ブリヂストンが定義する夏タイヤの基本性能は7つ、①直進安定性、②ドライ性能、③ウェット性能、④低燃費、⑤ライフ、⑥静粛性、⑦乗り心地 です。これに「アイス性能」と「雪路性能」の2つを加えたのがスタッドレスタイヤの基本性能と考えます。
但し、夏タイヤそのままに2つの性能を加えた、という単純なレベルではありません。各々バランスを配し、冬専用としてのトータル性能向上に寄与する技術の搭載が絶対条件です。異なる性能の両立が不可欠です。
かつて北海道限定を謳いアイス性能の突出したモデルを発売したことがありました。いわゆる性能特化型で、ブリヂストン、ヨコハマ、トーヨーだったと記憶しています。
ブリヂストンは2012年10月に「BLIZZAK SI-12」を 195/65R15 の1サイズ限定で。ヨコハマは2013年10月に「ice GUARD Evolution iG01」を。当初は同じく1サイズ限定ながら翌2014年10月に 155/65R14、215/60R16 の2サイズが追加されました。更に2013年11月、トーヨーは同じく1サイズ限定、500本限定で「GARIT G0」を発売しました。
サイズ展開からテスト販売の意味合いもあったかと。残念ながら体感出来なかったけれど、アイス路での効きレベルは相当なモノだったよう。しかし、ライフ性能が極端に短いという弊害から多彩な路面への対応性に課題あり、で結局波及の流れは作られませんでした。
このことからもトータル性能がスタッドレスタイヤに求められる意味合いは大きいと思います。冬性能の高度化でアイス路で効きを高め、雪路で確実な走りを実現することは最大だけれど、9つの基本性能をバランスすることも非常に重要です。それを果たす高度な技術を出来る限り噛み砕き詳細にお伝えしたい。
スタッドレスタイヤ基本性能の役割と技術展開
アイス性能の飛躍的向上
最も期待されるアイス性能、氷上性能やアイスバーン性能などと示されますが、意味は皆同じこと。氷の上での発進、停止、曲がる性能を示します。
最新のアイス性能実現は、除水と密着、そして引っ掻きの3つを実現することです。氷とタイヤの間に発生する水膜、まずはこれを除水することが効きへの最大効果として実証されています。
除 水
凍った路面であるアイス路は、タイヤの回転熱で表面が融け僅かに水膜が発生します。これが滑りの原因となります。従って水膜の除去、そう除水することが第1段階として託されます。
除水はメーカーにより2つの手法が存在します。国内メーカーならブルヂストンやヨコハマ、トーヨーなどは吸水による作用を採用します。親水性に優れた特殊ゴム素材そのものが水膜を積極的に取り込みます。対してダンロップやファルケンは撥水による作用です。水膜を積極的にはじく特殊ゴム素材で除水を実現します。
撥水は吸水に対して真逆の発想で密着へ辿ります。正直、吸水と撥水は優劣つけ難い。いずれも次の段階となる密着へ実効性を導きますので。
密 着
水膜除去によってアイス路へ密着します。しかも路面を広くよりしっかりとらえれば滑りの抑制効果が向上します。この実現は特殊ゴム素材の柔らかさに委ねます。アイス路表面の凹凸、しかもミクロレベルでその隙間を埋めることが可能です。しっかりピタッ! のニュアンス。
更にブロックの剛性を上げることで、倒れ込みを抑制し接地面積の拡大を狙います。路面を広く、という発想の実現です。サイプへの拘りが示され間隔を適正化するなど手法は様々だけれど、従来から注目するのはダンロップの技術。
ミウラ折りを応用したミウラ折りサイプは、ブロックに力が掛かっても刻まれるサイプ同士が内部で支え合い倒れこみを最小限に抑えます。
引っ掻き
最後の詰めは引っかき効果です。ブロック剛性を上げエッジを効かせること。これにはサイプ数を増やしエッジ量の拡大を図ります。強固な角と多くの角がアイス路面を確実に引っ掻きます。
またかつてのスパイクピンをイメージさせる引っ掻き素材が、特殊ゴムに配合さるケースもあります。但し、素材はたまごの殻からガラス繊維、そしてクルミの殻まで様々。トーヨーが拘ったのは、アスファルトを削らないで氷を削るという発想の元に僅か0.1mm程に粉砕された鬼クルミの殻です。氷より硬いがアスファルトよりも柔らかく環境にも優しい。
除水と密着、そして引っ掻きの3つは、いずれもナノレベルでの技術によって実現しています。ナノは10億分の1を示す単位であり、1ナノメートル=0.000 000 001メートル。ナノレベルが特殊ゴム素材を生み飛躍的に進化させた、ということです。
雪路性能は雪柱せん断力で実現
雪路性能はアイス性能に比較し性能差が拮抗しており、メーカーや銘柄によるアドバンテージは少ないとも言われます。ある意味技術の熟成期に入ったのでは。
アイス路同様に雪路でもタイヤの摩擦力は最小化します。そこでトレッド面に幅広の深溝を刻みブロックを設置。タイヤの回転でその溝が雪を踏み固めて柱を作り、それを蹴り出すことでグリップを生み出します。
雪路での効き、そうスノーグリップは、雪柱せん断力 と エッジ効果 を発揮するトレッドパターンデザイン、そして柔らかいゴムの特性が性能向上へ導きます。多彩なパターンデザインは効率化、高剛性を果たし、安心安全な走りを実現します。
雪柱せん断力
夏タイヤに比較して、太く多くの溝が刻まれ様々なブロックを形成します。この構成により雪を踏み固め柱を作ることが可能になります。そして柱を蹴り出す(排雪)動きが抵抗となりスノーグリップが得られます。一連の動きを 雪柱せん断力 と呼んでいます。
パターン技術
近年パターンデザインは更に先進化、ブロック形状と配置などにシミュレーション技術が積極的に採用されています。狙いは剛性向上と効率化。剛性が得られるとブロックや溝の形状が維持され、効率的でハイレベルな効きが持続可能になります。
その技術は溝の奥深くまで到達しています。溝壁への工夫は剛性へ繋がり、縦横の溝の交差点を増やす発想は、取り込んだ雪を従来以上に強く押し固め更なるグリップ向上を果たします。
エッジ効果
更に引っ掻きの有効性も活用します。ブロックやサイプの角が雪を引っ掻くことで生じる抵抗 エッジ効果 によって、雪路でも確実な効きへ導きます。剛性向上を果たしより強固なエッジが、アイス路同様に雪路でも重要な役割を果たしています。
柔らかいゴム
雪柱せん断力の効果が大きいほど雪路での発進、ブレーキング、コーナリングへの信頼性が高まります。しかし、かつてのスノータイヤはこの動きが半端な製品でした。その要因はゴムにあったのです。
当時、使用するゴムは基本的に夏タイヤと同じ。従って温度低下時には硬化してしまいます。すると抵抗を作る一連の働きは著しく低下、しかも深溝には雪が詰まりトレッド面はツルツルになってしまうことも多かったのです。
このマイナスを解消する為に、スタッドレスタイヤには温度低下でも硬くなり難いゴムが採用されています。極寒温度-80℃、これでも硬度はほとんど変わらないという。温度変化に対して一定の柔らかさを維持する、高度な技術が採用されている為です。
スタッドレスタイヤのアイス性能と雪路性能、実は相反する
アイス性能と雪路性能、この2つの実現は対極にある、相反する性能と言ってもいいでしょう。効きの仕組みが異なる訳です。そこにはタイヤの幅に関連付けられた接地面積が影響します。
以前、と言っても相当前です。スノータイヤは細い(幅が狭い)方がいい、というのが一般的な知識だったかと。接地面積が少ない方が効きへ繋がる考えです。雪路では摩擦が最小化、この時に接地面積が狭い(タイヤ幅が細い)と面圧が上がり、ブロックが雪に深く食い込み効きに繋がる。細めが有利という考え方はここから来ているかと。最新でもその考え方に大きな違いないかな。
対してアイス性能の実現は考え方が異なります。滑る原因はタイヤの回転熱で僅かに水膜が発生、これが原因です。従って水膜の除去、そう直接氷に接するゴムが除水、そして密着へ繋げます。それも密着は接地面積が大きい(幅が太い)タイヤが有利と考えられます。
アイス性能と雪路性能が背反する、と言われるのはこの為かと。なら理想はこうなる。路面状況によりタイヤを使い分ける。また空気圧を路面状況により変えることも。でもね、競技ならともかく一般では全く持って非現実的です。
そこで溝と接地部の比率がある程度一定した値に最適化、それが新車装着時の標準サイズであり空気圧です。クルマメーカーの指針に従うのがいい、ですね。
直進安定性は形状とパターンで
スタッドレスタイヤへ交換した直後に襲われるフニャフニャ感は、ステアリングが軽くなる好印象? ではないですね。頼りなく不安定などマイナス要素が強調されます。しかし、直にこの感触にも慣れ最新世代の高度な技術を感じることになるのでは。
直進安定性は氷雪路以外でもその実力を発揮して欲しいもの。ふらつきを抑え快適な乗り心地は、安全性に対する期待値も高まります。様々なシーンで高度化する直進安定性は、いわゆる形状とパターン技術に委ねられます。
サイド形状
サイドからショルダーに掛けての形状を非対称化、IN側とOUT側双方で形状を変えており、路面の凹凸や車種特性に対応しふらつきを軽減、直進安定性の確保を狙います。トレッドゴムの下層にも強化されたベースゴムを採用、内部剛性を保ち安定性に寄与します。
パターン
パターンはブロック剛性を強化します。ブロックそのものが効果的に剛性の低下を抑制します。またブロックに刻まれるサイプの内壁を特殊構造とし接触力を増加、各サイプが支え合い倒れ込みを抑制し内部からブロック剛性を高めます。サイプはタイヤ1本あたり約2,000 ~ 3,000も刻まれており、本数増加は剛性強化へも有効的な技術です。
轍の走行は左右へ振られたり、ステアリングが取られるなどドキドキの時もあるのでは。基本的にはこれに沿って行くことです。轍を無視し、本来の真っ直ぐに拘るとそれ以上に大きく振られるケースがあります。
轍の直進性、というか沿う走行は雪路性能の効きが影響します。必ずしも平坦ではない雪路面、トレッド全体でスノーグリップの最大性能を発揮し確実な走行を実現します。
ブリヂストン Playzシリーズの発想だけれど、直進安定性が得られると運転がラク(楽)になるという。スタッドレスタイヤも同様かと。ドライは勿論氷雪路での安定性は尚更です。地味な性能に見えるけれどメーカーの拘りはとっても大きい、ということは重要なんです。
ドライ性能で安定した走りを
スタッドレスへ交換直後、フワフワとした乗り心地、そしてハンドリングの不安定さを強く感じるものです。柔らかいゴムを採用し、ブロックの背高構造が大きく影響している為なんです。改善への方策は剛性向上。
最新はサイプの刻みに高度な技術が投入されています。ブロック内部から支える特殊構造であり、倒れ込みを抑制し剛性向上効果を高めます。
非降雪地域での有効性
近年、非降雪地域でもその装着の有効性が叫ばれています。理由は気温低下によって夏タイヤ以上の安定性が望めるから。気温7℃を境にゴムの硬化が促進します。夏タイヤのグリップは低下するばかり。一方、低温でも硬くなり難い柔らかいゴムを採用するスタッドレスが夏タイヤを上回ります。
その有効性を最大化して快適な乗り心地へ繋ぎたい。そうすれば非降雪地域で更なる注目を得る可能性が高まります。実現にはブロック剛性を高める、サイド形状を適正化、そしてベースゴムの強化などが挙げられます。
ブロック剛性の向上
ブロック剛性の強化は、ブロック同士が互いに支え合う形状により実現します。例えばV字など最適な形状により、効果的に剛性の低下を抑制します。またブロックに刻まれるサイプの内壁を特殊構造とし接触力を増加、各サイプが支え合い倒れ込みを抑制し剛性を向上させます。サイプはタイヤ1本あたり約2,000 ~ 3,000刻まれています。本数増加でアイス性能向上、剛性強化へも有効的な技術です。
サイド形状
パターンのみならずサイドからショルダーに掛けての形状を非対称化、IN側とOUT側双方でふらつきを軽減し直進安定性の確保を狙います。またトレッドゴムの下層に強化されたベースゴムを採用、内部から剛性を保ち安定化を図ります。
ウェット性能の重要性
夏タイヤにおけるウェット性能の重要性は何となく認識出来るけれど、スタッドレスタイヤにおいてはあまり拘るケースを見たことがない。主張メインとなる性能には捉えられません。メインは飽くまでも冬性能です。
実はウェット、遭遇するケースがとっても多い路面環境だし重要なんです。多彩に変化する冬の道、危険な走行環境として認識されるのはアイス路や雪路、更にはシャーベットまでかな。
でも雪の降り始めはウェットになり、積雪が融けてシャーベット、以後はヘビーなウェット状態に変化します。避けることが出来ないウェットに対して、メーカーでは性能強化に努めています。
効率的排水と密着
特徴となる溝の多さ、その役割はウェット性能向上へも繋がります。主力になるのは主に縦方向に太く深く刻まれた溝。ここで水を抱え込み回転により弾き出します。横溝は遠心力を利用し横方向に排水します。これでも排水しきれなかった水はサイプで拭い取る役割を持たせています。形状の最適化が進み、効率的な一連の作用によってハイドロプレーニングの抑制を図ります。
また密着の有効性も実践します。アイス路での密着を実現する新たな素材は、ウェットでも排水後により密着しウェットグリップの確保を実現します。効率的に排水し、しかも密着するのが最新の技術です。
環境の変化に対応
非降雪地域でもその使用を推奨する現在、ウェット性能の主張は更に声高に謳うべきと考えます。その際に夏タイヤと比較してどうよ? が疑問としてあるかな。
本来、夏冬タイヤの性能比較は危険性を訴える手段として取り上げられます。でもウェット性能は効率性を強調、冬本来の使用であれば決して見劣りするものではない、と思います。ここをポイントにしたらいい。飽くまでも冬の使用に限ったことですが。
低燃費にも拘る
スタッドレスの低燃費化も転がり抵抗低減の追求です。多数のブロックが配置されるトレッド面は、夏タイヤに比較し抵抗が大きいのは明らか。しかしながら、最新はスタンダード低燃費タイヤ並みの転がり抵抗低減を実現するというから、進化レベルが半端じゃありません。
多数配置されるブロックに数千にも及ぶサイプ、氷雪路でのエッジ効果や走行の安定性を維持する為に、細かな剛性向上技術が投入されています。
安全性や安定性を実現する為に効きへの効果が最優先、低燃費への主張が目立ち始めたのは2世代前、そうトータルすると第4世代あたりかな。2010年前後なので丁度低燃費タイヤが市場に投入された時期ですね。
というタイミングを理解、転がり抵抗低減は低燃費タイヤの出現が大きいこと分かります。
転がり抵抗を発生させるのは、路面との摩擦や空気抵抗、そして変形など。しかし、電車の車輪は鉄などの金属で変形は最小限です。対してゴムのタイヤは、抵抗の影響を受けやすくエネルギーロスが発生します。しかも、ゴムは変形すると発熱し、発熱が大きいほどエネルギーの消費が増大します。
発熱の抑制
ここに注目、トレッドゴムの下層などに低発熱ベースのゴムを採用、剛性を高め発熱を抑制しエネルギーロスを低減させる、です。またサイドのたわみも気になる。これを抑制すれば発熱量が抑制しエネルギーロスも低減します。サイドからショルダーに届くまでやはり低発熱に優れ剛性のある素材を採用し、実現を図ります。
この動き具体例を示すと理解しやすいか。ヨコハマスタッドレス最新は第6世代に入りました。第4世代の「iceGUARDトリプル プラス」(2010年9月発売)あたりから低燃費タイヤBleEarthシリーズの技術を流用、転がり抵抗低減へ向かいます。
実はその前、「iceGUARDトリプル」も環境性能を謳っています。しかし、同社の環境貢献商品として エコモーション・プロダクト への適合であり、主張レベルは小さい。
空気圧のチェック
ということで、低燃費タイヤ並みに進化した転がり抵抗ですが空気圧のチェックは必ず行って欲しい。折角の高機能であっても空気漏れでは変形が大きくなり性能を発揮出来ません。ここ重要です。
ライフ(寿命)性能向上
スタッドレスタイヤにおけるロングライフ、摩耗が進めばプラットフォームが露出し氷雪路での効きが次第に劣ります。性能維持の指針はプラットフォームへ目を向けます。そして重要なのがもうひとつ、そうゴムの硬化です。通常目安はまず3年、以降は都度判断します。
摩耗を気にするが故に雪が降る前の装着に懸念を示す人もいるという。そりゃそうだ、雪が無いのに走行したら摩耗が進むのは間違いない。しかし、近年は早期の装着と伴に非降雪地域での有効性も強調されます。
その意味は従来に比較して飛躍的に向上した耐摩耗性とゴムの硬化を遅らせる技術の向上です。最新第6世代では第4世代と比較し、ライフ性能は1.5倍にもなるというから進化レベルは相当なものです。
耐摩耗性と柔らかさを維持
ナノレベルやマクロレベルでの素材特性を活かし、ゴムの強い繋がりによって剛性を高め耐摩耗性の向上を実現します。更にはゴムの硬化を遅らせ柔らかさを維持する、新たな軟化剤(オイル)も採用されています。
均等摩耗の促進
トレッド面の偏摩耗や片減りの抑制もロングライフでは重要です。均等摩耗を実現すれば向上へ繋がりますから。その点ではドライ性能もロングライフへ大きな影響与えます。
具体的にはブロックの剛性でしょ。内部から支える特殊構造で倒れ込みを抑えます。またサイドからショルダーに掛けての形状を非対称化、IN側とOUT側双方でふらつきを軽減し直進安定性を確保します。
更にトレッドゴムの下層に強化されたベースゴムを採用、内部から剛性を保ち安定化を図ります。いずれも均等摩耗へ繋げる有効的な技術です。
他性能との両立
ロングライフに対するピンポイント技術もあるけれど、他性能も両立する高度な技術が重要な役割を果たします。早期の装着を推奨する昨今、雪も降らないのにスタッドレスタイヤで走行したら摩耗が進み勿体無い、の声に応え、ロングライフの向上が謳われます。
静粛性と乗り心地はコンビネーション
スタッドレスが夏タイヤ並みであったらいいな、と思わせるの静粛性と乗り心地では。ドライでの活躍シーンが増している現在、その要求は高まっています。
ノイズがより気になるのは高速走行。スピードが増せば剛性面と溝の特性がマイナスへ向かうのはショウガナイ? いやいや、最新はここにも高性能への拘りが見られます。同様なのが乗り心地、グニャっとした違和感も交換直後の一時だけ。いいね、と体感出来るシーンが増えています。
これらの実現は、冬専用(氷雪路)だけに留まらない欲張りタイヤ、そう多彩な路面環境で性能を高次元に実現するトータル性能重視の方向性が成せる業です。
技術展開に役割の複数化
これを踏まえ、技術展開に役割の複数化を果たす仕組みを構築します。例えばブロック剛性の強化は、ブロックそのものの剛性アップと、ブロックに刻まれる各サイプが支え合い倒れ込みを抑制し内部からブロック剛性を高めるなどが主たる技術。この恩恵は、氷雪路は勿論、ドライでの安定性、ライフ向上、低燃費、そして快適な乗り心地まで網羅します。
また溝の進化は、排雪性を向上させウェットに対する効率化と安全性に寄与します。そして静粛性も更に向上させています。例えば、溝・サイプをさまざまな角度で配置し空気の流れを分散させ低減を図ります。