ヨコハマ スタッドレス iceGUARD 7 発表【新製品】

 ヨコハマでは、乗用車用スタッドレスタイヤの新製品「iceGUARD 7(アイスガード セブン)」を発売するという。ヨコハマスタッドレスの第7世代に進化、「iceGUARD」シリーズが追及する 氷に効く(氷上性能)を一層向上、雪に効く(雪上性能)もレベルアップ、永く効く(性能持続性)も兼ね備え、一貫した追及姿勢を強調します。

 初期サイズラインアップは 245/40R20 95Q ~ 155/65R13 73Q の全89を設定。2021年9月1より発売開始です。なお「iceGUARD 7(アイスガード セブン)」は愛称。製品名は「iceGUARD IG70(アイスガード アイジー ナナジュウ)」になる。

 ヨコハマのスタッドレスに対する攻める姿勢が非常に素敵、好感を持っています。というのも従来品「iceGUARD 6」までPLUS進化を挟みほぼ2年サイクルで投入を実現しています。PLUS進化はマイナーチェンジの捉え方をする例もあるけれど、ヨコハマにおいてはそれ以上のレベルにあったかと。

iceGUARD 6 2017年
iceGUARD 5 PLUS 2015年
iceGUARD 5 2012年
iceGUARDトリプル プラス 2010年
iceGUARDトリプル 2008年

 ただ「iceGUARD 7」はPLUS進化を挟まず。従来品「iceGUARD 6」の発売年から4シーズン目を迎え、満を持しての完全フルチェンジを敢行。裏を返せば「iceGUARD 6」はPLUS進化をせずとも完成度の高さ、信頼性に満ちていた、と言えそう。

 それを経て到達した第7世代の「iceGUARD 7」ですので、必然的に期待感は高くなります。実証は従来品比較から受けとめます。

(氷上性能)
 氷上制動が14%短い、氷上旋回が7%向上、氷上発進・加速が15%向上

(雪上性能)
 雪上制動が3%短い、雪上旋回が同等、雪上発進・加速が3%向上

 いずれもメーカー指針だけれど特に氷上、そうアイス路でかなりの向上レベルを実現しています。従来品「iceGUARD 6」は「iceGUARD 5 PLUS」に対して15%の向上を示し、トップレベルのアイス性能と評されたはず。そこから更なる向上を実現しているとは‥

 また今回は雪上性能も強調しています。昨今の雪上技術は他製品も含め熟成期に入り大幅な向上効果は期待薄と捉えていました。しかし、そこにも敢えて切り込む姿勢はスタッドレスにおける2大性能であるアイス路と雪路に拘りを示すことで、更なる信頼性獲得に挑む為では。

 これらを実現する技術は以下に記載するけれど発想はザックリこう。アイス路では接地面積の拡大、そして水膜の吸水と密着、更にはエッジによる引っ掻きを向上。

 雪路では雪中せん断力の更なるレベルアップを果たす。ゴムの柔らかさを保ち排雪の効率化、溝エッジ量を大幅に増加、形状等の最適化も果たしグリップへ導きます。いわゆる既存技術の発想を基に最新化と最適化を最大化し確実性を得た、ということです。

搭載技術

 コンパウンドは専用の ウルトラ吸水ゴム を採用。実績のある 新マイクロ吸水バルーン に加え、新採用の 吸水スーパーゲル が氷表面の水膜を素早く吸水。新採用の ホワイトポリマーⅡ によってシリカを均一に分散させゴムがしなやかになり氷へ密着します。

 加えて新採用の マイクロエッジスティック が氷や雪を噛むエッジ効果を発揮。また実績のある オレンジオイルS がゴムのしなやかさを維持し劣化抑制効果を発揮します。

 トレッドパターンは新開発の専用を採用、左右非対称でヨコハマスタッドレス史上最大の接地面積と溝エッジ量を実現します。

 IN側に幅広リブ、センター部には縦長のベルトブロックを配置し氷上の発進・制動に効果を発揮。OUT側には互いに支えあう大型のブロックを採用し、コーナリング時でもブロックが倒れこまずに路面に密着します。

 接地面積の拡大を実現するのはセンター部に配置される マルチベルトブロックEX、コレクティブビッグブロックEX、パワーコンタクトリブEX。ブロック剛性の向上にも寄与しアイス性能をレベルアップ。

 またIN側に配される マルチダイアゴナルグルーブ は傾きの角度が異なる複数の横溝で雪路の発進・制動にしっかりとグリップ。センターとOUT側にはジグザグに刻まれた縦溝の トリプルライトニンググルーブ が溝エッジ量を増大させ雪路性能を発揮。

 そのほか各ブロックの中央部とエッジ部で異なる傾斜を採用した ダブルエッジマイクログルーブ が、中央部ではサイプの傾斜方向と交差させて横方向のエッジ効果を向上。エッジ部ではサイプの傾斜と同じ方向に配置し、氷上の水膜を効率よく排水します。

 新開発の クワトロピラミッド グロウンサイプ は、50%摩耗時にサイプが太くなりブロック剛性増加による初期の氷上性能向上へ。摩耗時にはエッジ効果をキープし氷上性能の維持にも貢献します。

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