トーヨーでは、ミニバン専用スタッドレス「Winter TRANPATH MK4α」の実質後継となる「Winter TRANPATH TX(ウィンター トランパス ティーエックス)」を発表、発売しています。2017年8月1日から。サイズは、235/55R19 101Q ~ 175/80R15 90Q までの31サイズ。
今回、敢えてミニバン専用とは謳わずSUVやミニバンなどの ハイト系 を強調します。ハイト系は背高の車両、一般には人気の軽カーハイト系がイメージされます。そこにSUVやミニバンを取り込む新たなジャンルを狙います。
他メーカーではミニバンに対する専用化はなし。SUVは一線を引きフォローには消極的で、多くは乗用車用に含んだ展開です。唯一トーヨーがミニバンフォローに長けており、独自性を維持して来ました。
その基本フォローは変わらず。ただミニバンだけに固執しない訴えはSUVの人気が影響しているのでは。既存としてSUV/CCV専用「OBSERVE GSi-5」が存在する中、ここは主張を明確にして差別化を図るべきです。
いずれにしても新製品の投入は話題です。従来品が2011年の発売だし期待は数年前からありました。しかし、一昨年、そして昨年と実現しなかったことで諦めが。このままフェードアウトもあるか・・ が強まっていたんです。従って露出は積極的に行って欲しい。
さて注目の技術展開を見てみましょう。まずはコンパウンドから。トレッドのIN側と、OUT側で硬さの異なる2種類のコンパウンドを配合しています。IN側の スーパーソフトコンパウンド は高いアイス性能を実現し、OUT側の ソフトコンパウンド は操縦安定性に効果を発揮します。
IN側とOUT側で機能を分担させ、ハイト系専用が求める高いアイス性能と操縦安定性の両立を実現します。また、ベースゴムは経年劣化の抑制をサポートするコンパウンドを配合し、併せて トリプルトレッド構造 となっています。
パターンは新開発の 3Dダブルウェ-ブグリップサイプ をIN部分に採用。サイプ内に凹凸を設け、制動時に凹凸部分が支え合うことでブロックの倒れこみを抑制、アイス制動性を向上します。
構造はミニバン専用夏タイヤ TRANPATHシリーズ で採用している横剛性に強い スーパーハイターンアップ構造 を採用。重量のあるHVやSUVでのふらつきを低減し、冬道でもコーナリング時やレーンチェンジでしっかり感を得られます。
その他の先進技術も含め従来よりも大幅な向上を示します。アイス制動性能は12%、アイスコーナリングは8%の向上です。