トーヨーでは乗用車用の新スタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ2(オブザーブ ギズ ツー)」を発売するという。特徴は、ウェット性能を高め冬道での路面変化に対応、ゴムの経年変化によるアイス路での摩擦力低下を抑制、アイス路での性能が長持ちなど。
従来品は2014年8月発売の「OBSERVE GARIT GIZ」、吸水+密着+ひっかきの3効果でアイス性能をより進化させた製品です。この点は新作でも継承、そして進化を実現し更なる強化を謳います。発売サイズは 245/40R18 93Q ~ 145/80R13 75Q までの23をラインアップ、発売時期は2020年8月1日から。
「GIZ2」はトーヨーがスタッドレスタイヤブランド「OBSERVE」へ回帰し、乗用車用としては2代目。商品名の「GIZ(ギズ)」は、グリップの「G」、アイスの「I」、究極をめざす「Z」から創った造語だったはず。
またこれまでの名称「GARIT」はメイン及び一部含め完全削除で既存がフェードアウトで消滅へ。従来品の「OBSERVE GARIT GIZ」、「GARIT G5」、「GARIT G4」、「GARIT PX」、「GARIT G30」、「GARIT 2」、「OBSERVE GARIT KX」など乗用車用の一時代を築きました。しかしながら同時に「OBSERVE」の完全化を果たした、と言えるのでは。
それでも搭載技術はこれまでの積み重ね。特にアイス路で性能確保を示す吸水+密着+ひっかき3効果のうち、ひっかきを実現する鬼クルミの殻を配合したコンパウンド 吸着クルミゴム の有効性に拘っています。パターンも最新化し新たな次元で開発されたことが伺えます。
近年のスタッドレス評価は絶対的なアイス性能の向上です。この点に着目すると当然進化しており、従来比較8%の向上だという。ただ地球温暖化による冬環境の変化に対応性を高めた点も拘っています。
日中の気温上昇で雪が解けシャーベットやウェット路になり、気温が氷点下まで下がる夜に濡れた路面は凍結しアイス路へ。刻々と変化する路面に対応できるトータル性能が最大主張になるかと。
搭載技術
「OBSERVE GIZ2」独自の設計技術が生み出した新たなコンパウンドと非対称パターンに触れるべきかと。新コンパウンド 吸着クルミゴム は、氷の表面にできるミクロ単位の水膜を吸水、やわらかさを保ったゴムがアイス路へしなやかに密着。
更に20年以上培ってきた独自の技術である鬼クルミの殻を配合したゴムが氷をひっかき、路面をしっかり捉えます。これ氷より硬くアスファルトより柔らかいので効きを高めながらも環境に優しい。
またゴムのやわらかさを維持させる新開発の 持続性密着ゲル をゴムの内部に配合、経年でもゴムが硬くなることを抑制し、アイス性能をより永く保ちます。
パターンは同社のタイヤ設計基盤技術 T-MODE のスノー予測技術を活用、実際の使用環境における雪質を考慮した最適パターン形状を設計。スタッドレスタイヤに求められる性能を発揮するために、トレッドパターン内で機能を分担させる非対称パターンを採用しています。