ＷＡＮＬＩ　Ｓ－１０６３ の特徴

　ＷＡＮＬＩ「Ｓ－１０６３」は、コンフォートタイヤへポジショニングされ運動性能への得意性も示します。ミニバンタイヤへの対応も可能としていますが如何に。

　「Ｓ－１０６３」は運動性能について得意性を訴えます。しかし、トレッドデザインの特徴からはやや違和感があり、また静粛性や乗り心地への期待からコンフォートタイヤへのポジショニングがフィットしていると判断します。

　「Ｓ－１０６３」のトレッドデザインは、アジアンタイヤでは貴重な左右非対象パターンの採用と、やや太目の4本の縦溝が特徴です。左右非対象パターン採用では、ＩＮ側でハンドリング性能とウェット性能、そして静粛性へ貢献します。ＯＵＴ側ではブロック形状が大きく、特にドライグリップへの期待を持たせています。これらの形状は偏磨耗の抑制にも効果を訴えており、ミニバンや1ＢＯＸへの対応も十分感じられます。

　ただ、ブロック形状は単純な印象を受けます。カット形状、ブロックの配列もシンプルです。アジアンタイヤであってもスポーツタイヤのスパルタンな印象とは異なり、また最新のトレッドデザインからはやや古さを感じてしまうかもしれません。期待される静粛性への影響は気になるところです。

　「Ｓ－１０６３」はドレスアップやドリフトなどに使用されることもあります。タイヤの性格からコンフォートタイヤのカテゴリーに位置付けしましたが、スポーツコンフォートからミニバンまで対応する懐の深さも見られるということ。

　でも、ミニバンや1ＢＯＸも可能性を示しながらも、大型の車種対応では剛性面から偏磨耗やふらつきなどは気になる。更にサイドウォールが丸くてかっこ悪い？　この辺りは人によってというところかもしれません。いずれにしても、アジアンタイヤとしては使い勝手の良さを強調しているタイヤと捉えています。