ピレリではオールシーズンタイヤの新製品、「CINTURATO ALL SEASON SF2(チントゥラート オールシーズン エスエフツー)」を国内へ投入するという。グローバル展開として2021年2月にイタリア ミラノでワールドアナウンスを実施、存在を明らかにしていました。
国内市場では2018年から「Cinturato ALLSEASON PLUS」が投入されています。基本的にはこの後継になるかと。ただ完全移行ではならず暫く併売を維持するよう。
主張は通年使用可能な最新技術を導入したこと。特にコンパウンドとトレッドパターンの双方のコンビネーションによる安全性、長寿命と低燃費の実現も図り、サイズによるけれどシールインサイドとランフラットも展開します。
対象は最新のクロスオーバーSUVから中型セダンまで。国内導入サイズは 245/35R19 XL ~ 175/65R15 までの52をラインアップする予定。発売は2021年第4四半期より順次導入となっている。具体的には?
4月1日~3月31日を一会計期間としたのなら1~3月がそれに該当。しかし、2021年ということなら単純に10~12月でいいのかな‥ 需要期を考慮すると後者のタイミングでしょう。まぁそのあたり、ということで。
「CINTURATO ALL SEASON SF2」にはM+Sの他に3PMSF(スリーピークマウンテン・スノーフレーク)マークが刻印されています。これは絶対条件です。
通年使用を掲げながらも、冬シーズンの性能へ期待を高めるのがオールシーズンタイヤの実情。従って冬の路面対応が最も興味のあるところです。
当然それを意識、ピレリ「Cinturato」シリーズの一角に属するオールシーズンタイヤとして、主に都市部での使用を想定。具体的には概ね温暖な気候の下で、年間約25,000kmを走行するドライバーに最適、としています。
これ特段冬性能の見劣りを暗に示した訳ではないでしょ。基本的にカテゴリー全体に言える共通性能と受け止めます。それでも雪路での走破性は進化毎に向上し、いわゆる非降雪地域における突然の降雪にも耐えられる、という分かり易い言い回し。
しかしながら、アイス路においては一線を引き危険性について明確化しています。これも同様の共通認識として受けとめています。という前提を理解しオールシーズンタイヤの最新レベルに興味を高めるべきかと。
搭載技術
「CINTURATO ALL SEASON SF2」は、ドイツの試験機関である TUV SUD(ツフズード)により、通年走行において高レベルの性能を発揮することを示す「Performance Mark(パフォーマンスマーク)」賞が与えられたという。また同様の試験期間Dekra(デクラ)もそれを認定。
性能発揮にはパターンデザインとコンパウンドの効果を強調。アダプティブ・トレッドパターン・コンパウンドが低温、高温、またウェットとドライで高度な性能バランスを発揮します。
特徴的なパターンは、溝に3D技術を採用しサイプの開閉を自在にコントロール、冬季も夏季もそれぞれに適した性能を発揮します。また、ウェットおよびドライでもその効果が大きい。
具体的には気温が低い冬はトレッドパターンの溝が開き雪路性能が向上。一方ウェットおよびドライ時には溝が閉じてブロックが固まりグリップへ貢献。横溝は幅広の主溝と組み合わせることで排水性を高め、耐ハイドロプレーニング性能を高めています。
コンパウンドは、冬やウェットで柔らかく適応性が高い。対してドライでは剛性が高く安定しているという背反の特徴を保持。シリカ粒子で化学的に結合された二相性高分子材料を含む構成要素によるものだという。
またライフ性能はプロファイルと構造、トレッドパターンにより最適で均一な接地圧分布が実現。従来の「Cinturato All Season Plus」と比較し摩耗寿命が大幅に向上。低燃費もこの効果による恩恵が大きく、欧州ラベリング制度で転がり抵抗係数「B」のグレーディングに相当。更にノイズを抑制し静粛性の向上にも貢献します。
トレッド上に最大4mmの穴のパンクが発生しても走行し続けることができる革新的なシールインサイド技術を、一部のサイズに採用しています。