トーヨーでは、SUV専用スタッドレスタイヤ2商品を発表しました。「OBSERVE GSi-6(オブザーブ ジーエスアイ シックス)」と「OBSERVE W/T-R(オブザーブ ダブルティーアール)」がそれ、2021年8月より順次発売です。
正直2製品同時発売の意気込みは凄い。ただそれ以上に先行発売されていた、ということに驚いた! 修行不足だったのかその情報を掴んでおらず、ただ公式リリースを見逃すはずがないので密かに、だったのかなぁ? ちょっと腑に落ちない‥
いずれにしても先行はそれぞれ2サイスと1サイズのみ、ということからテスト販売の意味合いが強かったのでは。従って先行発売はスルー、ここでは新たな投入としてお伝えします。
OBSERVE GSi-6(オブザーブ ジーエスアイ シックス)
「OBSERVE GSi-6」は2013年に発売された「OBSERVE GSi-5」の後継です。ようやく新製品への印象が強いけれど、実は2017年に発売された「Winter TRANPATH TX」が本来の系統であるミニバン専用を謳わずSUVやミニバンなどのハイト系を強調。その一翼を担っていました。
ただ他製品のSUV攻勢は専用化を強調し一新、2021-2022年シーズンは最高レベルに達するのは間違いない。その中で「OBSERVE GSi-5」と「Winter TRANPATH TX」のコンビネーションによるフォローではやや心許無さを感じます。
ここに投入された「OBSERVE GSi-6」は一転最新化によるアドバンテージを得て、盛り上がる夏タイヤ「OPEN COUNTRY」シリーズからの履き替え需要も是非獲得したい。また後で触れるけれど「OBSERVE W/T-R」を持って全体フォローへの可能性を高める、というのが狙いのはず。
「OBSERVE GSi-6」注目の特性は、多彩な冬の路面でのハンドリング性能とブレーキング性能向上です。いずれも従来から7%の短縮を実現したという。
搭載技術
コンパウンドはシリカの増量配合で柔軟効果を高め密着性が向上、吸水カーボニックパウダーはミクロの水膜をより効率的に吸水します。また氷より硬くアスファルトより柔らかい鬼クルミの殻が引っ掻き効果を高めます。いずれも従来品「OBSERVE GSi-5」に採用された技術ながら素材技術として進化を果たしています。
一方パターンは、新設計を謳うも基本の踏襲は感じるところです。4本の縦溝はジグザク化しスノートラクションと排水性に効果。セレーテッドスタビリティリブ はセンターに設置されたジグザクのリブでスノートラクションと操作性の安定を図ります。
サイプ内部の凹凸でブロックの寄れを支えあう3Dグリップサイプ、新品時でもエッジ効果を発揮するファーストエッジ加工など従来技術も進化、新たな技術との相乗効果で更なる向上を狙います。
ということで、先行発売していたのはクロスカントリー向け2サイズだという。それに15サイズを新たにラインアップ、255/45R20 105Q ~ 195/80R15 96Q まで全17で展開します。
OBSERVE W/T-R(オブザーブ ダブルティーアール)
新たにラインアップされた「OBSERVE W/T-R」、荒れた氷雪路や雪深い路面での走破性を追求したSUV専用スタッドレスタイヤだという。
それに対応したパターンデザインが特徴。深雪でのトラクション効果を得るために、サイドに4×4オフロードタイヤなどで使われる大型サイドブロックを採用し、雪を掴む効果を発揮します。
この主張を考慮すればSUVを謳いつつも4×4オフロードユーザー、しかも深雪での走破性を志向するユーザー向けとなる。氷路での効きは勿論だけれど、それ以上に深雪でのラッセル走行などに得意性を発揮します。
特殊な性能を実現するのはトレッド面、一般的なスタッドレスよりも大きなブロックを採用し耐外傷性をアップ。ショルダーには周方向に段差を設けたブロックを配置しトラクション効果を高めます。
深雪で排雪性を高めるためにスリットは幅広に。センターには高剛性リブを設置、ドライそして深雪での応答性に効果を発揮するものらしい。
サイズラインアップは先行1サイズ、新たに2サイズを追加し全3サイズとなる。ということなので、「OBSERVE GSi-6」同様のボリューム展開を目指すのではなく、飽くまでも志向性のあるユーザーへ向けた製品という位置付けでは。