ピレリ　ＩＣＥＳＴＯＲＭ^３。スタッドレスタイヤの特徴について。

　ピレリ「ＩＣＥＳＴＯＲＭ^３」（アイスストーム　キューブ）は、ヨーロッパのメーカーであるピレリが、日本の雪質を研究し開発した日本向けのスタッドレスタイヤです。特に、アイスバーンでの性能強化を謳っているのが特徴とされています。

　このタイヤの性能について確認していきます。

　ピレリ「ＩＣＥＳＴＯＲＭ^３」は、トレッドコンパウンドに「第二世代吸水ナチュラルファイバー」を採用しています。これは「吸水ナチュラルファイバー」が進化し、コンパウンドに配合されることで、アイスバーンの水膜をより強力に吸水しタイヤ表面をアイスバーンに密着させ滑りを抑えるそうです。

　また、コンパウンドには超微粒子スパイクの「マイクロスタッド�U」も配合し、引っかき効果を発揮することでグリップの向上が訴えられています。

　更に、「ＮＥＷシリカ６」は、温度変化により変わるゴムの硬度を抑制し、低温時でも柔軟性を継続することで氷雪路での安全性を維持します。

　ピレリタイヤ従来の技術も継続され、氷雪路でのブロックの動きを最適化する「サイピング」はそのひとつで、ブロックに多くそして深く刻まれています。ドライ路面での腰砕け感も解消されており、高速走行での安定感も十分持ち合わせているようです。

　ピレリ「ＩＣＥＳＴＯＲＭ^３」の評価は、このタイヤの販売数からするとそれ程の高性能さをなかなか実感できていないのですが、ピレリタイヤが開発に当たって国内の雪質を研究していることは評価に値します。

　販売数は別としても、タイヤ先進メーカーであるピレリが、ヨーロッパ以外の日本でタイヤ開発をすることは、本来彼らのプライドが許さないと勝手に考えていたので、意外、そして驚きです。

　実際、ヨーロッパと日本では雪質は異なると言われており、特に日本ではその地域により様々な路面状況が想定されます。そのようなユーザーに目を向けられたことは、期待感が持てると考えています。

　但し、一部ではややスタッドレスタイヤとしてはトレッド面のブロック剛性に硬さを感じることがあり、アイスバーンでの効きに心もとなさがあるという声を耳にしました。

　このことは、ドライ路面ではプラスに作用し、スタッドレスタイヤ特有のふにゃふにゃ感は解消され、意外な快適さが感じられるケースもあるようですが。

　ピレリ「ＩＣＥＳＴＯＲＭ^３」は、軽自動車やコンパクトカーから大型のヨーロッパ車まで推奨されており、一味違うタイヤ性能を求める人にはお勧めかもしれません。