MINERVAを販売するオートウェイでは、オールシーズンタイヤ「ALL SEASON MASTER(オールシーズン マスター)」を国内で導入開始しています。2021年8月時点で14 ~ 17インチまで13サイズを設定します。
世界的には普及にあるオールシーズンタイヤ(グッドイヤーによると普及率は北米が80%、欧州が50%程だという)、しかし日本国内では除雪環境や降雪後様々に変化する路面状況によりほとんど普及しなかったカテゴリーです。
従ってオールシーズン=オールラウンド という見方をする人も居たかと。ただ現状厳密化すれば、オールラウンド=A/T(All Terrain:オールテレーン)が一般的。そう4×4オフロードに括られるA/Tタイヤです。
A/Tはオン・オフから浅雪程度の走行を可能とし、しかも「M+S」表記がなされることからそれも致し方ない。そんな中、国内でもメジャーメーカーで急速に進むオールシーズンの普及拡大策で冬タイヤとしての一面を強調。
その証として「スノーフレークマーク」の刻印を得ることが絶対的。これにより冬用タイヤ規制においても通行可能ですから。
またアジアンタイヤは乗用車用でも「M+S」が刻印される製品実は多い。グローバル展開では必要性があってのこと。「M+S」表示なら浅雪程度は走行可能と受けとめますが、現状は非常に怪しい。正直夏タイヤ同様、そう浅雪でも無理ではとも思える製品さえ表示がなされています。
そこで新たな規格として誕生したのが「スノーフレークマーク」です。1999年北米で誕生した規格、正式には「スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク(3PMSF)」、「シビアサービスエンブレム」とも呼ばれます。欧州では2012年からEU規則で雪道走行時には「スノーフレークマーク」刻印のあるタイヤを装着することが求められています。
国内普及に戻るけれど、それまで一部に限定されていたものが2019-2020年シーズンから状況は一変。海外メジャーは勿論、国内メーカーも積極投入を図ります。これで市場への主張は準備完了、新たなカテゴリーとして定着の実現へ。その後もサイズ拡大や新製品投入が進みます。
ただ普及の実現は未だ不確定。スタッドレスタイヤとは一線を引くも、冬タイヤとしてどこまで耐えられる? このあたりの認知にいま少し時間を必要とするのでは。
で、「ALL SEASON MASTER」は「スノーフレークマーク」を刻印、オールシーズンとしての性能要件を満たし国内市場に投入されました。正直、メジャー製品が既述の現状にあることから注目という点は未知数かと。
しかしながら、これも過去アジアンタイヤが辿って来た道をなぞることになると思います。そうスタッドレスへ置き換えれば理解可能でしょう。当初はアジアンタイヤのスタッドレスなんて‥ その見方多数。でも現在は北海道でも十分耐えられる、という評価を得た製品さえも出現しています。
「ALL SEASON MASTER」については同様の評価につながる道筋を是非とも構築して欲しい、と期待します。
搭載技術
トレッドデザインはその多くが採用すV字スタイルを踏襲。形成するのはVシェイプグルーブ・オープンショルダーとVシェイプブロック。グルーブで排水性と排雪性を確保。ブロックはは圧雪で雪中せん断力が期待され、ドライ時でも安定走行へ導くという。
サイプは夏冬路面で効果的なグリップを実現する高密度3Dサイプを採用、細い溝が雪上でのグリップに貢献。ブロックの変摩耗抑制にも貢献します。
更には四季を通じて性能を発揮する専用コンパウンドを搭載、V字を形成するブロックの配列は静粛性も実現します。