ピレリ ICE ZERO ASIMMETRICO【日本市場へ向ける】

タイヤメーカー別性能比較

 ダンロップが空気入りタイヤを初めて実用化してから約120年。世界3大メーカー、ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーがトップの位置に君臨します。一方日本国内では国内メーカーへの信頼が根強い傾向にあるも、かつて程の頑なさは薄れつつあります。

 タイヤメーカー別性能比較では、国内4メーカ(5ブランド)と海外4メーカーの辿った歴史そして理念を示し、最新の製品ラインアップを掲載します。メーカー展開は沿革等にも触れ、詳細に製品情報を探ることが可能です。

 製品ラインアップは指針を考慮しカテゴリーに区分けしています。タイヤは車種への装着を鑑みると、まずはカテゴリーを理解した上で検討されるのがいいと思います。そう優先的にはカテゴリー比較です。

 ただカテゴリーの理解を主張するも、メーカーへの意向もあるでしょう。絶対的にブリヂストン、いやミシュランでは、私はヨコハマ等々。そこは譲れない人にとってメーカー優先も当然あることだと思います。

 それを敢えて再考せよとは言えないかと。タイヤ選択をする上で基本とするのは、多面的な方向性から比較検討するのが理想ですから。そこを鑑み、メーカー比較による手法を取り入れるのも重要だと思います。

 またブランドに対する施策や製品変遷も示します。スポーツ、プレミアム、はたまた低燃費タイヤ全体を括るなどその様は多彩です。そこに込めるメーカーの意向は、製品理解を高める上で非常に重要です。

 タイヤ業界はビック3によって世界的影響力を示します。国内ではブリヂストンの存在が更に際立ち、右へ倣えというか横並びを感じる時も多いかと‥ しかしながら近年のグローバル戦略では価格への考慮など従来を超えた戦略が見えてきます。同様国内でもその取り込みが感じられます。

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タイヤメーカー別性能比較

ブリヂストン

 ブリヂストンの歴史は1930年に前身である日本足袋タイヤ部から始まります。1931年福岡県久留米市にブリッヂストンタイヤを設立。タイヤビジネス誌が公表した2022年の世界タイヤ市場シェアは、1位ミシュラン(15.1%)、2位ブリヂストン(14.2%)、3位グッドイヤー(9.6%)です。

 ブリヂストンが1位からダウンしミシュラン返り咲き。2位はいつ以来? いずれにしても強大であることは間違いない。

ブリヂストンタイヤ性能比較
 ブリヂストンは強大です。ミシュラン、グッドイヤーと並び業界ではビック3、もしくは3大メーカーと呼んでいます。歴史は1930年に前…

ヨコハマ

 横浜ゴムは2017年10月に創立100周年を迎えた。これだけの歴史を誇りながらも国内ではブリヂストン、住友ゴムに次ぐ3位のランク。2022年の世界シェアは8位(3.1%)です。

 創業は1917年、横浜電線製造(現在の古河電工)と米国BFグッドリッチとの合弁会社として、横浜護謨製造株式会社が設立。古河電工は現在も大株主、古河グループ(古河三水会)のひとつにもなっています。

ヨコハマタイヤ性能比較
2017年10月に創立100周年を迎えた横浜ゴム、これだけの歴史を誇りながらも国内シェアはブリヂストン、住友ゴムに次ぐ3位。201…

ダンロップ

 空気入りタイヤを発明したのはJ.B.ダンロップ、1888年のこと。息子の為に作ったという自転車用タイヤがスタートです。ダンロップは現在タイヤメーカーとしてではなく、ブランドとして存続。日本国内では住友ゴムが関係を築いて来ました。

 ダンロップブランドの世界的住み分け、欧州と北米ではグッドイヤーが、日本では住友ゴムが主導権を握ることになります。住友ゴムの創業は1909年、2022年世界シェアは5位(3.8%)、国内ではブリヂストンに次いで2位です。

ダンロップタイヤ性能比較
 ダンロップは現在タイヤメーカーとしてではなく、ブランドとして存続。日本国内では住友ゴムが関係を築いて来ました。1909年英国ダン…

トーヨー

 トーヨーは2015年に創立70周年を迎えました。2017年5月に本社を大阪市西区より兵庫県伊丹市に移転。2019年1月1日付で社名(商号)をTOYO TIRE 株式会社(英文表記:Toyo Tire Corporation)に変更しました。

 2022年の世界シェアは11位(1.9%)です。国内はブリヂストン、住友ゴム、ヨコハマに次いで4位です。ブランド展開、製品ラインアップから見るとかなり充実している印象。しかしながら現在のポジションは寂しい。もっと飛躍していいはずでは。

トーヨータイヤ性能比較
 2015年に創立70周年を迎えたトーヨー、2017年5月に本社を大阪市西区より兵庫県伊丹市に移転。2019年1月1日付で社名(商…

ファルケン

 ファルケンを製造販売するのは住友ゴムです。2003年オーツタイヤ(ファルケンはブランド名)を吸収合併し、2005年ダンロップファルケンタイヤを設立も2010年に統合。ファルケンは、ダンロップ、そして当時のグッドイヤーとともにブランドのひとつとして国内展開されることになりました。

 オーツタイヤは1944年に大日本航空機タイヤとして設立。1945年大津ゴム工業に改称しクルマ用タイヤ生産に転換。1962年オーツタイヤに改称。ブランド名ファルケンは1983年に登場。しかし、厳しいシェア競争の末に住友ゴムへ吸収合併。

ファルケンタイヤ性能比較
ファルケンを製造販売するのは住友ゴムです。2003年オーツタイヤ(ファルケンはブランド名)を吸収合併し、2005年ダンロップファル…

グッドイヤー

 世界ビック3の一角がグッドイヤー、2022年の世界シェアは3位(9.6%)です。1898年に米国オハイオ州アクロンでザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーが設立されました。

 国内では1999年住友ゴムとタイヤ事業におけるグローバル・アライアンスを締結。これによりグッドイヤーの日本法人である日本グッドイヤーは住友ゴムの子会社へ。しかし2015年この契約を解消し、グッドイヤー100%出資の日本法人として日本グッドイヤーが復帰します。

グッドイヤータイヤ性能比較
世界ビック3の一角がグッドイヤーです。2015年に住友ゴムとのアライアンス契約および合弁事業を解消。日本国内では市販及び新車用タイ…

ミシュラン

 ミシュランの起源は1863年に設立されたバルビエ&ドーブル株式合資会社です。名称は1889年に採用、アンドレとエドアールのミシュラン兄弟の名前を冠したもの。1895年ミシュラン兄弟によってクルマが初めて空気入りタイヤで走行を果たします。1898年ミシュランのタイヤ男と言われる「ミシュランマン」の誕生。

 日本でのタイヤ販売事業は1964年から。浜松町・羽田空港間に新設されたモノレールに、ミシュランスチールラジアル「X」が採用され、日本におけるミシュランの第一歩がスタートしました。2022年の世界シェアは1位(15.1%)です。

ミシュランタイヤ性能比較
 ミシュランの起源は1863年に設立されたバルビエ&ドーブル株式合資会社。名称は1889年に採用、アンドレとエドアールのミシュラン…

ピレリ

 ピレリは、1872年にジョヴァンニ・バッティスタ・ピレリによって創業されました。イタリア ミラノが本社所在地であり、2022世界シェアは6位(3.7%)を誇ります。

 2015年に中国化学メーカーの中国化工集団公司に保有株式を売却、中国資本となったのは驚きと複雑感が漂いました。しかし、F1におけるタイヤ供給は2027年までの延長が決定。変わらぬレーススピリットを維持し続けると信じたい。

ピレリタイヤ性能比較
 ピレリは2015年に中国化学メーカーの中国化工集団公司に保有株式を売却、中国資本となりました。しかし、F1におけるタイヤ供給は2…

コンチネンタル

 コンチネンタルはドイツのタイヤメーカー、2022年世界シェアは4位(6.7%)。欧州での認知は抜群、従って新車装着として採用する欧州自動車メーカーは多い。ミシュランをも凌ぐのでは、とも言われます。

 日本では1974年7月にヤナセが輸入元となりビジネスをスタート。2002年4月、横浜ゴムと新車用タイヤ事業で提携を結び、ヨコハマコンチネンタルタイヤ株式会社(YCC)を設立。2014年8月、コンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社を設立。2016年3月YCCを清算し同年4月1日よりコンチネンタルの直接販売に切り替わりました。

コンチネンタルタイヤ性能比較
コンチネンタルの製品性能は間違いなくハイレベル。快適性に対するバランスの良さ、剛性向上が果たす安定性、そして寿命など装着すると実感…
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