第5回 峠を走る
NEXEN「N6000」の慣らしも終了し、本格的走行が可能になりましたので、今回はタイヤに負担の掛かる走行を実践すべく峠へ行ってきました。
峠と言っても永遠と続くワインディングというイメージではないのですが、かなりタイトなコーナーもあれば対向車とのすれ違いでスレスレな道幅もあり、更に勾配も急な箇所が存在し、タイヤのグリップを感じるにはそこそこの条件が整った場所です。
但し、山越えですがトンネルも開通し、往復の走行距離はそれほどではなく、ブレーキにも負担が掛かるような厳しい峠ではありません。
さて、早速待避所で準備を整え出発です。初めのうちはまっすぐな登りが続きます。間もなく道幅も狭くなり、小さなコーナーの連続です。対向車とのすれ違いでは、U字溝の蓋に片側のタイヤが乗り上げるほどですが、グリップの抜けなどはありません。
ここで右180度ターンするようなきついコーナーが迫ります。対向車もあり極端な走りはできませんが、登りでの切り替えしでもあり前輪へのグリップはかなり意識します。しかし、ズリズリと外側へ逃げるような感覚もなく、スムーズに抜けていきます。
更に道幅は狭く、ブラインドコーナーも連続、仕方なく低速でしばら走行すると、やがてRの大きい左コーナーが見えてきます。道幅は徐々に広がり、対向車とのすれ違いも問題がなさそうなので、一気に加速。登り勾配はまだ続いていますが、2速、3速、4速までシフトが繋がり速度も上がります。それまでとは違い、やや高いスピード域を維持したまま旋回していくイメージです。
NEXEN「N6000」装着後、始めて経験する速度域でのグリップに頼るような走りになりますが、タイヤが食いつくような感触は意外と高い印象です。やはり横のグリップはそこそこ期待できるレベルにあるのではないでしょうか。ただ、その際の乗り心地は、かなりゴツゴツした印象が残ります。
進むと、トンネルに入ります。前席両側の窓を3cm位開けて走行していますが、トンネル内でも強烈と言うようなノイズはありません。当然それなりの音は感じますが、アジアンタイヤとしては優秀と評価できる静粛性ではないでしょうか。
そのような走行を継続し、片道約20分くらいで峠を抜けました。次はUターンで同じ道を戻ります。復路は勾配のきつい下りが待っていますので、グリップとブレーキの双方を試すことができそうです。
結果、Rの大きいコーナーではスピードが乗ってきますので、早くからブレーキを意識しますが、スムーズな操作では十分余裕をもってスピードを落とすことができます。この際のグリップ感は、車が安定していますので、不安な感触を持つレベルにはありません。
そして、180度ターンするようなコーナーでは、その手前でややハードなブレーキングが必要です。しかし、効ききとは別に感触としてややルーズなイメージは払拭できません。実際には効いているのでしょうが、踏んだ分だけすばやく効くというようなレスポンスのイメージにややズレを感じます。この点は、当初から感じた点であり、個人的な感覚の問題なのかもしれません。
復路は往路とは逆に下りコーナーの連続ですが、危険性や不安感を強く感じることも無く無難な走行ができました。
走行を終えて感じることは、横のグリップ性能はかなり優秀な印象を持ちました。ステアリングに舵角がついた状態で徐々にスピードが上がっても、タイヤは追従してくれる印象です。ステアリングの切り替えしに対しての反応も、悪くはありません。
それに比較して、縦のグリップでは、特にハードなブレーキング時にはややもたつくような感触が残ります。また、高速コーナーでは路面により僅かですがはねるような感触があったのですが、これはハンドリングに特に影響するようなレベルではありません。
今回は、ややハードな走行も行いましたが、それによって大きなマイナス面を感じることもなく、無難な走行が実践できたと考えます。なお、装着後からの走行距離は280kmを越えました。次回は、雨、ウェット条件での走行を試したいと考えています。天候次第ですが・・・ つづく