エコタイヤは環境性能に優れた製品とも言われます。転がり抵抗を低減させることで燃費向上を図ります。
但し、低燃費のみは飽くまでもエコの一面でしかない。素材改良などにより廃棄等で発生するCO2の排出量削減に貢献するタイヤも出現しています。ここが重要、エコロジーのエコであるのなら多面的要素を受け入れたい。エコノミーだってあるんです。
転がり抵抗の低減技術は各メーカーにより特徴があります。基本技術としては軽量化、真円性の追求、そこにコンパウンド等の素材改良で発熱を抑制するなど高度な技術が注がれます。既に第5世代を超える低燃費タイヤは、エコの進化によって出現したものです。
低燃費タイヤの規定を満たすのは最小レベル
アジアンエコタイヤに掲載するラインアップで低燃費タイヤの規定を満たすのは最小レベル。正直これではカテゴリー展開が難しい。そこでエコに拘る製品もラインアップしています。但し、実性能に対する根拠の曖昧さはショウガナイ・・
柔軟な見方をすれば、ミクロとして低燃費タイヤ、それを取り囲むマクロな展開がエコタイヤというニュアンスです。またエコ=低燃費、だけでは満足しない。転がり抵抗低減のみがエコタイヤではなく、トータル的なエコがタイヤに関するエコの本質と考えます。
エコの拘り度がラインアップに影響か‥
NANKANGは「ECO-2+」同様、環境面に優れたエコ製品を主張する「NA-1」を投入。しかも低価格の面も訴えます。‥正直カテゴリー展開は最小レベル。きっちり、かっちりエコを満たす製品が望まれます。
国内市場が低燃費タイヤ普及に進む中、アジアンタイヤも基本はその流れに沿ったものです。ブランド展開が区別される1st.グループは、既に国内低燃費タイヤのラベリング制度で規定を満たす製品を発売しており、更なる熟成を進めます。
一方NANKANGなどの2nd.グループも、エコタイヤへの拘りが増しジワリ実現への可能性を高めます。ただラべリング制度の規定を実現する製品は‥ 残念な展開です。
そんな中で、プレミアムSUVにも括られるNITTO「NT421Q」が低燃費タイヤ化を果たしています。SUVにも向けられたこの動きはメジャー同様です。
アジアンエコタイヤ性能比較
NANKANG
「ECO-2」の後継。独自配合によるシリカをコンパウンドに採用しポリマーの連結を果たし転がり抵抗低減に加えウェットグリップの向上も実現。センターリブの両サイドに配置されるブロック構造を踏襲し、エネルギーロスの低減へ貢献。
ECONEX として「ECO-2+」同様環境面に優れたエコ製品の主張を展開。しかし同列に複数展開するのは混乱する。その結果「ECO-2+」はコンフォートへ、そして「NA-1」はスタンダードレベルでエコを求める。当然差別化は価格。
HIFLY
転がり抵抗低減による低燃費性能を強化しつつも、背反するトラクションの高さによりウェットでも安定感のある走りを実現する。剛性強化によりEV・ハイブリッド車などエコ性能重視のユーザーをターゲット。
ZEETEX
高度なスポーツを主張するよりエコとしての可能性を高める。コンフォートとして縦横に繊細なグルーブを刻むことから、静粛性と快適性を強く印象付ける。よって製品主張とはやや方向性が異なるもこの追及が的を射た捉え方になるかと。
コスト面だけが優位ではない。スタンダードとしてエコ性能へ拘る姿勢を強調。路面との接地性を最適化し転がり抵抗を低減、滑らかな走りを実現。偏摩耗の抑制も果たし、ロングライフ性能に優れた特性を示す。
MOMO
ハンドリングのダイレクト感と走りの安定性をアップデート。製造国を中国からインドネシアへ変更。ライフ性能や低燃費性能においては同様レベルを維持。しかし「M-2」がコンフォート寄りなのに対し「M-20」はスポーツ寄り。
RADAR
「RPX800」の後継。トレッド面におけるデザインは明らかに進化を遂げている。トラクション性能にも優れコーナリングの安定性が向上。快適な乗り心地にも更なる拘りを示す製品へアップグレード。
MINERVA
スタンダードの重複展開よりもコンフォートの可能性へ。左右非対称パターンを採用。4本の縦溝、3つのリブで構成。リブ横溝は長短のバランスを配し実に繊細。外側2本には異なる形状の縦溝が僅かな水膜に対する対応性を高める。
NITTO
従来品「NT420S」の後継。Nano Balance Technology を駆使した材料開発により転がり抵抗低減。ターゲットは大口径に履き替えてカスタマイズを楽しむ街乗りSUVの愛好家だという。従ってSUV専用のラグジュアリー低燃費タイヤを謳う。