2014タイヤ新製品情報
- ダンロップ SP SPORT MAXX 050 NEO(2014.11.19発売)
- グッドイヤー EAGLE RS Sport R3-SPEC(2014.9.19発売)
- ミシュラン LATITUDE Sport3サイズ拡大(2014.10.1発売予定)
- トーヨー PROXES CIS SPEC-a(2014.9.12発売)
- ダンロップ エナセーブ NEXT(2014.9.8発売)
- コンチネンタル スタッドレスタイヤ「ContiVikingContact6」(2014.9.1発売)
- コンチネンタル Conti.eContact
- ヨコハマ 北海道限定スタッドレス「iceGUARD Evolution iG01」サイズ拡大(2014.10発売予定)
- グッドイヤー EfficientGrip Performance(2014.9.1発売)
- ブリヂストン SUV/4×4スタッドレス「BLIZZAK DM-V2」(2014.9.1発売)
- トーヨー スタッドレス「OBSERVE GARIT GIZ」(2014.8.1発売)
- ピレリ スタッドレス「ICE ASIMMETRICO」(2014.7発売)
- グッドイヤー SUV/4×4スタッドレス「ICE NAVI SUV」(2014.8.1発売)
- ファルケン ZIEX ZE914(2014.8発売)
- ブリヂストン ECOPIA EX20C TYPE H(2014.7.15発売)
- グッドイヤー WRANGLER ALL-TERRAIN ADVENTURE with Kevlar(2014.6発売)
- ブリヂストン POTENZA RE11-A 4.0(2014.6.6発売)
- ダンロップ DIREZZA ZⅡ★β(2014.4.24発売)
- ブリヂストン スタッドレス「BLIZZAK NV ologic」(2014.4.5発売)
- ミシュラン Pilot Sport Cup2(2014.5.1発売)
- GAZOO Racing 86/BRZ Race用タイヤ
- ヨコハマ ADVAN A08B(2014.3.22発売)
- ミシュラン LATITUDE Sport3(2014.5発売)
- ブリヂストン ECOPIA EX20シリーズ(2014.3.1発売)
- ダンロップ DIREZZA ZⅡ★(2014.2発売)
- ダンロップ DIREZZA DZ102(2014.2発売)
- ダンロップ GRANDTREK PT3(2014.3発売)
- ブリヂストン POTENZA Adrenalin RE002(2014.2.1発売)
- ブリヂストン DUELER H/L 850(2014.2.1発売)
- トーヨー TRANPATH mpZ(2014.2.14発売予定)
- トーヨー TRANPATH LuⅡ(2014.1.14発売)
- トーヨー TRANPATH LuK(2014.3.14発売)
- グッドイヤー EAGLE RVF(2014.2.1発売)
- ダンロップ エナセーブ EC203(2014.2発売)
- ヨコハマ BluEarth AE-01F(2014.2.1発売)
ダンロップ SP SPORT MAXX 050 NEO
ダンロップの住友ゴムでは、プレミアムランフラットタイヤ「SP SPORT MAXX 050 NEO」を発表しています。タイヤ製造技術で超高精度を追及した次世代新工法「NEO-T01」と新材料開発技術「4D NANO DESIGN」により製造したタイヤだという。
「NEO-T01」とは3つの技術を用いた工法を指します。「メタルコア工法」は、実際のタイヤ内側の形状をした金属の成形フォーマー(メタルコア)に、タイヤの各部材を貼り付けていく工法です。「全自動連結コントロール」は、部材の生成・加工・貼り付けに至るまで1/100ミリ単位のコンピュータ制御システムによってコントロールします。そして新たに強靭な素材を補強部材とした「高剛性構造」です。
「4D NANO DESIGN」は新材料開発技術です。ナノレベルで材料シミュレーションと解析を行い、タイヤ性能を向上させるために素材を自在にコントロールすることが可能です。
これにより「SP SPORT MAXX 050 NEO」は、ランフラットでありながら真円性の向上と最適化されたサイド剛性により、振動と衝撃を低減し上質な乗り心地を実現します。またタイヤ回転時の形状変化抑制に加えて、ブロック剛性を高めた新パターンにより、優れた走行安定性を図ります。路面との密着性と排水性を向上しウェットグリップ性能を高め、タイヤの軽量化によって材料使用量を削減し環境性能にも貢献します。
ランフラットタイヤは、空気圧がゼロになっても所定のスピードで一定距離を走行できるタイヤです。しかしながらサイド形状の剛性を高めることは、乗り心地の悪化や運転性能への影響が課題として残ります。この対応を高次元で可能としたのが「SP SPORT MAXX 050 NEO」なのでは。
発売サイズは、245/45RF18 96Y、275/40RF18 99Y (12月発売)。発売時期は、2014年11月19日から。
グッドイヤー EAGLE RS Sport R3-SPEC
またGAZOO Racing 86&BRZ Raceで使用できるタイヤが発売になります。グッドイヤーでは「EAGLE RS Sport R3-SPEC(イーグル アールエス スポーツ アールスリースペック)」を発表しました。
ベースとなるのは同社のスポーツタイヤ「EAGLE RS Sport」です。走行直後からグリップ力を発揮し、高熱になってもその性能を継続することが可能。また、高出力、高速度に対応し高いコントロール性能とハンドリング性能の実現を謳っています。
そしてドライ路面での運動性能を更に進化させたのが今回の特徴です。パターン改良により、高速走行時の優れた操縦安定性を実現させ、新開発の専用コンパウンドによりドライ路面において高いグリップ性能を発揮します。
グッドイヤーはGAZOO Racing 86&BRZ Race向けに「EAGLE RS Sport R-SPEC」を発売しています。しかし、苦戦での巻き返しを図ったのでしょう。現在このレースではヨコハマの「ADVAN A08B」が有利な展開です。各社改良によりその上を行くタイヤの発売に躍起です。タイヤ戦争がこんなところで見られるとは非常に面白い。
発売サイズは、205/55R16 91V の1サイズ。発売時期は、2014年9月19日から。
ミシュラン LATITUDE Sport3サイズ拡大
SUVタイヤとして初めて国内ラベリング制度に対応しているというミシュラン「LATITUDE Sport3」、転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「b」を達成し、19インチから20インチの計6サイズで発売が開始されました。
そして今回新たに18インチから21インチまでの8サイズが追加され、全15サイズ(1サイズ低燃費タイヤではない:低燃費タイヤ14サイズ)での展開が可能となりました。追加サイズの発売は、2014年10月1日より。
ミシュラン「LATITUDE Sport3」の詳細はこちら
トーヨー PROXES CIS SPEC-a
トーヨーでは、プレミアムコンフォートの「PROXES CIS」を低燃費タイヤ化した「PROXES CIS SPEC-a(プロクセス・シーワンエス スペック エー)」を発表しています。
「PROXES CIS」は2009年発売です。静粛性、乗り心地そして高速での安定性を強調した高位のタイヤとしてラインアップされています。しかし、低燃費タイヤ主流の中でその特徴は活かせず、やや時代に取り残されたイメージが払拭できませんでした。
今回は低燃費タイヤへの進化が最大の主張点になるかと。そして元来備える静粛性、乗り心地、高速での安定性継承も引き続き訴えることになります。ただラベリング制度は転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「a」、いわゆる「A/a」がグレーディングであり、「AAA/a」が最高となる中では決して高位の印象は受けません。
しかし進化レベルを見ると、材料設計基盤技術「Nano Balance Technology」によるトレッドコンパウンドに「スーパーアクティブポリマー」を採用、タイヤ構造でも「スーパーハイターンアップ構造」と「スリムボディ」を実現し、転がり抵抗を従来品比較で15%も低減しているというから凄い。ウェットグリップ性能においても、スーパーグリップポリマーを採用し、ウェット制動距離を従来品比較で12%短縮しています。
「AAA/a」の達成には相反する性能を高度に共存させる必要から、技術達成の難しさがあります。トータル性能への拘りに十分な在り方が見出せず、プレミアムコンフォートへの導入は実現していません。それよりも転がり抵抗はスタンダードに抑えながらも、拘る静粛性や快適性、そして安定性への導きが高レベルで導入出来る現実を優先させる傾向にあります。これはこれでカテゴリーの特徴として十分な可能性を見出しています。
気になるのは発売サイズです。ターゲットがどの辺りになるのかそこが焦点となりそう。
発売サイズは、225/55R17 101W ~ 245/40R19 98W までの8サイズ。発売時期は、2014年9月12日から。
ダンロップ エナセーブ NEXT
ダンロップの住友ゴムでは、「50%転がり抵抗低減タイヤ」として2008年から開発をスタートし、ラベリング制度で転がり抵抗係数「AAA」、ウエットグリップ性能「a」を実現したエナセーブのフラッグシップ低燃費タイヤ「エナセーブ NEXT」を発表しました。
「エナセーブ NEXT」は、2008年から開発を開始し、2013年の東京モーターショーでプロトタイプとして公開しました。新材料開発技術「4D NANO DESIGN」により、天然ゴム中の不純物を除去した高純度天然ゴム「UPNR(Ultra Pure Natural Rubber)」を開発、通常よりカーボンとの結合が強い為に優れた低燃費性能を発揮します。同様にポリマーとカーボンをより強く結合させる「新カーボンカップリング剤」は、不要な発熱を抑制しています。
一方ウェットブレーキ性能は、大きなひずみがかかった時のポリマーの柔軟性を高める補強剤「ウェットグリップパウダー」をシリカと併用、路面の凹凸との接地面積を増大させ、ウェット性能を向上させています。
従来品比較では、転がり抵抗を2008年当時と比較して50%低減しました。また「AAA/c」である「エナセーブ PREMIUM」とは10%の低減、ウェットブレーキ性能は10%の向上を果たしています。「AAA/a」は現在のラベリング制度で最高グレーディング、ようやくブリヂストン、ヨコハマ、トーヨーと同列になりました。
発売サイズは、195/65R15 91H の1サイズ。発売時期は、2014年9月8日から。
コンチネンタル スタッドレスタイヤ「ContiVikingContact6」
コンチネンタルでは、「ESC(横滑り防止装置)」対応を謳うプレミアムスタッドレスタイヤ「ContiVikingContact5」の後継となる、「ContiVikingContact6(コンチ・バイキング・コンタクト・シックス)」を発表しています。
「ESC」対応とは、アンダーステア、オーバーステアによりESCが作動した時、トレッド面のブロックとサイプが最適に配置されたIN側とOUT側によって、期待性能を最大限に発揮できる特徴を備えます。
「ContiVikingContact6」では、この高度な「ESC」対応性能を踏襲し、スノー、アイス、ドライを兼ね備えたDTTテクノロジーの採用によって、相反する性能を両立しています。転がり抵抗低減や耐磨耗性も向上し、より高度な次元で実現します。
最近の傾向であるアイス性能の飛躍的向上には、滑りの主因となる水膜に拘り、3Dサイプテクノロジーを採用し、ミクロの世界で液体層を減少させる「ワイパー」効果によって実現しています。同時にブロックのたわみを抑え、有効な接地エリアを確保しアイスグリップを発揮します。
また、乗用車およびSUV/4×4に乗るドライバーの多くは、似通った使用環境で走行していることから、乗用車仕様とSUV仕様をひとつの製品ラインに統合し、コンセプトとテクノロジーを共用しています。
発売サイズは、175/65R14 82T ~ 275/40R20 106T XL の全67サイズ。発売時期は、2014年9月1日より順次。
コンチネンタル Conti.eContact
コンチネンタルでは、欧州ラベリング制度で転がり抵抗「A」、ウェットグリップ性能「A」の「Conti.eContact」を発表しています。同製品は、2011年に販売した電気自動車向けタイヤ「Conti.eContact」に新たな改良を施し、ハイブリッド車対応としたものです。
欧州ラベリング制度は、転がり抵抗とウェットグリップ性能、そして騒音の3項目の表示が義務化されています。転がり抵抗とウェットグリップ性能は7グレーディング、騒音レベルは3グレーディングに区枠され、ここで示される「A/A」レベルは各最高のグレーディングとなります。国内とは表示意味が少し異なります。
従来品比較では、転がり抵抗は20%程低減され、ウェットブレーキング性能は同様を示します。フィラー粒子とポリマーの内部摩擦が従来のコンパウンドに比較して、小さくなるように作られているのが大きな要因だという。
サイドウォールにも改良が施され、タイヤに歪む力が加わってから復元するまでのエネルギー消費が少なくなっています。乱気流の発生が少なく、空気抵抗がエネルギー消費にもたらす影響も少ないのです。
ウェットでは、ブロック内に特別に構成されたツインサイプが「ワイパー効果」を生み出し、接地面に発生する薄い水膜を細分化、トレッド面と路面に生れる水膜を速やかに取り除きます。
国内導入等やや詳細不明ながら、コンチネンタルの意欲がハイブリッドへ向けられたことは市場意識への高まりではないでしょうか。
参考適合車種は以下の通りです。
215/55R17 98V XL (Opel Ampera)
225/50R17 98V XL (Citroen DS 5 Hybrid / Peugeot 3008 Hybrid)
225/55R17 101W XL (BMW ActiveHybrid 5 / Peugeot 508 Hybrid)
235/50R18 101V XL (Lexsus LS 600h)
235/60R18 107V XL (Lexsus RX 450h)
255/55R18 109W XL (Porsche Cayenne S Hybrid / VW Touareg Hybrid)
ヨコハマ 北海道限定スタッドレス「iceGUARD Evolution iG01」サイズ拡大
ヨコハマでは、昨年10月に北海道限定で発売した、氷上性能に特化した乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD Evolution iG01(アイスガード エボリューション アイジーゼロイチ)」のサイズ拡大を発表しています。
追加サイズは、軽カー向けの155/65R14 75Qと、ミニバンなど多くのクルマに装着されている215/60R16 95Qの2サイズです。これまでの195/65R15 91Q の1サイズ合わせ全3サイズとなり、北海道限定で販売します。追加2サイズの発売時期は、2014年10月から。
「iceGUARD Evolution iG01」の特徴を今一度確認しておきましょう。氷上性能特化への導きは突出した先進技術の投入です。「iceGUARD 5」の「スーパー吸水ゴム」を進化させ、氷上でのタイヤが滑る原因となる薄い水膜を吸水する「新マイクロ吸水バルーン」を約1.5倍に増量しています。
吸水効果を補完する従来の「吸水ホワイトゲル」を最大30倍に大きくした「エボ吸水ホワイトゲル」を開発し、水膜の吸水力を飛躍的に向上させました。更には、氷路面への接地性を高める「シームレスブロック」や優れたエッジ効果を発揮する「ジグザグメイングルーブ」など新技術を搭載した新トレッドパターンを採用しています。
これによる効果は、「iceGUARD 5」と比較して、氷上制動性能を20%、氷上コーナリング性能を12%高めているという、正に氷上性能に特化したことが窺い知れます。
他メーカーでも同様の対応がなされています。実際その性能は相当凄いという、これまでのスタッドレスタイヤの次元を超えるのでは。しかし、効き過ぎることでの弊害、そう耐久性などに問題があるとも言われ全国展開には及んでいません。これ残念です。問題の解決により全国展開されることが望まれます。
グッドイヤー EfficientGrip Performance
グッドイヤーでは、欧州グッドイヤーの「EfficientGrip Performance(エフィシエントグリップ パフォーマンス)」の国内販売を発表しています。
「EfficientGrip Performance」は、グッドイヤー ルクセンブルグ テクニカルセンターで開発された商品です。先行販売する欧州では、輸入車ユーザーそしてハイブリッド車ユーザーもターゲットにしています。低燃費性能、ウェット性能、そして操縦安定性を強烈に訴えます。
今回の導入では国内低燃費タイヤの規定を満たしています。ラベリング制度の転がり抵抗係数は「AA」(一部「A」)、ウェットグリップ性能は「a」を実現しています。注目はウェットグリップ性能でしょう。最高グレーディング「a」は高く評価したい。
テクノロジーの主張は、グッドイヤーが誇るハイブリッドテクノロジー第四世代である「G4」の搭載です。G4とは、①トレッドコントロール ②アクティブブレーキング ③フューエルセービング ④ノイズフレンドリー ⑤New パターン ⑥ロングライフ の技術総称です。
特にローリング・レジスタンス・コンパウンドと、ウェット・パフォーマンス・コンパウンドのプラス効果による、転がり抵抗低減とウェットグリップのバランス性能実現は、最も主張するところです。
これにプラスして、発熱しやすいトレッド~ショルダー~ビード部へは、発熱を抑える新素材クールクッションレイヤー2と新チェーファーコンパウンドを採用し、転がり抵抗低減への貢献を実現させています。
安全性の主張となるブレーキングには、ブロックの接地面積を増大させる3次元ブロックデザインを採用し、制動距離の短縮を向上させています。など、かなり複雑化した先進テクノロジーを採用し、欧州は勿論のこと日本国内での低燃費タイヤ規定にも沿うよう配慮されたタイヤです。
現時点でカテゴリー配置はいまひとつはっきりしません。先に同商品のランフラットタイヤがベンツの新型「Cクラス」に採用されたことを考慮すれば、プレミアムコンフォートタイヤへのポジショニングが適していると判断できます。
現在のラインップでは「EAGLE LS PREMIUM」が存在しています。これ低燃費タイヤの規定は満たしていないのが痛い。よって併売によりカテゴリーの主張性向上を図るという施策も考えらます。いずれにしても、今後明確化されるでしょうから、最適なポジションでの掲載を検討します。
発売サイズは、245/40R18 97W XL ~ 195/65R15 91V までの23サイズ。発売時期は、2014年9月1日から。
ブリヂストン SUV/4×4スタッドレスタイヤ「BLIZZAK DM-V2」
ブリヂストンでは、SUV/4×4専用スタッドレスタイヤ「BLIZZAK DM-V2(ブリザック ディーエム ブイツー)」を発表しています。スタッドレスタイヤブランド「BLIZZAK」の新商品として、氷路面での滑りにくさ向上を謳います。
氷路面でタイヤが滑る原因は、氷の表面に存在する水膜によりタイヤと路面の密着が妨げられてしまうからです。「BLIZZAK DM-V2」は、乗用車用スタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX」で評価を得た「アクティブ発泡ゴム」を採用し、この性能向上を図っています。
「アクティブ発泡ゴム」は、ゴム内部の水の通路の表面を親水性素材でコーティングし、そこに水膜が流れ込みやすくして、効率的に取り除くことを実現したもの。これにより、タイヤが氷路面にしっかりと密着し、氷上でのグリップ力を大幅に高めます。
また、サイプ(細溝)の切れ込みを断面途中で3次元にジグザグに変化させ、隙間には柱の役割を果たすブロックホームを搭載した「3Dホールドスクラムサイプ」、トレッド表面に刻まれた溝の交差するポイントを増やすことで、溝に取り込んだ雪を従来以上に強く押し固める「マルチグルーブ」を採用。
更に、ブレーキ時などタイヤに強い力がかかる状況でも、踏面部の各ブロックの倒れ込みを抑える技術を搭載、これら多彩な技術により主に接地面で発生するブレーキ力を高めます。
最新技術の搭載による従来品「BLIZZAK DM-V1」との比較では、優位性は明らかです。氷上制動距離で11%、ウェット制動距離で5%の短縮を実現しています。
乗用車用スタッドレス「BLIZZAK VRX」で得た評価は相当高い。この技術流用は「BLIZZAK DM-V2」において、かなりのアドバンテージを得ることになるのでは。
発売サイズは、235/55R20 102Q ~ 265/70R15 112Q までの31サイズ。発売時期は、2014年9月1日から。
トーヨー スタッドレスタイヤ「OBSERVE GARIT GIZ」
トーヨーでは、乗用車用スタッドレスタイヤ「OBSERVE GARIT GIZ(オブザーブ・ガリットギズ)」を発表しています。
同社が実施した消費者調査では、スタッドレスタイヤに求めるのは「凍った路面での走行性能」が79.7%と最も多く、「雪が積もった路面での走行性能」67.0%、「雪がシャーベット状になった路面での走行性能」62.0%と続いたという。
このことから「OBSERVE GARIT GIZ」は、凍結路面での性能確保の為に、氷の表面に出来るミクロ単位の水膜にどう対処するかを追求点としました。フォーカスポイントに対しては、パターン設計からアプローチを開始。「NEO吸着ナノゲルゴム」をトレッドコンパウンドへ導入、トレッドパターンは「新吸着3Dサイプ」、「コンビネーションブロック」を採用し、吸水・密着・ひっかきの3大効果を訴えます。
また、雪路からシャーベットに至る路面変化に対しては、センター付近からショルダーに通じる「連通スリット」(横溝)の容積を増加させ、排水・排雪性能が向上しています。ブロック剛性を維持したままサイプ本数を増やすことが可能とした「小振幅3Dグリップサイプ」は、アイス性能とドライ・ウェット性能両立を謳います。
素材には天然由来の「NEO吸水カーボニックセル」と、従来からの「鬼クルミの殻」を採用し環境にも配慮しています。従来品比較では「GARIT G5」に比較して、アイス性能が10%、アイスコーナリング性能が14%向上しています。
新商品名「OBSERVE GARIT GIZ」の「GIZ」は、「グリップのG」「アイスのI」「究極をめざすZ」から創った造語だそう。それよりも「OBSERVE」ブランドの復活でしょう。既に昨シーズンSUVスタッドレスタイヤ「OBSERVE GSi-5」が発売になっており、トーヨーでは過去の名称である「OBSERVE」へ復帰すること本気のようですね。
発売サイズは、225/45R18 91Q ~ 135/80R13 70Q の64サイズ。発売時期は、2014年8月1日から。
ピレリ スタッドレスタイヤ「ICE ASIMMETRICO」
ピレリでは、スタッドレスタイヤ「ICE ASIMMETRICO(アイス・アシンメトリコ)」を発表しました。ドライビングの正確性および、危険を伴う氷雪路面における安全性を訴え、日本の厳しい冬のニーズに対応し、ピレリのDNAである「パワーとコントロール」をコンセプトにしています。
「ICE ASIMMETRICO」は、コンパクトカー、ミディアム/ハイ・インターミディエイト・カー、SUVに向けてのターゲットを示します。SUVに対してはやや明確化していませんが、それでもコンパクトーカーからプレミアムカーまでのフォローが期待されます。
スタッドレスタイヤにおいて、最も注目されるのはやはりアイス性能です。ピレリはこれまで標準的評価に終始していた点です。新製品による技術進化は注目されるところです。
ピレリはまず接地面への拘りを示します。当然ブロックとサイプ(細溝)、そしてコンパウンドへの構造が主張されるかと。具体的には「ソフトコアブロック」と「3Dバタフライサイプ」、そして「デュラ・フレキシィコンパウンド」がそれに該当します。ブロックの交互作用は増し、エッジ部の接地圧を高め接地面積を拡大。コンパウンドはタイヤの柔軟性を保持し、タイヤ寿命を通じて氷上での性能を維持します。
雪路では雪を掴んでしっかりグリップさせる「スノートラップ」が新たに採用されました。特別設計の浅溝サイプは使用初期からエッジ効果を発揮します。また夏タイヤ並みのドライ性能へも厳しい目が注がれます。この為に必要に応じて接地形状を調整する「エヴォキャビティ」を導入、都市部においてもタイヤノイズの低減や高いコンフォート性能を実現しています。
「P Zero」シリーズで認知されたピレリ伝統の非対称パターンを継承し、スタッドレスタイヤに新たに採用したこと、「ICE ASIMMETRICO」への注力を感じさせるものです。ピレリは市場のニーズを確認する為、2013-2014シーズンに日本市場で205/55R16の「ICE ASIMMETRICO」をテスト販売しています。その結果を受けての今シーズンの本格販売です。同製品はアジア・パシフィック市場向けのタイヤでもあります。
発売サイズは、乗用車用が225/45R18XL ~ 155/65R13 までの28サイズ。SUV用が235/60R18XL ~ 225/65R17 の3サイズ。他にランフラットが4サイズ。発売時期は、2014年7月から順次。
グッドイヤー SUV/4×4スタッドレスタイヤ「ICE NAVI SUV」
グッドイヤーでは、SUVスタッドレスタイヤ「ICE NAVI SUV」を発表しています。従来品「WRANGLER IP/N」の実質的な後継になるかと。
「ICE NAVI SUV」は、同社SUVスタッドレスタイヤ史上最高の氷上性能と、高い操縦安定性を謳います。冬のドライ路面でも安定性した走行に自信を示します。名称は「WRANGLER」ブランドからは決別し、乗用車用の「ICE NAVI」へスイッチです。
このことは乗用車用「ICE NAVI 6」の技術投入を可能とし、市場ニーズにフィットした新コンセプトSUV用スタッドレスタイヤを大いに強調します。また「ICE NAVI SUV」の投入で新生「ICE NAVI」シリーズの完成です。
「ICE NAVI SUV」の特徴は、方向性なし、対称パターンの採用です。性能向上を果たしつつ、前後左右ローテーションを可能とし、ロングライフに貢献するという。しかも従来品比較での優位性は十分で、ランド比19%、エッジ成分32%アップにより、優れた氷上性能とドライ性能を実現しています。
タイヤ性能を個々に求めれば左右非対称パターンによる、IN・OUTの役割に頼るのがこれまでの考え方です。しかし、ローテーションへの制限があり均等磨耗への期待は半減します。これに対応した「ICE NAVI SUV」へは寿命への期待が増すことになります。
IN・OUTへの懸念は、柔軟性に優れ、発熱を抑制させる新コンパウンドに委ねます。また乗用車用スタッドレスタイヤで実績のあるNAVIブレードが採用され、パターンエッジのアップ、ブロックの倒れ込み抑制など、氷上、雪上、ドライでトータル性能向上を果たします。
現在、乗用車用スタッドレスタイヤの技術をSUVへ投入することは当然の在り方です。ブランド統一によるプラス効果は期待を感じさせるものです。
発売サイズは、全29サイズ。発売時期は、2014年8月1日から。
ファルケン ZIEX ZE914
ファルケンの住友ゴムでは、コンフォートタイヤにスポーツ色を加味した「ZIEX ZE914(ジークス ゼットイーキューイチヨン)」を発表しました。従来品「ZIEX ZE912」の後継となるのでは。
国内では縮小が進むファルケン、従来品「ZIEX ZE912」は人気維持を誇る唯一のタイヤです。主性能をコンフォートタイヤに位置付けながらも、運動性能への期待感を高め、コンパクトカー、セダン、ミニバンそして輸入車などを対象としています。その層毎に求められるニーズに応える器用さが受けています。
しかし、2008年2月発売から相応の年数が経過、しかも低燃費タイヤが主流となる現在のタイヤ事情ではやはり厳しさも感じられます。
そこで登場となった「ZIEX ZE914」、低燃費タイヤへ進化し期待の大きさが伺えます。ラベリング制度での転がり抵抗係数は「A」、ウェットグリップ性能は「c」です。控えめなグレーディングは、コンフォートながらスポーツを加味したこと。相反する性能をバランスした結果かと。
トレッドデザインは5リブ非対称パターンの採用です。IN側は溝の比率を多くすることで、排水性能を向上しています。OUT側はミドルリブの剛性を高め、コーナリング時の腰砕けを防止し、高重心、高荷重のミニバンに効果を示します。
気になる低燃費性能は、「シリカ用低発熱ポリマー」を採用し不要な発熱を抑制します。「ZIEX ZE912」との比較では転がり抵抗を27%低減しています。サイズ設定は50サイズとなり、この点も魅力です。2014年8月から順次発売で、サイズが整い完全販売となるには秋まで掛かる。なら実質来春へ向けられたものとなりそうです。
発売サイズは、185/60R14 82H ~ 265/35R18 97W の50サイズ。発売時期は、2014年8月から順次。
ブリヂストン ECOPIA EX20C TYPE H
ブリヂストンでは、「ECOPIA EX20シリーズ」に新たなラインアップとして、ハイト系軽カー専用低燃費タイヤ「ECOPIA EX20C TYPE H(エコピア イーエックスニーマルシー タイプ エイチ)」を追加しています。
現在の車事情で、ハイト系軽カー(背の高いタイプ)は人気があり、車高170cmを超えるスーパーハイト系も登場しています。これらはいわゆる一般のミニバンと比較して、トレッド幅に対し車高が高く、つまり縦に細長い形状となります。その為に横からの影響を受けやすく、ふらつきや偏磨耗が懸念されます。
「ECOPIA EX20シリーズ」には、軽・コンパクトカー専用として既に「ECOPIA EX20C」がラインアップされています。しかし、人気のハイト系軽カーは、ふらつきや偏磨耗などミニバンタイヤにも似た傾向が起こりやすく、これに対応する専用タイヤの装着が理想となります。
「ECOPIA EX20C TYPE H」は、新たに専用開発した「パワーサイド構造」を採用しサイド部の剛性を強化、街乗りから高速走行時まで様々な場面で車両のふらつきを抑制します。また街中での小回りや据え切りによる偏摩耗を抑えることで、タイヤの長寿命も意識しています。
更に独自の新タイヤ開発技術「ULTIMAT EYE」は、相反する性能である低燃費性能と、ウェット性能を高次元で両立しています。これによりラベリング制度での転がり抵抗係数は「A」、ウェットグリップ性能は「b」を実現しています。
ハイト系軽カー専用タイヤでは、トーヨー「TRANPATH LuK」が今シーズン当初から発売されています。ミニバン専用の「TRANPATH」シリーズにラインアップされ注目は高い。この分野における盛り上がりは予測されること、今後他メーカーの追随もあるのでは。
発売サイズは、155/65R14 75H ~ 165/55R15 75V の2サイズ。発売時期は、2014年7月15日から。
グッドイヤー WRANGLER ALL-TERRAIN ADVENTURE with Kevlar
グッドイヤーでは、オールテレーンタイヤ「WRANGLER ALL-TERRAIN ADVENTURE with Kevlar(ラングラー オールテレーン アドベンチャー ウィズ ケブラー)」を発表しています。
「WRANGLER ALL-TERRAIN ADVENTURE with Kevlar」は、米国デュポン社の高強度素材であるアラミド繊維「ケブラー」をバンド部分に採用したのが特徴。これにより強靭なトレッド構造を実現しています。
デュラウォール・サイドウォールコンパウンドは、外傷やカットに強くサイドウォールの強固さを訴えます。ショルダーブロックデザインは、サイドへ大きく台形型に開き、効率的に排泥し目詰まりを抑制、高いオフロードトラクション走行を発揮します。
ブロックにはギザギザに入れたスリットが、多方向にエッジ効果を発揮。「シリカ」配合によるトレッドコンパウンドと相まって、優れたウェットトラクションが期待されます。
強靭さをプラスしたことでオフロード走行時のダメージを低減、あらゆるステージで優れたトラクションを発揮し、安定した信頼性の高い走行性能を提供するという。
発売サイズは、31×10.50R15 LT 109RC ~ LT265/70R17 121SE の4サイズ。発売時期は、2014年6月から。
ブリヂストン POTENZA RE11-A 4.0
ブリヂストンでは、サーキット走行を中心に一般路走行まで可能とした「POTENZA RE11-A 4.0」を発表しています。
このシリーズは従来品「POTENZA RE11-A 2.0」が、3月に「POTENZA RE11-A 3.0」へ進化。そして今回更に「POTENZA RE11-A 4.0」へ再進化したものです。
いずれも発売サイズは205/55R16 91Vの1サイズ、ストリートタイヤを謳いながらもトヨタ86、スバルBRZのナンバー付車両によるJAF公認のワンメイクレース、「GAZOO Racing 86/BRZ Race」での装着を可能としています。実質このレース専用タイヤの位置付けが高いと想定されます。
今回の特徴は、高いブロック剛性と排水性の両立を図ったパタン及び新開発の専用ゴムを搭載しています。高速域での優れた操縦安定性とドライグリップ力を更に追求したハイグリップスポーツタイヤです。見た目にもSタイヤを彷彿させるスパルタンな雰囲気を演出しています。発売は2014年6月6日から。
2014年シーズンの「GAZOO Racing 86/BRZ Race」は既に3戦が終了しています。装着タイヤに目を向けると、実はタイヤ戦争の様相激しいのです。ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ、グッドイヤーの各メーカーが積極的発売をアピールしています。ブリヂストン同様短期間での進化を訴え、最新への移行をも強めています。
ここまではヨコハマの圧勝。開幕から3連勝、第3戦では表彰台を独占しています。今後ブリヂストンの巻き返しが図れるか注目されるところです。
ダンロップ DIREZZA ZⅡ★β
ダンロップの住友ゴムでは、2月に発売したスポーツタイヤ「DIREZZA ZⅡ★(STARSPEC)」をベースに、運動性能をより高めた「DIREZZA ZⅡ★α」を3月に発売しました。そして今回、ドライ路面での運動性能をより追求した「DIREZZA ZⅡ★β」を追加し、4月24日から発売しています。
「DIREZZA ZⅡ★α」はストリート用ながら「GAZOO Racing 86/BRZ Race」用タイヤとしての専用装着の役割が与えられています。これを更に進化させドライグリップを強調したのが「DIREZZA ZⅡ★β」になるかと。
「GAZOO Racing 86/BRZ Race」は、トヨタ86、スバルBRZのナンバー付車両によるJAF公認のワンメイクレースです。車両規定で使用タイヤは205/55R16が指定です。「DIREZZA ZⅡ★α」、「DIREZZA ZⅡ★β」共に205/55R16のワンサイズ設定です。
他メーカーでもこれに装着する専用性を持たせたタイヤが発売されています。このカテゴリーでのタイヤ戦争は激しい。限定的では有りますがスポーツタイヤ隆盛の流れは確実に来ていますね。
発売サイズは、205/55R16 91V の1サイズ。発売時期は、2014年4月24日から。
ブリヂストン スタッドレス「BLIZZAK NV ologic」
ブリヂストンでは、「低燃費」と「安全性」を高次元で両立したスタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic(ブリザック エヌブイ オロジック)」を発表しました。
「BLIZZAK NV ologic」は、低燃費と安全性の両立を謳う最新技術「ologic」を搭載しています。「ologic」とは、タイヤサイズをこれまでに無かった狭幅・大径化することで、低燃費と安全性を高次元で両立する同社の最新技術です。
今回発売されるサイズは、155/70R19 84Qの狭幅・大径化サイズです。タイヤの大径化により接地部分の変形を抑制、転がり抵抗を低減、狭幅化では走行時の空気抵抗も低減します。
また、実績ある「発泡ゴム」を搭載し、気泡と水路が滑りの原因となる氷上の「水膜」を取り除き、氷路面に密着、氷上での高いグリップ力を確保します。狭幅サイズ専用に最適化した新パタンは、雪氷路だけではなく、ドライやウェット路面でも高いグリップ力を確保するなど、冬の様々な路面環境で安全性を追求しています。
「ologic」は、昨年3月に狭幅・大径サイズ 「ラージ&ナローコンセプトタイヤ」として公表されました。そしてBMWのEV「i3」に新車装着タイヤ「ECOPIA EP500 ologic」として採用されています。
なお、「BLIZZAK NV ologic」は、2013-2014年シーズンには北欧向けとして展開されています。今回発表されたものと基本同じと考えますが・・
発売サイズは、155/70R19 84Q の1サイズ。発売時期は、2014年4月5日から。
ミシュラン Pilot Sport Cup2
ミシュランでは、UHPカー(ウルトラハイパフォーマンスカー:ポルシェ、フェラーリ、AMGなど)向けで、サーキットでのスポーツドライビングに特化した「Pilot Sport Cup2(パイロット スポーツ カップ 2)」を発表しました。従来品「Pilot Sport Cup」の後継と位置付けられます。
「Pilot Sport Cup2」は、従来品同様UHPカーをメインターゲットとし、サーキット走行でのタイムアップを主眼としながらも、一般公道で必要な性能は犠牲にしないタイヤであることを謳います。
今回の進化では耐久レースで培った最新技術の投入と、世界的UHPカーメーカーと開発初期の段階から共同開発を行い、高いトータルパフォーマンスを持った製品開発を実現させました。
耐久レースから誕生したテクノロジーは3つ、「バイ・コンパウンド」、「トラック・ロンジェビティ・テクノロジー 2.0」、「アクア ディープ グルーブ」です。
「バイ・コンパウンド」はトレッドのアウトサイドとインサイドで異なるコンパウンドを採用し、サーキットで高いパフォーマンスを発揮します。「トラック・ロンジェビティ・テクノロジー 2.0」はアウトサイドショルダー部に磨耗を抑制する補強材を採用し、サーキットでの耐久性・長寿命を実現します。そして「アクア ディープ グルーブ」は従来の「Pilot Sport Cup」に比べ+23%の深溝(5.4mm)を採用し、対ハイドロプレーニングに配慮します。
ターゲットから正直特殊タイヤという印象は強いかと。サイズ設定も全く一般的ではありません。しかし、UHPを極めたタイヤであることは違いなく、技術的フィードバックはその他タイヤへも期待できます。
発売サイズは、19インチ~21インチの計11サイズ。発売時期は、2014年5月1日から順次。
GAZOO Racing 86/BRZ Race用タイヤ
先日お伝えしたヨコハマのトヨタ86専用スペック(トヨタ86、スバルBRZ)向けストリートラジアルタイヤ、「ADVAN A08B」ですが、従来の専用スペックタイヤというより「GAZOO Racing 86/BRZ Race」用タイヤの意味合いが強そうです。
そして本日、このレースに使用できると思われるストリートスポーツタイヤが、各メーカーから一斉に発表されました。
ブリヂストン「POTENZA RE11-A 3.0」
ダンロップ「DIREZZA ZⅡ★ α」
グッドイヤー「EAGLE RS Sport R-SPEC」
いずれも205/55R16のワンサイズ設定です。
「GAZOO Racing 86/BRZ Race」は、ナンバー付のレース用車両トヨタ86「86Racing」、スバルBRZ「RA Racing」のいずれかと、国内Aライセンスがあれば参戦可能。トヨタ86、スバルBRZのナンバー付車両によるJAF公認のワンメイクレースです。
車両規定(タイヤ)を調べると、
1、タイヤサイズは205/55R16
2、使用するタイヤは全て同銘柄(左右非対称パターンを含む同一トレッドパターン)
・タイヤ接地面にタイヤを1周する連続した複数の縦溝を有していること。
ただし、縦溝のみを有したタイヤの使用は認められない。
・そして国内市販タイヤ
など。
この規定内でのタイヤが上述したタイヤとなるのでは。タイヤメーカーにより「GAZOO Racing 86/BRZ Race」での使用可能を謳うものもあれば、全く触れていないものもありますが。
昨シーズンのレースレポートを見ると、ブリヂストン「POTENZA RE11-A 2.0」なるタイヤが登場しており、このタイヤの装着が目立ちます。今回は「3.0」、進化でしょうから更なるパフォーマンスが期待されます。
ダンロップ「DIREZZA ZⅡ★ α」は、2月に発売となったばかりの「DIREZZA ZⅡ★」をベースに運動性能をより高めたとしています。
そしてグッドイヤー「EAGLE RS Sport R-SPEC」、専用コンパウンドの採用によりサーキット走行向けハイグリップタイヤを訴えます。グッドイヤーでも住友ゴムの関連で国内市販タイヤ扱いですね。
これにヨコハマ「ADVAN A08B」が加わるのですから、このレースでのタイヤ争いは熾烈です。
ヨコハマ ADVAN A08B
ヨコハマでは、トヨタ86専用スペック(トヨタ86、スバルBRZ)向けのストリートラジアルタイヤとして「ADVAN A08B(アドバン・エイ・ゼロハチ・ビー)」を発表しています。
「ADVAN A08B」は、「ADVAN」のハイパワー・プレミアムカー向けタイヤ「ADVAN Sport V105」と、「ADVAN」最強ストリートタイヤ「ADVAN NEOVA AD08R」のテクノロジーを応用して開発しました。高速域での優れた操縦安定性に加え、ドライ・ウェット性能を高次元で両立し、スポーツ走行を強く意識したストリートラジアルタイヤです。
2013年から開催されている、JAF公認のワンメイクレースである「GAZOO Racing 86/BRZ Race」のレギュレーションを満たしており、同レースでの使用も可能です。
トヨタ86専用スペックは、ブリヂストン、ダンロップ、グッドイヤーに次ぐものです。各社とも最強スポーツタイヤからの派生が当然と見られていましたが、ここに来て捉え方は多様性を感じさせます。絶対的グリップ性能追求か、それとも快適性への期待か。選択肢は多い方が良い。
なお、発売サイズは、205/55R16 91V の1サイズ。発売時期は、2014年3月22日から。
ミシュラン LATITUDE Sport3
ミシュランでは、SUV用スポーツタイヤとして「LATITUDE Sport3(ラティチュード スポーツ スリー)」を発表しています。発売サイズは18インチ~21インチ、2014年5月からの発売予定。
現在のところ詳細は発表されていません。予測すると、ミシュランの既存ラインアップでは「LATITUDE Sport」がSUV用スポーツタイヤとしてポジショニングされています。この後継と位置付けられるのでは?
名称からはスポーツタイヤ「Pilot Sport3」の影響を受けているかと。スポーツタイヤながら、耐磨耗性、静粛性、快適性、そしてウェット性能へ対応したのが「Pilot Sport3」です。SUVタイヤにとっては、スポーツタイヤ以上に耐磨耗性、静粛性、快適性、そしてウェット性能への拘りが求められるはず。このあたりのバランス性能に大きく関わっているような・・ 飽くまでも想像ですが。
今後詳細が発表されましたら追記でお伝えします。
ミシュラン「LATITUDE Sport3」に関して、詳細が発表されましたので追記でお伝えします。
驚くのは国内タイヤラベリング制度に対応していること。転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「b」を達成しています。今回の発売サイズは19インチから20インチの計6サイズ、全サイズが低燃費タイヤ対応という。
SUVタイヤカテゴリーで発売全サイズが低燃費タイヤなのは業界初となっています。全サイズどころか、SUVタイヤそのものが低燃費タイヤとしての規定を満たしているのも初では? 違ったかな・・
タイヤの特徴は転がり抵抗低減の実現がまずは知りたいところ。「バリアブル・シィックネス・サイプ」によってサイプ内にインターロッキングバンドを装備、トレッドブロックの変形を抑えエネルギーロスを減らし、低転がり抵抗を果たします。
また「コンティニュアス・セントラル・リブ」の採用は、連続したセンターリブ形状を取り入れ、ドライでもウェットでも安定した操縦性を実現し、ブレーキングや発進時のトルクをしっかりと路面に伝えます。
「SUVスポーツパワーコンパウンド」は、引っ張り強度の高い長寿命なエラストマーが加減速時にも破壊されず、耐磨耗性能が向上しロングライフ化を実現しています。
これら3つの特徴からはコンフォート系の印象強いのですが、ミシュランではスポーツSUVタイヤを謳っています。従って当初想像した通りの性能追及+低燃費がこのタイヤの特徴となりそうです。そしてミシュラン「満足保証プログラム」の対象商品となり、既存のSUVタイヤからの履き替えでも安心して購入検討を行う事が出来るとしています。
発売サイズは、315/35R20 110W XL ~ 255/50R19 107W XL の6サイズ。発売時期は、5月末より。
ブリヂストン ECOPIA EX20シリーズ
ブリヂストンでは、低燃費タイヤでありながら優れたウェット性能とロングライフ性能を誇る「ECOPIA EX20シリーズ」を発表しています。
「ECOPIA EX10」の実質後継となる「ECOPIA EX20シリーズ」は3つに派生し、セダン・クーペ専用の「ECOPIA EX20」、軽・コンパクトカー専用の「ECOPIA EX20C」、ミニバン専用の「ECOPIA EX20RV」から展開されます。
「ECOPIA EX10」は充実が進むコンフォートにポジショニングされています。この踏襲を経た場合、コンフォートを細分化し下位に相当するコンフォートスタンダードにポジショニングすることで、タイヤ特性の受け入れがスムーズになると考えます。
技術のシリーズ共通認識は、材料技術「NanoPro-Tech」により相反する性能である低燃費性能とウェット性能、耐磨耗性を高次元で達成する新コンパウンドを搭載しています。更に新タイヤ開発技術「ULTIMAT EYE(アルティメット アイ)」で設計した、踏面部のブロック剛性と排水性を最適化した新パタンと組み合わせることで、新コンパウンドのグリップ力を最大限に引き出すことを可能としています。
■「ECOPIA EX20」セダン・クーペ専用
・ラベリング制度の転がり抵抗係数は「A」「AA」、ウェットブレーキ性能は「a」「b」。
・「ECOPIA EX10」との比較では、転がり抵抗比較で同等、ウェットブレーキ比較で12%の短縮を実現。
発売サイズは、245/45R18 96W ~ 185/70R14 88S の19サイズ。発売時期は、2014年3月1日から順次。
■「ECOPIA EX20C」軽・コンパクトカー専用
・ラベリング制度の転がり抵抗係数は「A」、ウェットブレーキ性能は「b」。
・「ECOPIA EX10」との比較では、転がり抵抗比較で同等、ウェットブレーキ比較で11%の短縮、磨耗寿命比較で11%の向上を実現。
発売サイズは、185/55R16 83V ~ 145/80R13 75S の17サイズ。発売時期は、2014年3月1日から順次。
■「ECOPIA EX20RV」ミニバン専用
・ラベリング制度の転がり抵抗係数は「A」、ウェットブレーキ性能は「b」。
・「ECOPIA EX10」との比較では、転がり抵抗比較で8%の低減、ウェットブレーキ比較で10%の短縮。
発売サイズは、235/50R18 79W ~ 195/65R15 91H の10サイズ。発売時期は、2014年3月1日から順次。
ダンロップ DIREZZA ZⅡ★
ダンロップの住友ゴムでは、スポーツタイヤ「DIREZZA ZⅡ」の後継となる「DIREZZA ZⅡ★(STARSPEC)(ディレッツァ ズィーツー スタースペック)」を発表しています。
「DIREZZA ZⅡ★」は、ドライグリップ性能をさらに向上させ、サーキットでのラップタイム短縮を訴えます。サーキット走行で1周目、最速、平均のすべてのラップタイムを1.0%以上短縮させています。
この実現には、新材料開発技術「4D NANO DESIGN」で開発された新コンパウンドが大きな役割を果たしています。タイヤと路面の密着性を高め、走行初期から強力なグリップ性能を発揮するのです。
更に微粒子カーボン増量により発熱量を増加させ、MAXグリップを高めたことで、サーキットでのラップタイム短縮に繋がりました。また、ポリマー比率を最適化し高温特性を高め、耐熱ダレ性能も向上しています。
パターンデザイン、内部構造、プロファイルは従来品「DIREZZA ZⅡ」を継承、高次元の操縦安定性能を謳います。
これと同時にトヨタ86向けに専用構造を採用した「DIREZZA ZⅡ★86」も発売されます。
「DIREZZA ZⅡ」の発売は2012年でしたので、僅か2年で進化を果たしたことになります。更に「★(STARSPEC)」の名称を継承したことで、低燃費タイヤ一色のタイヤ事情でもスポーツタイヤへの拘りを明確に示したことになるのでは。
発売サイズは、「DIREZZA ZⅡ★」275/35R19 96W ~ 175/60R14 79H までの32サイズ。「DIREZZA ZⅡ★86」225/40R18 88W ~ 215/45R17 87W までの3サイズ。
発売時期は、「DIREZZA ZⅡ★」2月から、「DIREZZA ZⅡ★86」3月から。
ダンロップ DIREZZA DZ102
ダンロップの住友ゴムでは、「DIREZZA DZ101」の後継となる「DIREZZA DZ102(ディレッツァ ディーゼット イチマルニ)」を発表しています。
「DIREZZA DZ101」はスポーツタイヤで示されていますが、当サイトではスポーツコンフォートタイヤへポジショニングしています。従いまして新製品「DIREZZA DZ102」も同カテゴリーへ配置する予定です。
それにしても、フェードアウトの予感がしていた「DIREZZA DZ101」に後継が発売されるとは、個人的に非常にうれしい。ドライグリップへの拘りなら新製品「DIREZZA ZⅡ★」になるわけですが、「DIREZZA DZ102」へは従来品同様の程よいコンフォート性能も期待したいものです。
さて特徴ですが、まずはドライ&ウェット性能へ注目です。「DZ102専用コンパウンド」と「新パターン」を今回採用したことで、従来品よりドライブレーキ性能を3%、ウェットブレーキ性能を5%向上しています。
またトレッド部の剛性を高めた「新構造」と剛性分布を最適化した「新パターン」の採用で、耐磨耗性能は28%向上しています。そして注目するコンフォート性能は、セカンドブロックを一体化させた「新パターン」と、剛性を高めた「新構造」の採用により、騒音エネルギーを26%低減しています。
スポーツタイヤにも高次元の静粛性を搭載したことが「DIREZZA DZ102」の最大の特徴ですね。
発売サイズは、275/30R19 96W ~ 185/60R14 82H までの43サイズ。発売時期は、2014年2月から。
ダンロップ GRANDTREK PT3
ダンロップの住友ゴムでは、オンロード用のSUVタイヤ「GRANDTREK PT2」の後継となる「GRANDTREK PT3(グラントレック ピーティースリー)」を発表しています。
「GRANDTREK PT3」は、タイヤと路面の接地感を高めた「新パターン」とサイドウォール部を均一にたわませることの出来る「真円プロファイル」を採用し、操縦安定性能を18%向上しています。
また濡れた路面との密着力を高めながら発熱を抑えた「SUV専用低発熱密着ゴム」を採用し、従来品となる「GRANDTREK PT2」に比較して、ウェット性能を6%向上、転がり抵抗を11%低減しています。更に「M+S」仕様による深溝化とパターン剛性分布の最適化により、耐磨耗性能を35%向上しています。
「GRANDTREK PT2」は、オンロードでの高速安定性と高い静粛性、そして乗り心地を追及したSUVタイヤであることが謳われました。従来を大きく上回る性能を実現した「GRANDTREK PT3」へは更なる信頼性向上が期待されます。
特に低燃費への拘りと、耐磨耗性はSUVタイヤにおいても欠くことのできないものとなっています。モデルサイクルの比較的長いSUVタイヤは、新製品と従来品で性能差が相当大きい。今回のモデルチェンジでは数値からそれが伺えます。
発売サイズは、235/55R19 101V ~ 175/80R15 90S までの28サイズ。発売時期は、2014年3月から。
ブリヂストン POTENZA Adrenalin RE002
ブリヂストンでは、スポーツタイヤ「POTENZA Adrenalin RE002(ポテンザ アドレナリン アール・イー・ゼロ・ゼロ・ツー) 」の国内販売を発表しています。既にヨーロッパやアジアなど世界各地で発売されており、国内でも導入に至ったということです。
「POTENZA Adrenalin RE002」はスポーツタイヤカテゴリーにポジショニングされ、スポーツカーのみならず、セダンやクーペなどへの装着も可能としています。街中での快適性とスポーツ性能に対する要求を、底辺から支える懐の広いタイヤ性能を訴えます。
同社のスポーツタイヤは、プレミアムスポーツとして快適なクルージングのための静粛性と乗り心地を重視した「POTENZA S001」、サーキットでの限界性能を重視した「POTENZA RE-11A」がラインアップされています。
今回の導入は「POTENZA」ブランドの拡充を進め、多様性に優れたブランド構築が実現したことになります。
「POTENZA Adrenalin RE002」は、ドライ性能とウェット性能の両立を強調しています。トレッドデザインはスポーツタイヤらしいスパルタンさを備えています。これは3メイングルーブと呼ばれる特徴的な縦溝が演出しており、高いブロック剛性によるドライ性能と、モータースポーツから培ったウェット用タイヤの開発技術である波状のグルーブとのコンビネーションが、見た目以上の性能効果を発揮します。
発売サイズは、275/30R20 97W XL ~ 205/55R16 91W の16サイズ。発売時期は、2014年2月1日から。
ブリヂストン DUELER H/L 850
ブリヂストンでは、SUVタイヤ「DUELER H/L 850(デューラー エイチエル ハチゴーマル)」を発表しています。
「DUELER H/L 850」は「DUELER H/L 683」の後継になるかと。コンフォート性能に優れ、街乗りでの静粛性、操縦安定性が謳われた「DUELER H/L 683」の基本コンセプトを踏襲し、更なる静粛性と低燃費性能の向上を謳います。
今回の「DUELER H/L 850」は、SUVのオンロード向けに開発され、ブロック剛性を最適化し音の発生を抑制する新パタンを採用、高い静粛性や快適な乗り心地を実現しています。また低燃費タイヤブランド「ECOPIA」で実績あるエコ形状をも搭載し、優れた低燃費性能の実現を訴えます。
これによる従来品「DUELER H/L 683」との比較では、転がり抵抗が24%低減、パタンノイズは15%低減を示します。
同社では低燃費性能を提供するSUV用低燃費タイヤと記載しています。ただSUV用タイヤは低燃費タイヤの規格外であることから、厳密にはSUV用の低燃費性能に優れたタイヤと謳うべきかと。注意として「当商品はラベリング制度の対象外の商品です」とはなっていますが・・ 気になったので。
発売サイズは、255/55R18 109V XL ~ 175/80R15 90S の27サイズ。発売時期は、2014年2月1日から。
トーヨー TRANPATH mpZ
トーヨーの「TRANPATH」シリーズ登場は1995年、そこから19年に渡りミニバン専用タイヤとしての進化を実践しています。ミニバンタイヤに求められるニーズに応えた商品は、ユーザーから高い評価を得、今日のブランド認知に至っています。
新製品「TRANPATH mpZ(エムピーゼット)」は、従来品「TRANPATH mpF」の後継であり6代目となります。昨今のミニバンはタイヤサイズはそのままに、積載容積と車両総重量が増える傾向、一方で低燃費性能が必須となっています。ミニバン特有のフラつきを抑え磨耗に強く、環境性能と安全性能に優れることが強く求められているのです。
「TRANPATH mpZ」は、左右非対称3本溝パターンとワイドトレッドを採用し、タイヤの接地面積拡大により磨耗ライフに対応しています。また3Dマルチサイプとアウト側リブを広くとって剛性を高め偏磨耗を抑制しています。サイレントウォールによりパターンノイズも低減しました。
「Nano Balance Technology」の採用では、磨耗ライフの向上とともに低燃費化とウェットグリップ性能の両立を果たしています。従来品比較では磨耗ライフが27%向上を謳います。
ラベリング制度の転がり抵抗係数は「A」、ウェットグリップ性能は「b」もしくは「c」です。従来品も同様の対応でしたが、新製品ではウェットグリップ性能「b」に対応するサイズ拡大が目立ちます。
発売サイズは、225/45R18 95W ~ 165/70R14 81H までの39サイズ。発売時期は、2014年2月14日から。
トーヨー TRANPATH LuⅡ
トーヨー「TRANPATH LuⅡ(エルユーツー)」は、最上級の静粛性と快適性を備え、ラグジュアリーミニバンにふさわしい上質な移動空間の提供を訴えます。従来品プレミアムミニバンタイヤ「TRANPATH Lu」の後継となります。
「TRANPATH Lu」の発売は2005年、大型でプレミアム化するミニバンをターゲットに発売されました。結果極上の静粛性に対しての評価を得、車種特性に対する貢献を果たしてきたのです。
しかし発売から相応の年数が経過したことで、昨今では基本設計の古さが感じられるところです。今回の「TRANPATH LuⅡ」への進化では最新プレミアムミニバンタイヤとしての期待は大きいと考えます。
待望の低燃費タイヤ化も実現しており、転がり抵抗係数は「A」、ウェットグリップ性能は「b」となります。
静粛性の実現はパターンブロックの大きさの組み合わせを最適化すること。音を分散しパターンイズを低減しています。また、3Dマルチサイプとアウト側リブを広くとって剛性を高め偏磨耗を抑制しています。スーパーハイターンアップ構造は、プライコードの巻き上げを更に高くしており、これでも剛性への拘りを示しています。
発売サイズは、255/35R20 97W ~ 215/65R16 98V までの10サイズ。発売時期は、2014年1月14日から。
トーヨー TRANPATH LuK
トーヨー「TRANPATH LuK(エルユーケイ)」は今回からシリーズに加わった新たなタイヤです。名称からも想像できるように、「Lu」は「LuⅡ」の静粛性と上質な乗り心地を持ち合わせ、「K」は軽カー対応を謳います。
現在の新車市場における軽カーの拡大に向け、「TRANAPATH」シリーズが培ってきた先進技術を投入した新ジャンルのタイヤといえます。軽カーは「ハイト系」と呼ばれる背の高いタイプに人気があります。車高170cmを超える「スーパーハイト系」も登場しており、これらは軽カーでもフラつきや偏磨耗への懸念が出ています。これへの対応を訴えるのが「TRANPATH LuK」なのです。
従来は軽カー対応ならスタンダードタイヤです。低燃費タイヤ化も進み軽カーの特性へフィットしたタイヤが出現しています。しかし多くは剛性面で完全とはいえず、「ハイト系」へはやや不安も感じられるところです。よって「TRANPATH LuK」への出現はかなり期待感が大きいと感じています。
パターンは左右非対称3本溝パターンとワイドトレッド、また3Dマルチサイプとアウト側リブを広くとって剛性を高めることで偏摩耗を抑制。スーパーハイターンアップ構造、「Nano Balance Technology」など新「TRANPATH」の技術を踏襲しています。
当然ながら低燃費タイヤとなり、転がり抵抗係数は「A」、ウェットグリップ性能は「c」です。
発売サイズは、165/50 R16 75V ~ 155/65 R13 73S までの7サイズ。発売時期は、2014年3月14日から。
グッドイヤー EAGLE RVF
グッドイヤーでは、低燃費ミニバンタイヤ「EAGLE RVF(イーグル アールブイエフ)」を発表しています。
「EAGLE RVF」は従来品「EAGLE RV-S ECO」の後継になるかと。既に低燃費タイヤ化は実現しており、ラベリング制度での転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「c」に対して、今回は転がり抵抗係数「A」「AA」、ウェットグリップ性能「b」へ進化しています。
ミニバン専用タイヤの特性は、ふらつきや偏磨耗、そして腰砕けの抑制にありますが、「EAGLE RVF」は高次元でこの性能を実現し、快適性能や操縦安定性をも向上させる新コンセプトミニバン専用タイヤを謳います。
性能特性では、ミニバン専用低燃費タイヤにも、走る喜びを「RVF」が持つ3つの力「Three Force」を訴えます。
①Family(ファミリー)-家族に嬉しい性能
NEW Asymmetryパターン採用により、重心が高いミニバン車特有のふらつき性能と偏磨耗を抑制。
②Fast(ファスト)-キビキビ走れる運動性能
新開発のOptimize Constructionの採用により、タイヤ全体の剛性が向上。スムーズなレーンチェンジとふらつきを抑制。低発熱ポリマーと、Efficient Rubber採用により、トレッド&サイドウォールの発熱をセーブし、低転がり抵抗を実現。
③Far(ファー)-より遠くへ走れるロングライフ性能
接地形状の最適化により、ロングライフ性能を実現。
「EAGLE RVF」はスポーツミニバンへの期待感を誘います。元来「EAGLE」ブランドのミニバンタイヤは、高速走行やハンドリングの追求を得意としてきたタイヤです。低燃費タイヤ化ではこのイメージが薄れているものの、「EAGLE RVF」へは踏襲された性能として大いに期待したいところです。
発売サイズは、245/40R19 98W ~ 155/65R14 75H までの32サイズ。発売時期は、2014年2月1日から。
ダンロップ エナセーブ EC203
ダンロップでは、低燃費タイヤ「エナセーブ EC202」の後継となる「エナセーブ EC203」を発表しています。エナセーブ第2世代に突入し、長持ちする低燃費タイヤを謳います。
「エナセーブ EC202」はスタンダードにポジショニングされる低燃費タイヤです。従って「エナセーブ EC203」も軽カーやコンパクトカーをも対象とする役割が与えられます。
耐磨耗性能を強調する特徴では「エナセーブ EC202」との比較で、耐磨耗性能がスタンダードパターン(5リブ)で9%、軽・コンパクトカー専用パターン(4リブ)で17%向上を訴えます。
ラベリング制度では、「エナセーブ EC202」が転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「c」に対して、転がり抵抗係数「AA」、ウェットグリップ性能「c」を達成しています。
技術的には、「4D NANO DESIGN」により開発された新配合「新マルチ変性SBR」をタイヤトレッド部に採用し、シリカの分散性が向上しポリマーの不要な発熱を抑制して転がり抵抗を低減しています。
サイドウォールにはポリマー末端部の発熱を抑制する「末端変性ポリマー」を採用。またタイヤを均一にたわませる事で、ショルダーからサイドウォールにおけるタイヤの変形ストレスを軽減する「真円プロファイル」を採用、低燃費性能を向上しています。
パターンは従来品よりもショルダー部の剛性を上げた新開発パターンとなります。小さなサイズのタイヤでも最適な剛性バランスを実現する為に、軽・コンパクトカーでは4リブを採用しています。スタンダードは5リブです。サイズによるパターンの違いは従来品からの継承です。
発売サイズは、225/45R18 95W ~ 145/80R13 75S までの60サイズ。発売時期は、2014年2月から。
ヨコハマ BluEarth AE-01F
ヨコハマでは、低燃費タイヤブランド「BluEarth」のスタンダードタイヤ「BluEarth AE-01」をリニューアルした「BluEarth AE-01F(ブルーアース・エーイーゼロワン・エフ)」を発表しています。
「BluEarth AE-01F」の最大の特徴は、ラベリング制度での転がり抵抗係数がそれまでの「AA」から最高グレーディングとなる「AAA」へ進化したこと。ウェットグリップ性能は従来の「c」です。
「AAA」の進化では「BluEarth AE-01」の構造とトレッドパターンは踏襲しながらも、「ブルーアースAE-01F」専用ナノブレンドゴムを開発しています。これは低燃費性能、耐磨耗性に貢献する複数のポリマーをブレンドし、高分散性シリカ、オレンジオイルをも配合したものです。
進化による比較データは豊富、いずれも「BluEarth AE-01」を従来品としたものです。
・転がり抵抗係数=11.4%低減
・ドライ制動距離=3.3%向上
・ウェット制動距離=2.1%向上
・ウェット操縦安定性=同等
・車外通過騒音=同等
・パターンノイズ=0.8dB低減
・ロードノイズ=同等
・質量=同等
・JC08モード燃費=4%向上
進化では転がり抵抗係数が最高グレーディングを達成していることが最大です。比較データからはその他性能も僅かながら向上しているのがわかります。
カテゴリー配置によりメインターゲットはコンパクトカーですが、今回の進化でコンパクトクラスのハイブリッドカーにも最適であることが訴えられえています。軽カーへの装着も期待されますが、サイズ設定がやや厳しいか。その場合従来品も継続されますので、その選択になりそうです。
なお、「BluEarth AE-01F」と「BluEarth AE-01」の区別はサイドのブランドロゴ、これによる見分けを示しています。
発売サイズは、205/55R16 91V ~ 165/70R14 81S の19サイズ。175/60R16 82H ~ 145/80R13 75Sの16サイズは、「AA/c」の従来品「BluEarth AE-01」を継続販売します。発売時期は、2014年2月1日から。