M/T(Mud Terrain)タイヤは4×4(オフロード)の対応を謳うことから、多くでM+S(マッド&スノー)の刻印があります。マッドは泥やぬかるみ、スノーは雪。つまり泥や雪路も走行可能というアピールです。ただ実際はどれ程のモノか疑問です。
というのもM+Sは公的な基準が存在していない、飽くまでもメーカーによる自主的な基準だからです。ならこれいい機会、愛車に装着しているNANKANG「FT-9」でこの冬は雪路の可能性を試してみようかと。
ナンカン「FT-9」は当然M+Sの刻印があります。しかしながらスノーフレークマーク(厳しい寒冷地でも十分な冬性能を発揮することが認証された製品のみに刻印が許される)は見当たりません。
果たして4×4オフロードはグイグイ行くはずの特殊ブロックが、雪路面でいかほどの効果を発揮するのでしょう。意外な性能発揮となるのか? それともダメダメか? ただ走る前からある程度の予想が可能なアイスバーン、これについては難しいと判断が出来そうです。
雪路で試した結果はこうでした‥
今回試した環境はどっさり積もった雪路とは言えず。気温2℃、積雪5~6cmなので雪路としては微妙なレベルです。それでもさらさら、走り出せばタイヤのパターンがくっきり刻まれます。夏タイヤなら危険度MAXなのは間違いない。早速試しましょう。
一発目走り出しはそぅっと。するとスムーズ、ズリズリ滑る感触はありません。ブロックが雪にシッカリと食い込み安定性を発揮します。グリップが抜ける感触も低いと感じます。複数回、いずれもその捉えから遠ざかることがありません。
そこから加速しスピードを維持、左右に振られることもなく素直な走行を果たします。そしてブレーキング、これも安定している。そこで少しスピード域をアップします。すると唐突に抜けのような滑る感触が襲います。ただそれも僅か。ロック寸前でピタ。予想外の感触にやや戸惑います。
ところがコーナーでは一転、限界が襲います。低速なら行けるという感触ながら、そこからドライ時同等レベルではズリズリと外に逃げていきます。そう正に滑る感触が強まります。4WDであっても動きはブレブレで安定した走行は遠ざかります。
当初のスピード域に戻すとまた初期に得た感触が戻ります。一旦感じた滑る印象はリセット出来ないものの、発進、停止、曲がるの基本走行は維持します。
それでも限界を感じてしまったのでその先へのはトライ出来ません。相応のスピード域で安定性は薄れ改善は見られず。
アイスバーンは体験していないので正直何とも‥ しかしながら冒頭に触れたよう難しいと判断が出来そう。雪路で限界の低さを感じれば、その以上に困難なアイスバーンは想像出来るところです。
まとめ
ナンカン「FT-9」の基本性能はこれまでレポートで示した通りです。M/Tタイヤとしてトレッド面のゴツイブロックは勿論、ホワイトレターとのコンビネーションがいい。愛車のホンダ「ACTY TRUCK」はフルタイム4WDだし、そこは農道のポルシェにフェラーリ、更には田舎のベンツであることを実感しています。
だからこそ雪路でも冬タイヤ性能をどれほど有するのか、いわゆるM+Sの本質を探ろと思いました。その結果は、夏タイヤに比較すれば少しはまし‥ 冬タイヤとしての可能性は難しい。M+Sの本質、特にスノー性能は厳しいと感じた次第です。
最新M/Tパターンを採用し走破性拡充
- カテゴリー:SUV(M/T)
- サイズ:12~16インチ
- 扁平率:85~60%
4×4オフロードのM/Tタイヤ。既存「N889」を踏襲しながらも進化、ブロック形状は比較的硬めに設計、エッジのカットや破損等に対応、ロングライフも実現。RWLもラインアップ。