スタッドレスタイヤの夏場使用は超危険!

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 6月も下旬になると真夏並みの暑さになる日が続きます。まだ梅雨だったのでは? 2018年は6月末に気象庁が関東甲信地方に早すぎる梅雨明けを発表しました。

 こうなると心配なのは水不足、その懸念を最大に高めています。同時に暑さもでしょう。既に30℃超えは日本各地至るところで、最高は35℃も超える異常さです。

 さて、この環境で既存タイヤはどうよ? 未だスタッドレスを装着したままの人いるのでは。そして夏へ向けても使い続けようかと・・ 本来は冬専用なのに夏場も使用し続けることに対して懸念は無いのでしょうか。

 ここまま履きつぶそう! こうして春 ~ 夏も使い続ける人は、毎年15%前後にも上るという。しかし、実は大変な危険性をはらんでいるのです。

(2018.6更新)

危険性とは何か?

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 過酷な冬道でも滑りを抑え、安定した走行を実現するのがスタッドレスタイヤ。柔らかいゴム等による性能特性はアイス路面、そして雪路でグリップ効果を発揮します。近年はドライ性能や低燃費、そしてライフ性能の向上が図られ、首都圏など非降雪地域でも装着が推奨されます。

 一連の働きを維持する為に、ゴムは低温でも柔軟さを失わない特殊なものが使用されています。またトレッド面は効率的な効きを高める最新デザインが採用されています。実はこの特徴が夏場の路面では弱点となり、危険性に繋がる可能性があるんです。

柔らかいゴム

 スタッドレスの柔らかいゴムは、冬場の極寒でも硬くなり難い為のもの。その温度は-80℃、これでも硬度はほとんど変わらないという。温度変化に対して一定の柔らかさを維持する、高度な技術が採用されている為です。

 しかし、逆に路面温度が上がると一転し性能維持が難しくなります。気温7℃を境にゴムの軟化が進みます。特に夏場の高速走行では激しい熱を持ちやすく変形します。この状態で走行すると、乗り心地が悪くなるばかりではなく運転性能も著しく低下、そして変形の繰り返しによって最悪破裂(バースト)の可能性が高まります。空気圧不足による変形と同様の危険性が懸念されます。

溝の深さ

 雪路では雪によりタイヤの摩擦力は最小化。そこでトレッド面に幅広の深溝を刻みブロックを設置。タイヤの回転でその溝が雪を踏み固めて柱を作り、それを蹴り出すことで雪路グリップを生み出します。

 ここで特徴となる幅広の深溝、通常路面では接地面積が少なくなり摩擦が大幅に減少します。夏タイヤと比較してブレーキの効きが悪くなり制動距離は大きい。コーナリングもその限界が大幅に低下します。

まとめ

 本来雪道を安全に走行することを想定して製造されるスタッドレスタイヤ、昨今は雪のないドライ路面でも快適に走行出来るよう技術レベルが飛躍的に向上しています。それでも交換の目安とされる7℃を超えた場合、路面温度の上によってそれまでの優位性が失われてしまいます。ここからは夏タイヤの持つ性能にはかないません。しかも安全性も影響します。

 よって、履きつぶそうと夏タイヤへ交換しないで気温が上がる春 ~ 夏へも使い続けることは、快適性の悪化にプラスして安全面からも大変危険であると言えます。