ダンロップ ブロック剛性を強化し撥水に拘る

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 アイス性能はタイヤと氷の表面に発生する水膜を除水し、路面へ密着することで性能向上を果たすのが現在のメジャー技術です。この除水には撥水か吸水、いずれかの手法を採用します。

 ダンロップなど住友ゴム系は撥水、対してブリヂストン、ヨコハマ、トーヨーなどは吸水を採用します。ダンロップが ナノフィットゴム による撥水効果へ拘るにはブロック剛性との関連性があるのです。

ミウラ折りサイプ

 ダンロップの技術でブロック剛性を向上し倒れこみの抑制を図るのは ミウラ折りサイプ です。ミウラ折りとは、三浦公亮氏(東京大学名誉教授・文部省宇宙科学研究所)が考案した地図の折り方だという。潰れることで強度を増す折り方としても知られています。

 これを流用した ミウラ折りサイプ は非常に複雑な立体構造です。内部まで折れ曲がったサイプであり、ブレーキによりブロックに力が掛かっても隣あうブロック同士が支え合い倒れこみを最小限に抑えます。接地面積が増大し、ナノフィットゴムが持つ撥水効果を最大限引き出すことが可能です。

 採用されたのは2005年発売の「DSX」から。2008年の「DSX-2」で進化し、2012年の「WINTER MAXX 01」は、サイプ幅を25%細くした 新ミウラ折りサイプ を採用。シャープになったサイプ幅がブロックの倒れ込みを抑制します。

 そして「WINTER MAXX 02」は 製品主張こそ ミウラ折りサイプ に触れていないものの、これまで積み重ねられた技術の結晶であることは間違いないでしょう。新開発の MAXXグリップパターン としてブロック強化を果たします。その結果アイスブレーキ性能で12%もの向上を謳います。

(2018.7更新)