2016年11月にアナウンス、ドイツ エッセンモーターショー に出展、2017年1月には東京オートサロンでもお披露目されたのが、プレミアムスポーツ「PROXES Sport(プロクセススポーツ)」です。従来品「PROXES T1 Sport」より低燃費性能、ウェットグリップ性能を大幅に向上したトーヨーのフラッグシップになります。
近年スポーツへ、しかもプレミアムスポーツへ注視する傾向があります。ターゲットはいずれもハイパフォーマンスカーであり、高度な性能を両立するのが課せられる役割です。
「PROXES Sport」は、ラベリング制度のウェットグリップ性能で全35サイズが「a」を達成、また転がり抵抗係数も17サイズで「A」、18サイズで「B」を実現しています。
従来品「PROXES T1 Sport」に比較した向上効果は、ウェットブレーキで7%、距離にすると約3.6mもの短縮になります。また転がり抵抗は23%の低減を果たし、低燃費への期待も高まります。
発売サイズは、275/35ZR20 102Y ~ 225/55ZR17 101Y までの全35サイズ。発売時期は、2017年6月1日から。
「PROXES Sport」の最大主張点は、同社のゴム材料開発基盤技術 Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)を更に進化させ、より高性能なタイヤ開発が可能となる技術革新を図ったこと。
Nano Balance Technology とは、ゴム材料を分子レベルで観察、予測、機能創造、精密制御することで、理想的なゴム材料を高精度に開発するトーヨーの先進技術です。
現在の高性能タイヤにナノレベルでのゴム材料分析、解析、素材設計、加工の4技術がもたらした意義は大きい。トーヨーは Nano Balance Technology の確立から5年の間に、4つの各体系で技術革新を進め、今回 ナノ解析 および ナノ分析 で更なる性能向上につながる進化を実現したという。
最も効果を得るのがコンパウンドです。低発熱性の ハイリジッドベースゴム を採用し、操縦安定性を向上。路面と接するトレッドの表面部分は、ゴムを柔らかく保ち転がり抵抗を小さくするシリカを増量した ハイグリップキャップコンパウンド を採用。これによりタイヤが路面に密着する効果を高め、制動距離が短くなりウェット性能と転がり抵抗性能を高次元で両立しています。
パターンデザインは非対称パターンを採用しました。IN側はドライ路面で最大限にトラクション性能を得るために トラクションリブ とし、ブレーキング性能を向上する目的で リフレクトブロック 新たに採用しています。OUT側は 高剛性リブ によってグリップ性能を保持し、路面接地時のブロックの変形を抑制する ダイナミックテーパー でハンドリング性能を向上しています。
構造は、高張力スチールベルト&高剛性補強、高剛性ビードフィラーやスーパーハイターンアップ構造&レーヨンプライ構造 などを採用、高い剛性でコーナリング性能、ステアリング応答性の向上に寄与しています。
トーヨーのスポーツラインアップにプレミアムが投入されたのは好感が得られそう。ただ最大はドライグリップに長けたピュアスポーツと、街中での得意性を持つストリートスポーツでは。これに期待します。