スタッドレスタイヤ効果の限界を判断する(新品交換への目安)

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 一般にスタッドレスの使用限界、そう新品へ交換する目安は、溝の摩耗とゴムの劣化で判断します。

 トレッド面(接地面)の溝が 50% 以上摩耗していた場合に機能は著しく低下します。

 またゴムの硬化によってもやはり効きの低下が見られます。目安はまず3年、以降は都度判断します。いずれも一定基準でタイヤとしての限界、新品交換の必要性が求められます。

(2017.9更新)

それぞれの役割

 アイス路ではタイヤとアイスの間に発生する水膜除去が重要です。その後に路面へ密着し高度な効きを実現します。アイス路には微細な凹凸が見られ、柔らかいゴムにより密着が可能です。

 またトレッド面にはブロックが配置され太く深い溝を形成します。ブロックには細溝(サイプ)が刻まれ、これらのエッジがアイス路を引っ掻くことで効きを実現します。

 一方雪路では、タイヤが雪を掴む、放すの一連の工程となる雪中せん断力に委ねます。雪を踏み固めて掴む、そして排雪(掴んだ雪を放す)する一連の動きです。ここでも溝と柔らかいゴムにより掴む・放すがスムーズになり、雪路でのグリップ効果を生み出すことが出来るのです。

残溝は50%以上

 このようにスタッドレスには冬の道を安全、快適に走行出来るよう、様々な効果を発揮する技術が搭載されています。しかし、性能を最大限発揮するには溝が新品時の 50% は最低限必要であり、逆にそれ以下では効果の低下を招いてしまいます。

3年を目安

 更には夏タイヤと比較して柔らかいゴム、こちらも延々維持されるものではありません。経年による劣化でゴムは硬化し密着を初めとする様々な効きが低下、ひび割れ等クラックの発生ではタイヤ寿命へ影響します。

 その為にトレッド面が 50% 以上摩耗していなくても 3年 ぐらいを限度の目安にした方がいいのでは。但し、それ以上でも使えるケースがあるのでその都度チェックした上で判断したい。

摩耗チェック

 スタッドレスの溝の磨耗限界を知らせるのが プラットフォーム です。プラットフォーム は、新品時には隠れていますが摩耗するにつれ露出します。露出した時が摩耗 50% に達したことになり、冬用タイヤとして使用することが出来なくなります。

 新品のスタッドレスタイヤの溝は約8mm ~ 10mmですので、プラットフォーム が露出した時は約4mm ~ 5mmと考えられます。もしこの状態で走行した場合、氷雪路やシャーベットでのブレーキ性能悪化やスリップの可能性が高まります。

 なお、スタッドレスにも夏タイヤ同様 スリップサイン が付いています。夏タイヤとしての使用は可能ということながら、夏場使用はお勧めしませんね。それに関しては スタッドレスタイヤ夏場の使用は危険! で詳しく書いています。

プラットフォームを示す矢印

プラットフォームの位置を示す矢印。タイヤサイド部に4~6ヵ所あり。

矢印とプラットフォーム

位置を示す矢印とプラットフォームの位置関係。

プラットフォーム

プラットフォーム

 なお、スタッドレスタイヤの経年によるゴムの劣化はその保管方法によっても異なります。詳しくは スタッドレスタイヤの保管 で確認して欲しい。