SCORPIONシリーズとして環境に優れたSUV専用を謳う
- カテゴリー:SUV
- サイズ:16~22インチ
- 扁平率:70~35%
- 発売:2011年4月
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スポーツパフォーマンスの追及はそこそこに優先するのは快適性、安定性、そして環境性の3つ。これらを実現するのは「Cinturato P7」同様のパターン、「SCORPION VERDE」への移行で最適化。
製品情報
ピレリのSUVブランド「SCORPION(スコーピオン)」、言わずと知れた蠍(サソリ)を意味します。しかもハイパフォーマンスSUV向けとして乗用車用のそれと同様、そう各クルマ専用のタイヤを提供するピレリのパーフェクトフィット戦略の施策を踏襲します。
ただピレリのSUVタイヤラインアップは、更なるハイパフォーマンス化、言い換えればウルトラ・ハイハイパフォーマンスの強化へ向かっています。その牽引役として「P ZERO」を指名、専用化は「P ZERO(PZ4) SUV」になるかと。
これで「SCORPION」シリーズの役割が薄らいだ訳じゃありません。そこは専用ブランドとして一貫した主張は健在です。ラインアップはオンロードの高速走行をイメージした「SCORPION VERDE」、更なるスポーツパフォーマンスを持つ「SCORPION ZERO ASIMMETRICO」、そしてオールラウンド性が高い「SCORPION STR」、オン・オフに優れた「SCORPION ATR」など。
もう一昔前になってしまう2010年、スペイン バルセロナで開催された国際試乗会。そこでお披露目になったのが「SCORPION VERDE(スコーピオン ヴェルデ)」です。左右非対称のトレッドパターンは、4本のストレートグルーブが基本ベースになるデザインです。これ同時期発売の乗用車用プレミアムコンフォート「Cinturato P7」と、ほぼほぼ同じパターンデザインを採用します。
そして国内へは2011年4月に導入。「SCORPION」シリーズとして快適、安定したドライブを実現する環境に優れたSUV専用を謳います。ということで前置きが長くなりましたが、ここでは「SCORPION VERDE」について探ります。
「VERDE(ヴェルデ)」はイタリア語で「グリーン」という意味。環境に優しいイメージを示します。環境性能について既に名称から強調している訳です。
スポーツパフォーマンスの追及はそこそこに、優先するのは快適性、安定性、そして環境性の3つ。これらを実現するのは「Cinturato P7」同様のパターン、「SCORPION VERDE」への移行では最適化を図ります。
トレッドパターンは左右非対称を採用、4本のストレートグルーブがウェットでの排水性を高めます。センターとOUT側へは斜めの湾曲した特徴的なスリットを刻んだリブが目に入ります。高速での安定したコントロールに貢献します。
ショルダーは剛性アップによって偏摩耗を抑制、革新的な素材によるコンパウンドの進化は環境性能、そう低燃費などへの対応性を高めます。
ピレリにおけるエコロジーを特徴付けた製品であるグリーンパフォーマンスに位置付けられ、従来品の「SCORPION STR」と比較して、転がり抵抗を20%低減、重量を10%軽量化。燃費にすると2%の向上が見込めるという。
「SCORPION VERDE」は国内導入から相応の経過で、最新に位置付けるのは正直厳しい。しかもSUVに「P ZERO」シリーズを派生させるなど、戦略の多角化で元来の形態に変化をもたらしています。
ただ世界的なSUV人気は好機であるのは間違いない。特にプレミアム車へ「SCORPION」回帰を狙う絶好のチャンスです。ピレリでもシリーズにおけるフラッグシップに「SCORPION VERDE」を敢えて配置。スポーツパフォーマンスのそれとは異なる指針で、メインとなる主張を展開しています。