スタッドレスタイヤとスノータイヤの違い

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 日本国内で冬に履く専用タイヤと言えばスタッドレスタイヤが一般的。しかし、スノー、ウインター、冬、スパイク、スタッド、そしてオールシーズンなどの各タイヤも存在します。これら様々なのはいったい何故? 違いは? また走りに対する影響がどれほどなのか興味あるところでは。果たしてどんなものなのか、個々に触れてみたいと思います。

(2018.8更新)

スタッドレス

 スタッドレスを定義するとこう。過酷な冬道でも滑りを抑え、安定した走行を実現します。柔らかいゴム等による性能特性はアイス路面、そして雪路でグリップ効果を発揮します。最近はドライ性能や低燃費、そしてライフ性能の向上が図られ、首都圏など非降雪地域でも装着が推奨されています。

スノー

 夏用に比べトレッド面(接地面)の凹凸を激しくし(ブロックを高く角ばるようにする)、雪道での抵抗が大きくなることで滑り難さを意識したのがスノータイヤ。しかし、素材は基本的に夏用と同じ、その為に冬の低温路面ではゴムが硬化し限界が低い。アイス路面はとても滑りやすい。夏用よりはマシかな、程度です。従ってチェーンも備えておく必要があったかと。

スパイク(スタッド)

 スパイク=スタッド(鋲)を指します。よって双方は同じと理解。スノータイヤがアイス路面に弱いことから、対策としてトレッド面にスタッド(鋲)を装填したもの。これにより効果を発揮することになります。

 しかし、雪や氷の無いドライ路面では、スタッド(鋲)が道路を削り粉塵公害が社会問題化しました。結果、国内では特別なケースを除いて使用禁止になっています。なおスタッドレスは、スタッド(鋲)がレス(無い)を意味します。

オールシーズン

 夏・冬用の性能を兼ね備えた全天候型であるオールウェザー、いやオールシーズンというのが一般的。特殊コンパウンドとトレッドパターンは季節を問わず多彩な路面コンディションに対応します。冬の浅雪程度なら走行可能なのが最大主張点。年間を通して季節や路面を選ばない、履き替えなしで走行可能であり新たなカテゴリーに括られます。

 またSUV/4×4等には、M+S(マッド&スノー)が表示され形式的にはオフロードは勿論、雪道でも走れる性能を持った製品が見られます。特にオフロード用となるM/Tなら、溝が太く深いしゴツゴツしたブロック構成で排泥性に優れることから、雪道でも行けるのでは。

 実際メーカーでは、浅雪での性能に配慮した、としています。但し、冬性能に特化した製品ではない為に、アイス路や雪路を走行する際は必要に応じてチェーン等の装着を求めています。一応エマージェンシーレベルでは何とか走行可能と捉えるべきで、厳しい雪道走行には向いていない。M.S、M&S、M/Sなどとも表示されます。

ウインター(冬)

 ウインタータイヤは、冬場の氷雪路でも安全に走行が出来るよう造られた冬専用の総称です。なのでスタッドレス、スノー、スパイク等は、ウインタータイヤのひとつと言えます。オールシーズンはこれとは別、新たな括りを謳います。

まとめ

  タイヤの構成図