一般にSUVタイヤと言えば主にオンロードを謳う傾向です。オン・オフ対応のオールラウンドやオフロードは、4×4タイヤに括られるケースが多いのでは。
双方含めその種類は次のように大別されます。H/T(Highway Terrain)=高速走行対応、S/T(Street Terrain)=街中でのオンロード対応、A/T(All Terrain)=オン・オフ対応のオールラウンド、M/T(Mud Terrain)=オフロード対応など。
いずれも重量ボディーを支える為にミニバン同様ふらつきや偏摩耗の対策を施し、乗り心地や静粛性、更にはオンロード用でもエマージェンシー的にオフロードもこなす高性能タイヤなど誕生しています。
ここでは4×4オフロードを含め一括でカテゴリーを構築します。オンロードだけではないSUVに掛かる全体カテゴリーとして機能します。
ラインアップが急成長を遂げる
製品展開はNANKANGがカテゴリーを細分化するTerrain(テレーン)= 地形の区分け全てに対応、オン・オフ含む完全構築を実現します。まずここに注目。また他カテゴリーでも露出拡大が進むHIFLY、RADARが積極的な姿勢を示します。ZEETEX、MOMO、MAXTREKも追随します。
メジャー級の存在も見られる
NIITOにおける「NT421Q」は、SUV低燃費タイヤとして存在はメジャー級。またA/TとM/Tもラインアップし魅力は十分。それを踏まえるとアジアンタイヤに括る理由を完全網羅、いやそれ以上です。プレミアムSUVとしての拘りはメジャー同様レベルで響いて来ます。
SUVカテゴリーの全体的な傾向は、より高性能さがイメージされるH/T対応が圧倒的なボリュームを誇ります。対してオールラウンドやオフロードは数で劣ります。また双方サイズは大口径化が際立ち、大型SUVへ向けられたものからドレスアップまで対応します。
一般的な大口径サイズは高価なのが難点。そこでアジアンSUVタイヤへ注目すると、ハードルがずっと下がるのでは。ただラインアップは剛性面で差が大きく、快適性や安定性など走りの環境を定めた上で耐え得る選択が望まれます。
近年は車種としてのSUVが数多く投入され、必然的にタイヤカテゴリーの注目も上がっています。そこでは専用の重要性は然ることながら、メジャーとは異なるコストパフォーマンスが焦点になっています。
アジアンSUVタイヤ性能比較
NANKANG
SUVラインアップの頂点へ。「SP-9」を上回るハイパフォーマンスであり、ノイズ対策に拘り静粛性に長けた次世代のH/Tに位置付けられる。快適性と静粛性、プレミアムを極め最上位にポジショニング。
オンロード用(H/T)に括られ快適性と静粛性、プレミアムを演出する走りを極める。高速走行の得意性を訴えた「N990」が起点。ここから快適性の向上を果たした「SP-7」に進化、更なる発展が「SP-9」としてプレミアム性を演出。
国内導入サイズは大口径化傾向、「N990」の継承となればフラッグシップとしてのポジショニングは確立したい。H/Tとしての安定性と快適性に期待を込め、「SP-9」を除く序列では「SP-7」>「SP-5」>「FT-4」とこれまでを踏襲。
「FT-7」と異なるパターンはアドベンチャーを謳う。ブロック形状は比較的丸みを帯びたデザイン、従来品のそれよりもエッジを効かせグイグイの印象は劣るか。ただノイズ抑制と乗り心地はアジアンタイヤのA/Tとしてはハイレベル。
SUVタイヤのオールラウンドにポジショニングされる。センターリブを挟む2本の縦溝と、変則的ブロックを形成する横溝の組み合わせによってオフロード性能を実現し、オンロードでは静粛性への貢献と快適性の向上が果されている。
最新オフロードパターンを採用し走破性が圧倒的に拡充したM/Tタイヤ。既存「N889」を踏襲しながらも進化、ブロック形状は比較的硬めに設計、エッジのカットや破損等に対応、ロングライフも実現。RWLもラインアップ。
M/Tに分類される。オフロード走行を得意とする4×4タイヤとも言い換えられる。アジアンタイヤでM/Tはまだ貴重な存在、その点でトータルでは価格との兼ね合いも十分。ホワイトレターのデザインも見た目が格好いい。
CEAT
左右非対称トレッドパターンを採用しツインショルダーブロックを構築。コーナリング時の安定感、そして重量のあるSUV特有のふらつきを低減するという、UHP(ウルトラ ハイ パフォーマンス)SUVタイヤ。
HIFLY
左右非対称パターンを採用、INとOUTで異なる性能を両立。コーナーリングで荷重の掛かるOUT側はブロック剛性を高め接地確保を狙う。一方IN側は繊細な溝構成でウェットと静粛性の向上を果たすなど、結構繊細なパターンを有する。
オンロード専用としてハイグレードのH/T(Highway Terrain)=高速走行対応に位置付けたいところ。しかしハイパフォーマンスSUVを謳う「HP801」がラインアップ済み。従いS/T(Street Terrain)=街中でのオンロード対応へ臨む。
HIFLYにおけるSUV系VIGOROUSシリーズの一角を担うA/T。トレッドパターンは独創性を生み出したもの。形状の異なるブロックをセンターからショルダーまで配置、鋭くカッティングされた溝の切れ込みによる排水、排泥効果は高い。
VIGOROUSシリーズのM/T。A/Tを超えるワイルドなルックスはそれに飽き足らない本格的オフロードユーザーへ向けたもの。独自のMTパターンはマッド、ロックといった悪路で効果的なトラクションを発揮する。
ZEETEX
最新のハイグレードシリーズとして開発された、SUV/クロスオーバー車に最適な製品。高い運動性能を両立しプレミアムな走りを演出。快適性と静粛性にも高い自信を示す。サイズ展開からもプレミアムSUVへの主張に納得。
エコ性能に拘る ‥ECOシリーズのSUV専用。ワイドな縦溝とインナーリブ・ショルダーがふらつきを抑制し、転がり抵抗低減を実現。専用性が大きな意味を持つもの考える。従いSUVとして追及を図るのがベスト。
トレッド面の縦溝に刻まれるのこぎり歯のような形状であるセレーションが、気柱共鳴音を軽減し静粛性の実現に貢献。ショルダーの剛性を上げ、コーナリングの安定性とブレーキングの効きを向上。
DAVANTI
主張は燃費の効率化、そして静かで快適なドライブを提供すること。また専用設計となる非対称トレッドパターンを採用。SUV特有の車種特性を最大化しつつも、ウェット&ドライグリップをバランスし、滑らかで快適なドライブを提供。
オン・オフ両立のA/T(All Terrain)に配置。フィンランドやスペインでテストを行い快適性と信頼性に妥協せず開発。極北における厳冬の条件下、更には灼熱のデザート走行など徹底した実地テストを敢行し誕生したハイパフォーマンス。
MOMO
MOMOの最適化されたパターン特性をSUVへ向ける。ブランドに対するイメージから大型ボディーの輸入車なども対象。Itaria DesignによるMade in Chinaは認知を高め他製品同様を踏襲、デザインの洗練さと価格の両立を実現。
SUVにプラスしてミニバンも対象。H/Tへ配置。耐摩耗性の向上を謳う。またドライ・ウェットにおけるグリップ力のバランスに長けている。左右非対称のパターンを配置することで、走行性能とハンドリング性能の効果を訴える。
一見するとオールシーズンを思わせるサイプ構造。実際はそこまで繊細化されたものではないけれど、H/Tに見られるそれとは少しばかり異なる印象。静粛性やウェット性能追及、トラクションと安定性も向上。
タフな機能と重厚なデザインはA/Tの力強さを演出。MOMOの特性を失うことなくA/T特有の多機能性を発揮するデザインはショルダーからサイドまで拘りを強調。レースの伝統に裏打ちされ優れた製品の提供を謳う。革新的で高度さを強調。
RADAR
ラインアップでのポジションはUHP(ウルトラ ハイ パフォーマンス)、コンフォートに加えレスポンス性能の高さが主張点として添えられる。従来品は「Dimax R8」、そこからプラス進化で得たのは静粛性に耐摩耗性、そして低燃費。
オールラウンドには「RENEGADE AT-5」が配置済み。しかしパターンデザインが大きく異なり、それによる性能違いを見出す。また特異デザインが従来より更なるカスタマイズ性に優れている。ワイルドの強調、快適な走りに注目。
オン・オフ対応のオールラウンド。全地形対応のオールテレーンとして、また季節を問わず通年装着可能なオールシーズンも謳い対応性の高さを主張。総じて背反性能の両立にバランスを配する。見た目重視のカスタマイズにも対応。
括りはM/TとA/Tの中間になる新しいジャンルで注目のR/T。左右でサイドウォールのデザインが異なる。「ドクロ」と「短剣」のモチーフを採用し、好みによりどちらかを使い分ける。遊び心に拘りドレスアップとしての選択も可能。
RENEGADEシリーズ オフロードにおけるM/T。A/Tを超えるワイルドなルックスは正にオフロードを謳う最終形、A/Tでは飽き足らず新たな括りR/Tでも満足しないユーザーへ向けたもの。メジャーにも通ずる堅実なパターンを有す。
ARMSTRONG
「TRU-TRAC SU」はSUVタイヤ。路面からの衝撃を吸収する特殊なサイドウォール構造によって安定性を強化、快適への得意性も主張点。同時投入され「TRU-TRAC HT」同様街中メインのS/Tと判断するもより大型をターゲットにする。
15 ~ 17インチメインのサイズ設定なので、主にコンパクトからミドルを対象にしたものになるかと。括りは街中メインのS/Tと判断。トレッドデザインは横に連動して刻まれる溝が横滑り条件下でもグリップを高め安全性を維持。
「TRU-TRAC AT」は4×4タイヤ。そうオンオフ対応のA/T(All Terrain)製品。今回の導入に際してこの括りはSUVオンロード(S/T)を含めA/Tまでラインアップ。A/T(All Terrain)= は見た目のワイルドさは勿論実用面でも勝手がいい。
MINERVA
SUV向けプレミアムハイパフォーマンスタイヤ。H/T(Highway Terrain)= オンロード高速走行対応の得意性を持って高性能なSUV対応を謳う。今話題のMINERVA、しかもSUVだし大いに期待したい。
MAXTREK
SUVオンロードS/Tに商機を見出す。トレッドに細かなラグパターンと幅の広い4本の縦溝を組み合わせることで高いグリップ力を発揮。ドライだけでなくウェットでも安定した走行が可能。サイズは15~21インチまで30以上を展開。
M/TとA/Tの中間になる新しいジャンルを謳うR/Tに配置。A/Tに対して更なるオフロード性能を高めるも、M/Tには走破性を譲るというのがR/Tにおける中間の発想。RWL仕様で見た目の精悍さは十分。
ショルダーに留まらずサイドまで続くブロックは、耐カット性と深いマッドでのトラクション効果を考慮したもの。「MUD TRAC」においてはポイントに。個性的とも言える形状はカスタマイズユーザーを刺激する主張点。
NITTO
従来品「NT420S」の後継。Nano Balance Technology を駆使した材料開発により転がり抵抗低減。ターゲットは大口径に履き替えてカスタマイズを楽しむ街乗りSUVの愛好家だという。従ってSUV専用のラグジュアリー低燃費タイヤを謳う。
「TERRA GRAPPLER」はオン・オフ対応のA/T(All Terrain)、そうオールラウンドタイヤ。様々な厳しい走行環境でも高い性能を発揮、「GRAPPLER」ブランの中核として評価著しい。国内ではブランド唯一の製品。
オフロード走行時に求められる悪路走破性や耐久性、オンロードユース時に求められる操縦安定性や静粛性を兼ね備える。静粛性実現の為にアグレッシブなトレッドパターンがらもノイズを低減。M/T(Mud Terrain)としては注目すべき製品。
FEDERAL
4×4のオフロードに括るのが詳細化では適しているかと。OWLもラインアップし見た目の拘りも十分。名称に添えられるA/PとはALL PURPOSEのこと。A/Tと基本は同じと考えていい。ただ「XPLORA A/P」が果たすのは少しばかりオンロードへの傾倒。
「XPLORA」シリーズも存在する中で、よりアクティブな走行には「COURAGIA」シリーズがメジャー。耐摩耗性、耐久性を追求し負荷のかかる厳しいオフロードでも力強いトラクションを発揮。OWTも備え見た目の精悍さはこのカテゴリーでも際立つ。