FEDERALジャパンより2019年5月に新たなスポーツタイヤ、それも2種の投入がアナウンスされました。「595RS-PRO(ゴーキューゴーアールエス プロ)」、「EVOLUZION ST-1(エヴォリュージョン エスティーワン)」がそれ。大分過ぎてしまいました‥
595RS-PRO
「595RS-PRO」は2015年5月に発売された従来品「595RS-RR」の後継だという。従って現状「595RS」シリーズのフラッグシップに位置付けます。炎を彷彿させるファイヤーパターンは継承するも、縦溝というかセンターリブとデュアルグルーブが採用され、ウェット性能と高速安定性を強調します。またEURO R117認定も添えられています。
これ騒音規制に関する欧州規定かと。タイヤに起因する騒音規制、国内でも2018年4月からスタート。現時点では新車乗用車が対象、内容は欧州連合が2013年以降導入している「UN/ECE RegulationNo.117 02 Series」、通称「R117-02 タイヤ騒音規制」に準じるもの。要は「72」~ 「79」dbに収めるのが基準です。EURO R117認定とはこのあたりのことを指しているのかな?
いずれにしてもコンペティションでライバルに対する優位性を強く示したい、これコンセプトになるでしょう。近年アジアンタイヤで見られるドライグリップへの傾倒は、かなり激しい展開です。
FEDERALにとっては「595RS-RR」で最上の仕上がりを示したかったけれど残念、追随と先行を許す現状にあるような。従って「595RS」シリーズの復権を掛けて投入された、と言ってもいいかと。サイズは 275/35ZR19 96Y ~ 195/50ZR15 86W XL まで全19で構成されます。
EVOLUZION ST-1
一方「EVOLUZION ST-1」は「595(SS595)」から進化した新時代のストリート用を謳います。新コンパウンドと高剛性のカーカスを採用し、コーナリングの安定性と高速時の操作性向上を強調。
パターンは「595RS」シリーズ同様のファイアーパターンとは決別し、全く異なるデザインを採用します。左右非対称を採用、接地面を広く確保しつつ太さの異なる4本の縦溝でドライ、ウェットに優れたコントロール性能を発揮するという。
従来品「595」はいつの間にか名称からSSが取れている。元来「SS595」だったはず。SSはSUPER STEELのこと。超強力とでも訳せばいいのかな。当サイトでは未だ「SS595」で掲載しています。
他のアジアンタイヤ同様価格的優位性を保ちつつも、ややハイグレードな印象を持っています。「595RS-R」、そして「595RS-RR」の基点製品としてイメージアップが図られている印象がありますから。
ただライバルはNANKANG「NS-2」や「ATR SPORT」などになるのかな。初期発売は相当前、アジアンタイヤ黎明期からと言っていいので。かなり息が長いです。
そして「EVOLUZION ST-1」になったことは大きな変革、と捉えます。見た目からして全くの別物だし、新時代のストリート用としてグリップへの傾倒に留まらないオールラウンド性の高さが特徴になるかと。「595RS-PRO」がピュアスポーツ(サーキット)に位置付けるのなら、「EVOLUZION ST-1」はストリートスポーツとして差別化を果たします。サイズは 285/30ZR20 99Y XL ~ 195/55R16 87V まで全68を設定します。