タイヤの限界を判断するのはスリップサインとクラック

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 タイヤには様々なデザインによる溝が刻まれています。溝はトレッドデザインを演出し、見た目の印象をも大きく左右します。しかし、それ以上に大きな役割が課せられているのです。

 最大なのはタイヤと路面の間の排水作用です。より効率的に排水することで、雨の日も安心して走行することが可能です。

 しかし、摩耗が進むと溝が浅くなり排水効率は悪化します。行き場を失った水はタイヤと路面の間に溢れ水膜となり、ウェットグリップや操作性を低下させ走行の危険性が高まります。

 同様にゴムの劣化も危険信号。最悪ではバーストの可能性もあるので注意が必要です。このあたり詳しく確認します。

(2018.10更新)

ハイドロプレーニング現象

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 雨の日の高速走行では ハイドロプレーニング現象 が起きやすくなります。ハイドロプレーニングとは、タイヤと路面の間に水膜ができ浮いた状態になり、ハンドル操作やブレーキが効かなくなる現象です。

 その為、タイヤには溝の深さが1.6mmになると スリップサイン が露出するようになっています。これが出ると危険信号、新品への交換が必要です。

 スリップサインは、残溝がある状態ならトレッドパターンの溝の中に隠れています。しかし、1ヶ所でも露出すると使用してはいけません。大変危険だし法令(道路運送車両法)でも禁止されています。従って露出する前に新品への交換が望まれます。

スリップサイン の確認

 タイヤのサイド部には △矢印 が数箇所表示されています。その延長線上の一番太い溝の間に一段高くなっている部分がスリップサインです。通常新品タイヤの溝は7 ~9 mm、それが1.6mmになったら危険信号です。

スリップサインの位置を示す矢印

スリップサインの位置を示す矢印。タイヤサイド部に数箇所あり。

スリップサインと矢印

矢印とスリップサインの位置関係。

スリップサイン

スリップサイン。

 タイヤの寿命は3 ~ 4年が限界の目安とされています。しかし、使用状況や劣化等によってはそれ以下やそれ以上にもなります。なので、残溝の状況からはスリップサインを目安にすること。それにより交換のタイミングをはかります。

クラックの発生

タイヤのクラック

 クラック とは、ゴムの表面に発生するひび割れです。タイヤには元々老化防止剤が含まれており、それが少しずつ表面に出てきてクラックを防止しています。しかし、オゾンや紫外線の影響、そして経年によって発生する場合があります。

 これとは別に、洗剤やWAXなど一部の美化・保護剤の中には老化防止剤を落としてしまうものがあります。更に空気圧不足などでもその発生を促進させることになります。

ちょっとした気遣いで長持ちを!

 経年はショウガナイ。ただ自然界から受けるオゾンや紫外線の影響はちょっとした工夫で最小にすることが可能です。直射日光の当たる場所を避け、カバーに入れたり屋内への保管で改善が期待出来ます。

 また洗剤やWAXなどの使用は注意が必要。基本は水洗いのみがいいと言われます。でもどうしても艶出しなどに拘る場合、これを促進させる油性タイプは避け水性タイプを使用しましょう。

 空気圧不足や過荷重などでの走行はタイヤのたわみが大きくなり、その繰り返しでクラックが発生します。適正空気圧の維持、そして過荷重は極力避けることを意識したい。

 クラックの発生は寿命の目安にもなります。促進が激しい場合は安全性に影響しますので新品への交換が望まれます。但し、程度によっては継続使用が可能です。目安は JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会) から詳しく示されていますので参考にして欲しい。