ピレリ ICE ZERO ASIMMETRICO【日本市場へ向ける】

タイヤを取り巻く現状理解(ユーザー視点)

 タイヤは黒くて丸いので各々の差が分かり難い。その違いをしっかり理解しなければ、どれが愛車に適しているのか一目では判断が難しい。

 またタイヤは高価なもの、というこれまでの概念は薄れています。新興国製(アジアンタイヤ)の台頭などが大きく影響しています。インターネットの普及などが影響力大きいかと。購入環境の変革です。

 これを既定とした上でタイヤ選びを行うのが、現状のユーザー視点と言えるのでは。

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タイヤ市場はこうなっている

 シーズン毎に最新タイヤが発売され、市場ラインアップの充実は進みます。2010年に出現し注目の高さで特別視された低燃費タイヤも、相応の経過によって世代は進み今や一般化された製品になりました。足枷の多くが解消され、スポーツやSUVに至るまで投入実現を図ります。

 タイヤは概ね4年を目安にモデルチェンジを図ります。その時代に沿った製品が発売され、車種人気との関連は見逃せません。近年は軽カーやコンパクトカー、そして低燃費車に傾倒する車種事情から、ボリューム展開を図るにはこれらをターゲットにするのが最もいい。

 しかしながら、独自性を主張するのもメーカーにとっては重要です。かつてフラッグシップを背負うのはスポーツタイヤが定番でした。そこから時代の経過によって低燃費に優れることが最善となり、対極するスポーツはいつしか蚊帳の外に。暗黒時代は賑やかさを失わせ、いつしか技術の停滞が懸念され始めました。

 ところがタイヤ市場の興味は動きます。低燃費を図りつつもカテゴリーの特性を失わない、スポーツなら絶対的なグリップ向上は譲れないけれど低燃費を主張。またプレミアムコンフォートでは、極上の快適性を最上位にしつつ低燃費を図る、という感じかな。

 これにより低燃費一色化した市場に賑やかさが戻ります。すべてのカテゴリーで隆盛が感じられるようになりました。

 スポーツは勿論それ以上にSUVは注目のカテゴリーへ成長しています。比較的モデルサイクルが長い(新製品への移行が遅い)傾向から、他同様のサイクルへ変遷し新たなブランド投入も果たしています。当然ながら車種としてSUVの盛り上がりからです。

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ユーザーがまず求めるのは性能、その次は?

 タイヤ性能は重要です。ただ性能=高性能、が最大とはならないかな。全てにおいて高性能がクルマとのバランスに長けている、ということではないはずです。

 性能=バランスの良さ、となるかと。バランスの良さは本来のクルマ性能を最大限に高めます。タイヤが果たす役割はここが大切。どちらかが突出していたのでは最大限に繋がらない。

 性能もユーザーの好みが分かれます。カテゴリーに括られ方向付けされていてもメーカーやブランドにより差異はあります。

 夏タイヤで基本となるのは直進安定性、ドライ性能、ウェット性能、低燃費、ライフ、静粛性、乗り心地です。この拘りや実現レベルは好みに影響します。好みは優劣となるケースが見られます。

 でも同様なら向かうのは価格です。下を見ればアジアンタイヤなど強烈な価格設定が行われており、価格オンリーによる直接的な対峙は難しい。国内や海外のメジャー製品が誇るのは性能に裏付けされた価格です。これをどう伝えるべきかが問われています。

価格で差別化

 一般には高性能になればなるほど価格は上がります。そして購入に際し性能は勿論ですが、価格への興味も重要なポイントになります。中には価格が最も大切と割り切る人もいるでしょう。

 国内メーカーには、差別化によりメーカー系列の販売店のみが扱う製品が存在しています。これらは大々的な露出は控えられ、いわゆる専売品としてチラシ訴求等で価格的メリットを強調することがあります。

 製造での金型の再利用や輸出用などを該当させることが多く、汎用既存品と同じであってもやや下位にポジショニングされ、名称も変更されるなど差別化を図ります。多数の目に触れる機会は必ずしも多いとは言えず、小売における販売の特異なケースかもしれません。

 また、大手カー用品店などでは既成として知られるところですが、プライベートブランド(PB)として販売する製品が存在します。国内外メーカーのOEM生産により、価格面での訴求にポイントが置かれる製品です。またアジアンタイヤメーカーと数アイテム契約で独占販売する手法も見られます。

 いずれも一般的な市販品とは差別され、低価格を求めるユーザーへのアピールとなっています。

リアル店とネット店

 近年はタイヤさえもリアル店に拘らず、インターネットでの購入を選択する人が珍しいことではなくなりました。取り付けの手間も価格への期待が望めることで煩わしさを感じない、ということかと。

 但し、稀に見かけるタイヤの市場調査などによると圧倒的多数を占めるのはまだまだリアル店、それも大手カー用品店だという。それでも近年のインターネットの購入は意識しているはず。その結果が既述した現状(価格で差別化)になるのでは。

 双方で拘るのは価格です。しかし、過度な価格競争は共倒れの様相も含んでおり、性能重視と価格追求が共存する市場環境が理想であると考えます。

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