タイヤはいずれかのカテゴリーに括られます。これにより愛車に最適な製品としての選択が可能になります。
カテゴリーでフラッグシップを誇ってきたのはスポーツです。グリップ性能の高さが特徴となりハイレベルなタイヤをラインアップします。しかし、現在車種構成の多様化によりカテゴリー展開もそれに沿い複雑化、当然ながら投入される製品はカテゴリー特性に見合うことが望まれます。
正直アジアンタイヤはカテゴリー間での線引きに曖昧さが見られ、専用性への拘りが必ずしも統一されたものではありません。かつてのエコタイヤがそうであったように、主張さえすればそれが受け入れ対象に括られます。
でも製品特性はやはり根拠があって主張を高めたいところ。アジアンタイヤはこの点がいまだ発展途上なのが残念です。
それでもプラス発想で展開すれば、カテゴリー横断の可能性を見出します。特に剛性面で優れるスポーツは、汎用性に対し最も大きな可能性を示します。この特徴を好意的に捉えるユーザーは少なくありません。個人的には醍醐味と受け止めます‥
アジアンタイヤカテゴリー別性能比較は、カテゴリー別で検討する理想形として構築しました。スポーツからSUV、そしてエコまで7つに大別し類似製品を括ります。
かつてアジアンタイヤはスポーツに傾倒している、という流れが強烈に印象付けられました。最新のようにストリートからサーキットまで幅のある展開とまではいかないまでも、ストリートメインに様々な製品投入を果たしました。
結果的にこの特性が、現在の認知に大きく影響しています。必ずしも理想系とは言わないけれど、ラインアップの見応え感は相応のものを感じます。
アジアンタイヤカテゴリー別性能比較
スポーツ
アジアンタイヤで絶対的なグリップ性能に優れているスポーツ、その追求に変化は見当たらず。トレッド面は幅広の溝が刻まれ、面積を確保したブロックがスパルタンな雰囲気を漂わせています。いかにも! と思わせるのがアジアンスポーツタイヤの特徴です。
スポーツコンフォート
スポーツコンフォートカテゴリーは、スポーツの絶対的なグリップ性能には及ばないまでも、程よい快適性を備えることで性能両立を果たします。その中でスポーツをベースにコンフォート性能を持つタイプと、コンフォートをベースにグリップ性能を持つタイプに区分けされます。
コンフォート
コンフォートはスポーツと相反する位置付け。アジアンコンフォートの訴求は静粛性や乗り心地にポイントが置かれ、方向性として曖昧さは感じません。しかし、高度な快適性を発揮する製品から更なる性能向上が強く望まれるものまで性能差が最も大きい、と感じられるカテゴリーでもあります。
ミニバン
ミニバンカテゴリーは後発です。これまでは剛性の高いスポーツやコンフォートなどによってフォーローがなされていました。最新のアジアンミニバンはどうよ? 専用性を欠く現状に最新ラインアップも正直苦しい展開が見えています。
スタンダード
スタンダードカテゴリーは、基本性能と経済性をバランスよく併せ持つタイヤの標準モデル。サイズバリエーションが豊富で、軽/コンパクトカー、ミニバンやセダンまで幅広い車種フォローを可能にするのが特徴です。しかし、コストパフォーマンスに優れるも飽くまでも標準性能重視。
SUV
SUVカテゴリーの全体的な傾向は、より高性能さがイメージされるオンロードのH/T対応が圧倒的なボリュームを誇ります。対してオールラウンドのA/TやオフロードのM/Tは数で劣ります。またサイズは大口径化が際立ち、大型SUVへ向けられたものからドレスアップまで対応します。
エコ
国内市場が低燃費タイヤ普及に進む中、アジアンタイヤも基本はその流れに沿ったものです。ブランド展開が区別される1st.グループは、既に国内低燃費タイヤのラベリング制度で規定を満たす製品を発売し更なる熟成を進めます。一方NANKANGなどの2ndグループも拘りが増しジワリ実現への可能性を高めるも正直まだ物足りない。