメートル?)でした。

 で、触れたように空気は僅かな隙間から少しずつ抜けていきます。ずっと充填しなかったら空気圧不足になる訳です。逆に上回る場合には弊害があるのでしょうか。以下、双方の不安要素を書き出してみました。

<空気圧が低い場合>

・ 路面に対してタイヤの抵抗が増大し、燃費が悪化、摩耗も激しくなります。
・ 操縦安定性が低下し安全面で不安が出てきます。
・ タイヤの負荷能力が低下しトラブルの原因となることがあります。
・ 高速走行では変形が進み熱を持ち、最悪バーストの可能性が高まります。

<空気圧が高い場合>

・ 衝撃吸収が悪くなり乗り心地が悪化。段差では跳ねる感じが強くなります。
・ 接地面が少なくなりグリップ性能が低下、走行安定性などが悪化します。
・ タイヤそのものがちょっとしたことで傷を受けやすくなります。

季節でも異なる

 通常、走行直後はタイヤ内部の温度は上がっており空気圧は高くなっています。従って測定は、タイヤが冷えている状態で行うのが良いとされます。しかし、外気温の違いや直射日光が当たっているなどの状態でもその数値に違いが出てきます。

 メーカーでは温度変化と空気圧の変動はほぼ比例する、としています。温度が10℃上がると10kPa高くなり、10℃下がると10kPa低くなる。夏の日25℃ ~ 30℃以上では、直射日光にさらされると約20kPa、日陰でも約10kPa高くなるそう。

 従って夏場に掛けてはより空気圧管理に注意しなければなりません。空気圧が少ない場合は燃費の悪化やバーストの可能性に触れていますが、パンパンの過多状態で走行すると、そこから更なる上昇によって少しの衝撃でもバーストの可能性が高まるということです。

規格違いには注意を!

 タイヤの規格は、日本のJATMA(ジャトマ:日本自動車タイヤ協会)、欧州のETRTO(エトルト:欧州タイヤ及びリム技術機構)=STD(スタンダード) ・ RFD(レインフォース度) / XL(エクストラロード)、米国のTRA(ティ-アールエー)などがあります。RFD / XLは同じと考えてよいかと。メーカーではこれらの規格に沿って製造をしています。

 RFD / XLの特徴は、タイヤ内部の構造を強化することで、空気圧をSTD規格対比で高めに充填することができ、同一サイズ(セクション・偏平率・径)のSTD規格より高い負荷能力を発揮できます。

 ただタイヤサイズが同じでも、規格によってロードインデックス(LI)が異なったり空気圧設定にも違いが出てきます。その為に新車装着とは規格が異なるタイヤを装着する場合、その規格に合った適正な空気圧にする必要があります。

新車装着(JATMA規格)215/45R17 87W、指定空気圧 240kPa を、(XL規格)215/45R17 91W XL にする場合

●JATMA規格
 215/45R17 LI(ロードインデックス)87 240kPaの付加能力=545kg

●XL規格
 215/45R17 LI(ロードインデックス)91 545kgの空気圧=250kPa

詳しくは 空気圧別負荷能力対応表-「ブリヂストン」 で確認できます。

充填に激安エアーコンプレッサーを試す!

エアーコンプレッサー

 その昔は足踏み式の空気入れを愛用。購入したのがいつだったか忘れるほど長く使用しましたが、ホースから空気が漏れ充填が思うようにいかなくなりました。これ一般的な自転車用に比べればラクなのですが、それでも足の上下運動はやはり辛く4本入れ終わる頃には足がパンパン。親父にはとっても辛い作業になりました。

 ということで、エアーコンプレッサーを購入。製品は 大橋産業製「BALエアーコンプレッサー」、車内のシガソケットから電源を取るタイプです。値段は2,000円弱とかなり安い。電源コードは3m、エアーホースは58cmあります。見た目にはちゃっちい感じなのですが使用感はどうよ?

シガソケットから電源

 作業手順は簡単。車内のシガソケットから電源を取り本体は外へ。電源コードは3mもありますのでかなり余裕です。

バルブにエアーホースの先端をはめ込む

 バルブにエアーホースの先端をはめ、ねじ込むよう装着します。最後までしっかりとねじ込めば外れる心配はなさそうです。

エアーゲージ

 本体に搭載してあるエアーゲージが現在の空気圧値を示します。ここから規定値まで充填します。スタートは本体にあるスイッチを入れるだけ。直ぐに稼動を開始します。

充填開始

 スイッチON! すると・・ガッガッガッ! ガッガッガッ! とうるさい&振動が激しい。本体の振動が余りにも激しいので壊れないか心配になりますが大丈夫。そのまま数十秒、空気は少しずつ充填され規定値まで完了。

 4本入れ終わり改めて空気圧を測定してみる。先ほどの測定時よりやや少ない? 再度入れ直し今度は規定値通りです。本体に装着してあるエアーゲージがやや曖昧なのか、それともバルブへの装着に際してエアー抜けがあったのか・・ 完璧を求めるならエアー充填後に別の専用エアーゲージで測定し直すのがよさそうです。

 まぁこのあたりきっちり完璧は微妙という印象ながら、それでもラク! なのは間違いない。体力を使う空気の充填作業は負担です。よってこのレベルでもラク! に作業が出来るのはいいかな。

窒素ガスの充填

 窒素ガスは空気と比較してタイヤのゴムを透過し難く、またゴムと酸化反応し難い特性があります。この利点から航空機用やF1のタイヤなどに充填されています。一般用でも窒素ガスの充填により、乗り心地、燃費や操縦安定性の向上そして適正空気圧の維持など、多くの利点が見られると言われます。

 充填はカー用品店などで可能だったかと。サイズにもよりますが16インチで1本800円位だったような。(詳しくは直接お確かめください)

 空気圧測定はシーズンによる交換時など限られたタイミングの方が多い。でも、繰り返すけれど空気は自然に抜けるので定期的に測定、調整が必要です。

ローテーション(装着位置交換)

rota

 少しでも長持ちさせるには摩耗の進み方が4本とも均一であること重要です。摩耗は装着位置によっても状態が異なりますので、より均一になるにはローテーション(位置交換)が有効です。

 ローテーションの目安は約5,000kmもしくは約6ヶ月と言われます。冬にスタッドレスタイヤへ交換するようなら、そのタイミングでローテーション装着が最も容易でしょう。シーズン終わりの交換時に、外したタイヤがどの位置に装着していたか「前-左」「F-L」など記しておくと便利です。

装着位置による摩耗の違い

 FF車のフロントタイヤは最も摩耗が激しいと言われます。これは駆動と操舵を兼ねている為です。走り方にもよりますがリヤの2倍も摩耗が起こることさえあります。一方FR車はFF車ほどではないのですが、後輪が駆動である為に加速が主な原因となリアタイヤのセンター摩耗が懸念されます。

 ミニバンやSUVなど背が高く重量ある車種では、偏摩耗や片減りなどが起こりやすくなります。また空気圧不足によっても摩耗は大きく促進してしまいます。

 このような特性から、摩耗を均一化させることで長持ちに繋げようとするのがローテーションの狙いです。

ローテーションの仕方

 ローテーションの仕方は以下の図で確認して欲しい。注意点としては、左右非対称パターンや方向性指定パターンの場合は、左右が決められているのでローテーションが限定されます。左右違いで装着すると回転方向が逆になりタイヤの性能が発揮されません。また抵抗過多にもなるのかな。

 サイズが前後で異なる場合は、基本的にはローテーションは出来ませんので注意が必要です。なお作業をDIYで行う場合には、ジャッキアップしてタイヤを入れ換える作業になりますので安全には十分な注意が必要です。

ローテーションの具体例

保管にも注意を

保管

 冬シーズン直前に夏タイヤからスタッドレスへ交換、春までの間どのような状態で保管するかによってゴムの状態が異なります。自然劣化は致し方ないけれど、少しでも良い状態を維持することで長持ちへの可能性が高まります。

 外したタイヤは水洗いをして乾かします。空気は1/3位抜きましょう。こうすることでパンパンに緊張状態のゴムを休まることが出来ます。ホイール付きなら横に積み重ね、順番を1、2度変えるなどしたら理想です。タイヤのみであれば立て、そう縦積みでOKです。

 注意して欲しいのは保管場所。直射日光や雨の当たる場所、湿度の高いところは避けたい。またバッテリーなどを近くに置くのも劣化に繋がります。できる限りこの状態に無いことを確認します。最近は物騒で盗難が増えています。交換後は屋内、それも施錠が出来るなら安心ですね。

日常運転の気遣い

日常

 タイヤを気遣うのなら日常の運転が大切。乱暴に、意味無く急の付く運転はいけません。と言っても気にし過ぎるのもどうかと。ここは普通にスムーズさを意識することでしょう。それにより過度な負担が解消され労わることになるのでは。

 その上で既述したような手法を実践することです。特に空気圧は月に1回を定期化して欲しい。その際に摩耗が進んでいるようならローテーションを実践するなど、長く持たせる為の手法が活きて来ます。